○日経新聞
　引き続きなんですけれども、新型交付税という、新しい人口と面積で、これをあくまで基本として交付税の算定方式を新しくするというのが、骨太方針の2006では明言されていなかったんですけれども、どうも財務省を中心にそういう方向へ進んでいて、今度の自民党の総裁選も安倍官房長官は何らかの形で配慮をするとかいうふうなことをおっしゃっていますけど、大方の流れはやはり大きな交付税自体の算定の仕組みが変わると。そうすると、知事、佐賀県としてあれだけけんけんがくがくやってこられましたけど、骨太方針の中であんまり触れられなかったので、一服かと思ったら、どうもやっぱり基本的には続いていると。今後、どのような対応をとっていかれますか。
○知事
　新型交付税なるものが、何を根拠にどういう財政需要を背景にして算定されようとしていくのかということをよくウォッチ(注視)していこうと思っています。交付税はどんな費目の数字であっても、こういう費用にはこれくらいのお金がかかるねということを何らかの数字を使って算定していくわけですね。そのときに、例えば、林野行政費なのか、農業行政費なのか、その他の動きなのかわかりませんけれども、何にどれだけお金がかかるという理由で人口と面積を基準にして一定の金額を配分しようとするのか、その根拠となる考え方が私はいま一つ理解できておりません。
　また、総務省の事務方に話を聞いても、そこについては、まだこれからの議論だということを言っております。
　具体的に来年度の算定においてどのようなことがされるのかわかりませんが、交付税というのは、ただ単にお金を配ればいいというものではなくて、あらゆる自治体が標準的な行政を遂行することができる保障をするという制度でありますから、その新型交付税の導入によっても、そこの部分が損なわれてはいけないということを考えておりますので、その辺をウォッチしていきたいと思っています。
○日経新聞
　何らかのアクションを考えていらっしゃるとかはないでしょうか。というのが、実は非常に国民にとってわかりにくい形で、1回骨太方針の中では出されずに実態が動いているなんていうことで、非常にわかりにくい。地方にとっても、一たんほっと胸をなでおろしていいのかなと思ったら、実はやっぱり違うみたいな、僕はこういうやり方は非常にまずいというか、よくないと思うんですよね。だから知事、いつかアクションを起こすと、いろんなことも考えるというふうにおっしゃいましたけど、ちょっと最近、それの怒りというのが、例の骨太方針以降はちょっと少ないのかなという気がしますけれども、どうですか。
○知事
　この骨太方針をつくるまで、歳入歳出一体改革がまとまるまでの間というのが一つの山だと思っていましたので、その意味では、一つ山を越えたところで、今、小康段階にあるかなと思っています。また、これから秋冬に向けて、新しい制度がいろいろ具体化していく中で新型交付税が、もちろん佐賀県にどう影響するかということもありますけれども、そもそも自治体に財源を保障するという機能が損なわれないかどうかということをしっかり見ていかなくちゃいけないんだと思っています。
　何らかのアクションを起こしたいというふうには常々思っていまして、知事会の中でもいろんな話をしているところではあります。差し当たって、今、21世紀臨調と一緒になってやろうとしているのが、自民党の総裁選候補者の3人を招いての公開討論会を9月15日に東京で行うこととしたんですけれども、そうしたものもこういう総裁選が行われている最中に地方のことについてしっかりきちんと約束をしておいていただく、発言をしておいていただくための手段なんですね。
　昨日も福岡でお三人揃い踏みされておられましたけれども、地方で大会をやると割と地方に配慮したようなご発言もありますけれども、また東京に帰られると、また政権抗争全体を眺めてみると、地方のことについて詳しく言及されているという印象を正直あまり受けておりません。そうしたものを補うべく、そういう公開討論会のような形、また、公開質問状も出しておりますので、そういったところでしっかりと答えていただくということを求めていくというのが、まず今の段階では必要なことではないかなと思っております。
　新しく政権が発足した後に、また全国知事会なんかも開かれると思いますし、そういういろんな場を通じて地方側としての主張をきちんとしていきたいと考えています。