記者会見

●質疑応答:九州電力玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画の安全性について(その1-1)
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○共同通信
 今日、その安全性については確保できるというふうな見解を出されまして、事前了解への判断に当たって安全性も必要性もクリアしたわけですよね、きょうの見解で。
○知事
 はい。
○共同通信
 あと、同意のために足りないものは何ですか。
○知事
 何より玄海町の意向ということになります。また、今回この時期に公表することとしたのは、2月県議会までに県の基本的な考え方を公表して、2月県議会での議論を待ちたいという考えからでありましたので、県議会における議論を待つということになります。
○共同通信
 その二つをクリアした場合には、同意するという理解でよろしいんでしょうか。
○知事
 その議会での議論の行方をまずは見守ると、それが終わった段階で県としての判断をもう一度行うということになります。
○時事通信
 その最終的な判断は知事の判断ということになるわけで、特に県議会の承認が必要とか、そういうことではないわけですよね。
○知事
 これまでの佐賀県における原子力関係の政策において、県議会が特定の事柄について、例えば条例案を議決するとか、そういった手続というものは行われておりません。
○時事通信
 要するに、安全性の確保を大前提としていきたいと。その大前提について安全性が確保されるという見解を今日まとめられたわけですよね。これはもう事実上、同意するというふうにとらえた方が自然だと思うんですが。
○知事
 いや、それは、まずは玄海町の意向がはっきりしておりません。何よりも玄海町の意向がどうかということが、このことに限らず原子力安全行政についての最大のポイントでありますので、まずはそこの議論を見守るということが大前提であります。県議会での議論も、どういう議論がこの議会で展開されるのかということがございますし、そこの場において県議会として、場合によってはそういう意思が確認できるようなこともあり得るかもしれません。そこは議会の話になりますので、私からどうこうということではございませんが、いずれにしても、そういう動きをきちんと見据えた上での最終的な判断になります。
○時事通信
 あとは、安全性についての検証ですけれども、事実上、県独自の安全性に関する検証というのは僕はできていないと思うんですよ。そういう中で、安全性は確保されるというふうに判断なさったのは、繰り返しになると思うんですが、何をもって安全性は確保されると判断されたのでしょうか。
○知事
 まず、何をもって県独自の検証がされていないとおっしゃっているのかわかりませんが、私どもは慎重なお考えの向き、また、いいとおっしゃる向き、それぞれのご意見をお伺いした上で、もちろん県は国のように専門家がいるわけではありませんが、一定の技術、一定の経験、一定の見識を持った人間は確保しておりますし、私どももここ数十年の中で原子力安全行政については一定の知識レベルに達していると思っています。また、必要に応じていろんな方々にお話をお伺いすることによって、県としての判断をいたしました。さらには、国として出された論点ばかりではないかというお話もありましたが、例えばテロのこと、地震のこと、そうした問題については国の方では審査がなされておりません。これは、公開討論会などにおいてそういった点についての県民の不安が非常に大きいということを私どもが判断して、今回論点に加えております。
○共同通信
 地震とテロの部分に関して、県としての判断は、プルサーマルで今までの状態と変わるわけではないという見解で、特段検証したというふうには受けとめられないんですけど。
○知事
 それは検証しております。お手元にお配りしている資料を見ていただいたらわかりますが、もちろんプルサーマルであるか、通常のウランを燃やす運転であるか、そういったことによって、私どもとしては地震による影響、またテロによる影響が変わるとは思っておりませんが、このプルサーマルという問題を契機にして、もう一度、地震については本当に大丈夫なのか、テロに遭う危険性はないのか、そういったことを私どもなりに検証させていただいております。
○日経新聞
 知事、前から必要性は理解できると、これはもう強調されていました。去年の県主催の公開討論会の後にも、安全性については一定の理解が得られたと。得られたという意味は、要は論点が出尽くしたという意味ですね。その時に、一度、論点を整理しなきゃならないというふうに強調されていました。
 ただ、今日、知事がそれほど安全性について強調されると、県民にとっては、もう県はこれでゴーサインを出したのではないかというふうに私は事実上とられると思うんですけれども、それについてはお考えはどうですか。
○知事
 このような形で公表させていただいて、またご批判を待ちたいと思います。この県の考え方に対して、いや、それは違うというお話があれば、それに耳を傾ける必要があると思いますし、それはそのとおりだろうということであれば、やはりそうであったかということで、私どもとしては安心するということであると思います。
 いずれにしても、全く何も準備をしないまま、いきなり結論に達するということではなくて、私どもは県としては随分丁寧にいろんなステップを踏み、その時々に応じて見解を少しずつ出していき、それに対するご批判も仰ぎながら県としての考え方を固めていくというステップをとっているつもりであります。
 ですから、今回もその一つの段階ということでご理解をいただいて、今回のこの発表した内容について、またいろんなご意見があれば、それは耳を傾けたいと思っております。
○西日本新聞
 今回のその考え方は、環境が整えば同意するという意味に受け取ってよろしいんでしょうか。玄海町の同意や県議会の議論で何もなければ、もう同意しますよということでよろしいでしょうか。
○知事
 何もなければというのが、(玄海町や県議会で)どうなるかわからない中で、じゃ何もなければやりますということは、ちょっと玄海町に対してもどうかなと思います。ただ、県としては、今の段階で安全性については、一定の結論に達したということを申し上げれば、それは玄海町としても、もちろん参考にされることはあろうかと思いますけれども、あくまでも、それは玄海町は玄海町として、これまでも常に県とは独立した判断をしてきておられますので、そこは玄海町は玄海町として判断されるし、また、県議会においても、本日発表した事柄、また、これまでのいろんな経緯を踏まえて議会で活発な議論がされると思います。それを見て判断したいと思います。
○西日本新聞
 県としては同意したい意向であるということでよろしいですか。
○知事
 いや、県としては同意したい意向ではなくて、県としては安全性については、このように判断して、今日の段階ではそこで止まっているということです。
○西日本新聞
 同意については、まだ全然判断していないということでよろしいですか。
○知事
 同意については、まずは地元の玄海町の判断が何よりだということを常々申し上げてきておりますので、まずはそこの動きに注目をしたいということで、今日の時点はそこでご理解いただきたいと思います。
○西日本新聞
 では、同意と書いたら間違っているということですか、「同意へ」と。
○知事
 いや、それは皆様がどうお書きになるかは、それぞれご判断されることだと思いますけれども、私どもとしての考え方は今申し上げたとおりです。
○共同通信
 先ほど、この安全性、必要性をクリアした上で、あと必要なものは玄海町の意向と2月県議会の議論とおっしゃいました。現在、特別委員会で検討しています唐津市の意向というのは、どういう位置づけになるんですか。
○知事
 唐津市については、今はまさに特別委員会でご議論をいただいています。唐津市の部分も含めて県が代表して判断するということに考えていますので、唐津の市長の方からは、そういう唐津市民や唐津市の考え方について、何らかの形でご意見の表明があるのではないかと思っております。
 本日、このようにして公表しますということをご連絡しましたところ、唐津の市長さんから、ぜひとも来週開く唐津市の特別委員会に県から職員を派遣していただきたいという要請がありました。そこで、本日発表している内容について県から説明をいただきたい。さらには、国の職員にも同行してほしい、そのような要請がありました。私はそれについて了解をいたしましたので、国にはこれから依頼をいたしますが、14日(火)だと思いますが、唐津市議会の特別委員会に、少なくとも県職員を派遣し、本日の県の考え方について説明させていただきます。
○共同通信
 市長なりの意見の表明というのは、先ほどの2点に加える3点目という理解でいいんですか。
○知事
 私どもは事前了解そのものについては、まずは玄海町ということを考えていますので、唐津市そのものが、事前了解というプロセスそのものに大きく関与してくるということにはならないと思いますが、県民全体の理解というふうなことを考えたときに、隣接市である唐津市の意向というものを全く無視するということではもちろんございません。真摯な議論も行われておりますので、何らかの意見の表明があれば、それに耳を傾けるということになろうかと思います。

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