○日経新聞
　ちょっと話をもうちょっと広げたいんですが、安倍政権に対していろいろ批判もあるようです。知事からご覧になって、例えば、安倍政権に対してもう少しこの辺を改善してほしいとか、何か今年の要求といいますか、地方からの要求といいますか、ございましたらお願いします。
○知事
　これはもう安倍政権の発足時から申し上げていたことではありますが、その国の形を論ずること以前に、国土をどうするのかということをぜひ考えてほしいということであります。
　今、経済の回復の話をしました。佐賀県も基調としてはいい方向に向かっているんだろうというふうには思いますけれども、ただ、これまで主役を演じていた中核となる企業や産業といったものは、だんだんダウンをしてきている中で、その次の時代の主役を担うようなものがまだしっかりできているという状況には至っていない。今回の景気回復はやはり東京主導のものになっているということは否めないと思うんですね。そういう中にあって、日本列島のそれぞれの地域に暮らす人たちの暮らしに対して、安倍政権がどういうことをやろうとしているのかといったところはなかなか見えないなというところがあると思います。そういう意味で、（東京の）港区や中央区、千代田区で、港区民主主義みたいな感じではなくて、ぜひ全国の町や村で暮らす人々のことをイメージした政策展開をぜひやっていただきたいと思っています。
　そのためには、今回、地方分権改革推進会議にメンバーが入っていくわけでありますけれども、地方の代表を入れるというふうな抽象的な言い方ではなく、そもそも東京に住んでいる人の数を制限してほしいというふうに思っております。東京でないところの人たちに、例えば、経済界にしても、東京の経済界の代表ではなく、そうじゃないところの代表に出ていただくようなことによって、東京の景況感だけでもって我が国全体を語るようなことがないようにしていただきたいと思っておりまして、私自身、全国知事会の中などでもこうしたことを申し上げているところでございます。
　ぜひ、その狭い地域の様子を見て、自分の目の届くところの事を見て、これが我が国の姿だと思わないようにしていただきたいということを思っているところでございます。