記者会見

●発表項目:県立病院好生館の移転先の決定について
 それでは、県立病院好生館の移転先の決定について発表いたします。
 移転先は嘉瀬地区であります。
 理由は、大きく言えば三つです。
 一つは、将来のことも含め、県内各地から車利用がとても便利だということです。次に、県西部地区からの交通が非常に便利だということです。3点目が県立病院と佐賀大学病院がうまく機能的に連携していく、そして、さらには広範囲に救急対応していくという意味においては、ある程度の距離にあった方がいい、この大きく言えば三つの判断で嘉瀬地区に決定しました。

【パワーポイントにより説明】
 県立病院好生館の移転先の決定について(Power Pointファイル)

 これはもうご存じのとおりですけれども、嘉瀬地区というのはここにあります。
 ちなみに、大学病院がここになります。さらに具体的に言うと、ここが昔の貫通道路と言われるところ、今国道207号です。その扇町の交差点から南に入ったところ、ここからここまでは12メートル道路ができていますが、その南側に位置している場所で、現況は田んぼです。
 ここにつくるということになれば、ここの(南北に延びる道)道を拡幅して、ここ(東西に延びる道)も広げていきます。そして、県道十五中原線につなげるようになります。さらには、今計画中の嘉瀬南インター、有明沿岸道路ですが、その南インターから約2キロ、車で行けば数分という距離になります。
 移転先選定の考え方は、大きく二つに分けました。一つが基本構想報告書で求められた要素、そして、二つ目が最近行った2回にわたる懇話会、そして、この間、県議会においてどういう議論があったのか、こういったことのまとめであります。
 まず第1点目のパート1についてご説明を申し上げます。
 アクセス道路の利便性について、まず今の道路でどうかということを見てみました。それぞれ4地区をポイントとなる四つの市(唐津市、伊万里市、鹿島市、鳥栖市)から道路交通センサスを使ってやっていきました。そして、4地区平均が出ます。平均を上回るところが、いわば優れている。上回れないところは優れていないということでカウントをしています。その結果、この三つ(本庄、開成、嘉瀬)は平均よりも短い時間だということで優位性が出てきました。
 では、将来計画中の道路を前提とする場合どうなるか。同じような方法で試算をやってみました。平均を上回るところに丸をつけた結果、兵庫は鳥栖からは近くなりますけれども、そのほかのところから見れば、本庄、嘉瀬、開成といったところが平均よりも短いということで、それらを総合してこの三つのところに丸をつけたということです。
 次に、公共交通機関についても考えてみました。これらについては、兵庫地区はもともとJRを使うことができます。JRからいわば1.6キロという距離になるということで、ほかに比べ近いというふうなこともあります。また、開成は鍋島駅から700メートルということもあります。嘉瀬は非常にバスの本数が多い。日中の12時間において65本のバスがあるというふうなことがあります。それに比べますと、本庄は、つくれば今の大学病院と同じように1時間に1本か2本ぐらいはバスの開設が予定されるかもしれませんが、それでもほかに比べると劣るということで丸をつけておりません。
 県西部地区への配慮という意味で、それぞれ西部地区に属する鹿島、伊万里、そして、参考までに唐津というふうなところから見たときにどうかという点で見てみますと、車を使って今の道路を前提とした場合には、開成と嘉瀬が時間短縮になっていきます。また、県西部地区からバス、JRを使っていく場合ということを考えますと、こうした鍋島駅、そしてまた、扇町バス停が使えるというようなことで、この二つを優位だと判断しました。
 一方、社会資本整備については、兵庫は区画整理事業を行っておりますので、下水道の整備が不要になります。その意味で兵庫に丸をつけました。
 また、市街地としての将来の発展性については、これはややフェーズが違うんですが、現在、兵庫地区は区画整理をやっております。区画整理をやっているがゆえに市街化区域になっております。その意味では、周りが大型店の開発というものも予定されておりますので、その意味で、兵庫だけに丸をしております。あとはいずれも市街化調整区域でありますし、今のまちづくり三法の動きを考えますと、今後市街地として発展するということを前提とするのは難しいということで丸をつけておりません。
 敷地面積については、いずれも必要な面積を確保できると判断をしています。
 事業費については、これはあくまでも現時点における参考だということでご理解をいただきたいと思いますが、兵庫については大体301億円、これは用地取得費が10億円というように決まっております。一方で、そのほかのところはこれから用地買収に入ることになりますが、もともとが宅地でありますので、10億円と比べるとそれよりも低くなるということを想定しております。また、社会資本整備費については兵庫はかかりません。ほかのところはかかりますので、そういったことを勘案して兵庫に丸をつけました。
 以上のようなものを総合的にまとめてみますと、丸の数ということで言えば兵庫が5、本庄3、開成と嘉瀬が5というようなことになっていきます。この丸の数そのものというよりは、こういう傾向にあったということでご理解をいただければと思います。
 次に、パート2に入ります。パート2というのは、懇話会と県議会でどういう議論がなされたかということであります。
 懇話会においては、道路アクセス、大学病院との連携についてはこんな意見が出ました。特に救急搬送をする立場から考えてほしいのは道路のアクセスだということでありました。そして、全県的な見通しのもとに、どこからでも来れるということを考えてほしいという話が1点であります。
 もう一つは、佐賀大学病院との連携については、近い方がいいという意見もございました。一方で、救急の面からは、できるだけ広い範囲の患者さんを救うためには、同じような地区にあるよりは一定の距離があった方がいい、そういう意見があり、さらには、例えば、災害があったとき、例えば、交通渋滞があったときに、同じような地区に二つ立地しているとなかなか緊急対応というのが難しくなる、そういうリスク分散の意味でも、病院がある程度離れていた方がいいという議論がありました。
 また、多くの地域の方々に使っていただくという意味においても、大学との距離は少し離れたところがいい、こういう意見の方が多数でありました。
 また次、県議会においては、県全体からの利用であるということ、西部地区配慮ということ、医療機能を考えるということ、現在だけでなく、将来の交通体系も含めて検討せよということ、また、できるだけ人口の集中しているところに近いところがいいという話、こうした意見が出ました。
 そうしたことを考えまして、県内各地からの道路アクセス、県西部地区からの利便性、そして、佐賀大学病院とある程度離れて位置するというこの三つの要素を考えたときには、兵庫はこの三つに当てはまるものはございません。本庄はここ(道路アクセス)とここ(佐大病院と離れて位置)の部分はポイントがあると思います。嘉瀬も道路アクセス、そして、利便性というのはポイントがあります。嘉瀬はそのいずれもポイントとして担保することができるのではないかと判断をいたしました。
 その結果、パート1においても、パート2においても、いずれもそういう総合的な議論を検討していく中で、嘉瀬地区が最もこうした要件を満たす地区にふさわしいというように判断いたしました。この四つの候補地は、懇話会においても医療機能の発揮という意味においては、この4カ所、どの場所でも発揮できるということを懇話会としては言っていただいています。そういう中で、どの場所がより優れているかという、いわばベター論の中で決めていったということなんでありますけれども、私どもとしては、この嘉瀬地区というものがこうした要素を考えたときに最もふさわしいと判断した次第であります。
 私からは以上です。


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