○日経新聞
　プール問題、別の意味のプール口座の裏金の問題が今、岐阜県で大変なことになっていまして、前回、梶原知事の話をひとつ(しましたが)、地方分権改革の旗手であった方が、やっぱりあのような形に陥られると、分権論議自体にも僕は影響がゼロではないかなと思うんですけれども。
　裏金問題、佐賀県も去年ありましたけれども、知事はこの一連の事態をごらんになっていて、印象といいますか、あるいは我が身に、この佐賀県にとっても、より引き締めていきたいとか、そういうご感想はどうですか。
○知事
　率直な感想から言うと、あの梶原さんのもとでというふうに思います。ある意味、改革の旗手でもありましたし、非常にショックではございました。
　また、もう一つ思ったのが、我が佐賀県においても、県民の皆様方には大変ご迷惑をおかけしましたけれども、例えば、食糧費の問題を発端にして、食糧費以外の旅費だとか、ここの岐阜県に出ているような、いわゆる裏金的なもの、そして、さらにそれをやっていく中で今度は通帳の管理の問題、現金をプールしている問題、そういった問題が次々に出てきまして、およそ2年間かけてしっかり処理をしてきました。
　この間、私どもではいろんな痛みもございましたけれども、やっぱりきちんと、しっかりと問題点や反省点をきちんと出すことができて、ある意味ではよかったと思っています。こうしたことがあるから、今日、仮によその県であったとしても、例えば、びくびくどきどきするようなことがなくなっているんではないかなと思っております。
　岐阜県におかれても、なぜほかの県があれだけのことをやっているときに、自分たちだけやらずに済ませようと思ったのかなあということを、率直に言って非常に不思議に思います。
　ただ、地方分権そのものについての議論がある、もちろん、いい影響はないかもしれませんが、こうした問題があるということを明らかにしたのも自治体側でありますし、そういったものが、自治体が第三者の委員会をつくって、そこで中身をつまびらかにしていくということをしているわけでありますし、その意味では、問題は問題として大変大きいのでありますけれども、またそうやって自助努力で問題点を明らかにして解決していこうという姿勢を見せているということもあるのではないかと思っております。
　また、これはどっちもどっちということになろうかと思いますけれども、例えば、国においても旅費を不正に使っていたということが一部に報道されたりですとか、公務組織といいましょうか、そういった組織に共通していたいろんな問題点があったのではないかなというふうに私自身は思っております。
　こうした問題を契機にして、こういう国、地方を通じての公務員組織に共通していたこういう病弊が一掃されることを期待したいと思います。