記者会見

●質疑応答:県立病院好生館の移転先の決定について
○佐賀新聞
 まず、今後の開院までのスケジュールというんですかね、改めてお聞きしたいんですけれども。
○知事
 スケジュールは、これから佐賀市と話をして、地元との話を始めていきます。それがどれくらいの期間かかるかということは、ちょっと今の時点ではわかりませんが、もともと地元の方からぜひこちらにという声があったということがありますので、それほど大きな障害はないのではないかと思っておりまして、実際にできていくのは6年後、開院は6年後を予定しています。
○西日本新聞
 これはもともと佐賀市長からご提案があった4カ所の中から選ばれたわけなんですけど、佐賀市にはこの話はされたのか、どういう反応だったのかというのが1点と、それから、佐賀市に協力を求めたいというお話をされていましたが、それは具体的にどういうことなのか、現時点でお話しできることを説明いただけますか。
○知事
 はい、わかりました。
 佐賀市には、今回の決定をするときに事前に佐賀市長にはお伝えしました。無論、事務的にもいろんな協議をする必要上お伝えしてございます。それについては、4カ所の中から決めていただいたということでわかりましたと。佐賀市としても協力をさせていただきますと、そういうお答えをいただいております。
 具体的な協力の内容については、これから詰めていくということで、現時点で明らかになっている額や内容というものはありませんが、以前から言われておりますのは、例えば、用地買収、周辺の道路の整備、上下水道の整備、そうしたものについては、佐賀市としても協力をしたいという回答をいただいております。
○佐賀新聞
 検討懇話会の中でも佐賀大学附属病院との連携というのがよく出ていたんですが、その中で、医療資源の共有化というか、センター化という言葉が僕は非常にいい考えだなと思ったんですが、そういったことについて、今後進める中で、いろいろ検討する余地はあるんでしょうか。
○知事
 はい、あります。この佐賀県の中で中核となるべき二つの病院でありますので、大学病院の方がどういう機能を発揮していくのか、そして、それを分担する形でこの好生館がどういう機能を分担していくのか、これはきちんと話をしていかなくてはいけません。
 今までは場所の話で精いっぱいだったんですけれども、これからはどういう中身にするのか、そしてまた、どういう経営体にしていくのか、そういったことが中心になっていきますので、これから佐賀大学との話をきちんとしていきます。
 大学の方からも、ぜひそういったことについていろいろ意見交換をしたいと。また、希望も申し上げたいというお話も伺っております。
○佐賀新聞
 関連して、基本設計が大事になると思うんですけれども、その進め方というんですかね、いろんな県民からのアイデアも募るべきだと思うんですけれども、そういった、例えば、基本設計をするに当たっての検討委員会とか、そういった進め方はどうなんでしょうか。
○知事
 基本構想をどういう形でつくっていくのかということについて、まだ決めていませんので、どういう決め方をしていくかはこれから考えていきたいというように思いますが、そういう県民の意見の反映のさせ方というのもあるでしょうし、実際に病院つくるのには五、六年かかって、しかも、五、六年かかってスタートしていくわけですから、今この時点でどうかという判断も去ることながら、病院が将来にわたって何十年も機能を発揮していくのに何が必要かということ、結構長いスパンでの長期的な見通しも必要になっていくというように思います。その意味では、この基本構想が非常に大事になるので、もちろん、いたずらに遅らせるということはしませんけれども、そこは丁寧にやっていきたいと思っています。現時点では、具体的なイメージは未定であります。
 これから一つのポイントとしては、主体をどうするかという問題が出てきます。今は県立病院という名前のごとく県が直営でやっていまして、地方公営企業法という法律の一部適用ということでやっていっています。ただ、議会や先行する県立病院のいろんな改革の動きを見ていますと、地方公営企業法というものを全部適用して、今よりももっと経営というものを重視した方向にシフトしていくという考え方が一つ。また、独立行政法人が経営するようにした方がいいんではないかという話もあります。そうしたご意見もありますので、そういう中でどうしていったらいいのかということを決めていきたいと思っています。
○日経新聞
 知事、病院というのは、これから少子・高齢化の中ではある面、都市にはもう不可欠な機能。それと同時に、病院は病院だけで成り立つものじゃなくて、当然アクセス、それから周りの商店とか、あるいは住宅とか、そういう部分にも関わってくる重要な施設です。そういうまちづくりの視点から考えて、(嘉瀬地区は)ちょっと市中心部とは言いがたい。今後、県として嘉瀬地区の周辺に何かまちづくり的な発想でいろいろやっていくとかいうお考えはありますでしょうか。
○知事
 現時点で具体化しているものはございません。私どもは、こういう病院のような大きな公共施設は、まちづくりの議論とは不可分の関係にあるということを前々から訴えておりました。ですので、中心市街地、そして、その隣接地の中でいい場所がないかと思って探していました。ですが、残念ながら適地がなかったということで、今回、佐賀市にお願いをして出してきたところが、いずれもいわば郊外型のものであったということなのであります。
 そういう中で、しかも今、まちづくり三法の動きを見ていますと、市街化調整区域につくった周りにスプロール的に(不規則に広がって)何かが次々に立地していくということを考えるのは難しい状況ではありますが、今後、有明海沿岸道路が整備されるというようなこともありますので、そういう長期的な道路整備なんかとあわせて、もう少し時間が経過していく中で、これはむしろ県というよりは佐賀市の方が中心になると思うんですけれども、この地域のまちづくりをどうしていくかという議論が出てくるのではないかというように考えております。
○NHK
 今回の移転先をめぐって、これまで二転三転あったわけですけれども、懇話会にしても医療関係者の意見を本来なら最初に聞くべきであったと私は考えているんですが、今回の選定の経過を振り返っていかがですか。
○知事
 医療関係者の意見は最初に聞いて、基本構想報告書というのが出たわけですね。そういったものを踏まえた中で、いよいよ決めるのは県だということで、県として議論をして決めたわけであります。ところが、用地提供者である佐賀市からその場所は困るという話があったもんですから、もう一遍原点に戻って、では、どこがいいんだろうかということで佐賀市周辺を含めていろいろご意見をお伺いした。
 佐賀市の方からは、ぜひ地元として協力したいというようなこともお話があり、かつ、4カ所の提示があったので決めるということにしたわけでありますが、議会の方でもその選定については透明性を確保せよという話と医療関係者の意見を聞くべきだというようなお話もあったというように理解をしています。そういう中で、再度医療関係者に集まっていただいて、この4カ所が果たして本当に病院として必要な機能を発揮できるかということの議論をいただいたと思います。
 確かに、もっと早く決めておければよかったという気もしますけれども、いろんなさまざまな議論の過程を経て、今回こういうことで候補地を決定させていただいたということで、結果を見ればよしというようにしております。
○毎日新聞
 結果的に、先ほどベター論とおっしゃっていましたけれども、当初のアバンセ北と今回の嘉瀬地区と比較して、結果的にどちらがいいと思われていますか。
○知事
 結果的には、できなければいけませんので、その意味では嘉瀬地区が一番いいです。
○毎日新聞
 どんどんどんの森のところにできたのと、今回できたのと、どっちが知事ご自身ではベターだと思いますか。
○知事
 それはもう嘉瀬地区がベターです。
○読売新聞
 市との協議で、跡地利用というのは市が原則的に決めるというのがありますが、今回、嘉瀬地区と決まったことで、水ヶ江のところは跡地利用という問題が具体化してくるわけですが、県立病院がなくなると空洞化という問題も出てくると思うんです。そのあたりでの県の協力姿勢とか、跡地利用に対する考え方とかがあればお聞かせ願いたいんですが。
○知事
 確かに、病院がなくなった後、長期間にわたってそこが放置されているという状態は望ましくないと思っています。市との協議の中では、跡地の利用はまず市が基本的に考えるということになっていますが、市に全くお任せをしてしまうということではなくて、県としてもあの場所の活用可能性がどのようなことがあるのか、自分たちなりにも調べたいと思いますし、市にもいろんな意味で提案もしていきたいと考えています。
 いずれにしても、跡地がどうなるかということについて非常に不安をお持ちの方々もいらっしゃると思うので、そうしたことにならないようにしっかりやろうということを、なるべく早期に市長と私の間でその意思を確認したいと思っています。
○時事通信
 先ほどの質問で、どんどんどんの森と嘉瀬地区を比較して、嘉瀬地区がベストであると。となると、ちょうど1年前、知事が会見でおっしゃっていたどんどんどんの森がベストであると。そのときはベターであるという表現だったかと記憶しているんですが、となると、去年のあの発言は何だったのかなという気がするのと、いろいろ経緯があって、今日また発表ということになっているわけですが、最初からこういう形で決めていれば、むだな時間とお金と使わずに済んだのではないかと思うんですが、それについて知事はどういうふうにお考えでしょうか。
○知事
 去年この時点では、市がある場所を提供するということを約束してくれていました。そういう前提の中で、どんどんどんの森がいいというように判断をしました。ところが、その後、地権者としての市が協力をしないという方針に転換をしました。それは前の市長さんもそうでありましたし、新しく当選された秀島市長もその考え方については変更がございませんでした。
 こうした事業というのは、地権者の方がぜひ自分たちの土地を使ってくれ、または使うことに同意をする、そういうような大きな流れがなければできないものであります。そういった議論を全く無視して考えれば、ほかにもできる場所はあるのかもしれませんけれども、とにかくいい病院をできるだけ、6年後という限られた時間の中でつくっていく必要があるという意味では、この地元の盛り上がりもあり、市からの協力体制も得られている嘉瀬地区がベストだと考えています。
○FM佐賀
 用地取得費は大体どれぐらいというのはわかりますか。
○知事
 数億円のイメージではおります。
○FM佐賀
 協力してくれると言っているんで、結構……
○知事
 ええ、その分も含めてのご相談ということになるんですが、協力と言っていただいているものですから、そういった点についてもご理解を賜りたいというふうに思っております。
○FM佐賀
 数億と言うのは、5億より下ですか。
○知事
 いや、それは、むしろ、市の方が入っていくことになるのかもしれませんが、イメージはまだ固まっておりません。

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