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記者会見
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発表項目:現在の緊急プログラムを改定して策定した「佐賀県行財政改革緊急プログラムVer.2.0(素案)」についての意見を募集します

 それでは、佐賀県行財政改革緊急プログラムの改定版を今回つくりましたので、それを発表させていただきます。
【パワーポイントにより説明】
 今回、きょうの時点でお示しするのは、その素案ということでございまして、この素案に基づいて、後で申し上げますが、パブリックコメントもし、また、議会でのご審議もお願いし、最終的な決定をしていくということでございます。まず、何でこうしたことをしなくてはいけなくなったのかということでございます。
 平成16年度、「交付税ショック」と言われるショックが発生しました。それまで、佐賀県は、大体、交付税が、毎年1,870億円来ていたものが、いきなり200億円減るということになりました。それに端を発しまして、毎年毎年、ずっと交付税が予定よりも減っていっていることが出てまいりました。
 こうした事態に対応して、私どもは平成16年度に「行財政改革緊急プログラム」をつくって、収支を改善させていくということに取り組んできたわけでありますけれども、その後も交付税の削減が続いて、この緊急プログラムを続けているだけでは抜本的な収支の改善が難しくなってしまいました。
 今後も国の歳入歳出一体改革による地方交付税が抑制されるといったことや、少子高齢化の進展によって社会保障の関係経費を確保しなければいけない、そうした中、どうしてもこうした緊急プログラムを改定しなくちゃいけないということになったものであります。
 緊急プログラムの実績を見てみますと、ほぼ計画どおりに予算総額そのものは管理できました。平成19年度は、若干、多めになっております。
 それなのに、なぜこうなったのか。先ほどもちょっと言いましたが、もともと平成15年度には交付税が1,870億円ありました。これが平成16年度には、いきなり200億円減ってしまいまして、それからも、毎年ずっと、減ってきています。平成16年度に緊急プログラムをつくり、そのときには、かなり厳しい見通しで1.7%ずつ減っていくという見込みを立てましたが、実際には、それを大幅に上回る交付税の減というものがありまして、平成19年度には既に1,447億円ということで、見込みよりも大体130億円ぐらい下回る結果になってしまっているということでございます。毎年の差が拡大してきているというものでございます。
 じゃあ、どうやって今まで予算を組んできたのか。大きく言えば、借金と貯金の取り崩しであります。緊プロの計画と実績とを比較すると、大体、実質的な歳入がだんだん減ってきています。この差額分をどうやって埋めたのかといいますと、県債、借金と基金の取り崩しによってカバーしてまいりました。
 特に、県債の発行、貯金の取り崩しを見ると、予定額に比べて、かなり多く貯金を取り崩すさなくてはいけなくなってきているということや、借金についても予定よりも、かなり大きく借金をしなくてはいけなくなってきています。
 これを単年度それぞれの差し引き収支で見てみますと、毎年、単年度の赤字というものが出てきていまして、これがこのまま続きますと、3年後には大体110億円ぐらいの赤字が出てくるのではないかと思っております。そうすると、単年度こうやって赤字が出てくる分は、基金の取り崩しによってカバーしていかなくてはいけませんが、平成22年度には、その取り崩すべき基金、つまり貯金もなくなってしまうという状況になるということで、平成22年度に基金がなくなってしまうということが、私どもの問題意識であります。
 そこで、平成22年度以降も安定的な財政運営を確保していくために、今のような状態をとにかく何とか避けたい、そのためには平成22年度においても一定額の貯金を残すようなことをしたい、それが今回の私どもの目標でございます。
 そのために、まず入ってくるお金を増やすということをやっていきます。また、県には、いくつもの基金というもの、貯金というものが、さまざまな目的のためにあります。そうしたことの融通の利かせ方を工夫していくということや、県債が使える部分は使っていくということ、そしてまた、もうひとつの柱として、どうしても、今回、職員の給与カットに手をつけざるを得ないと考えておりまして、この大きく3本の柱により、この緊急プログラムのVer.2.0を実行していきたいと考えています。
 併せまして、将来的に持続可能な財政構造に展開していくためには、経営体質そのものを改善していかなくてはいけません。この計画期間に、そのための基礎をつくることと併せまして、できるだけ早く、その効果を実現させていくために、業務や組織を聖域なく見直ししていくことや職員数を減らしていくこと、また、事業を選択と集中させていくこと、こうしたことによりまして持続可能な地域経営の道筋をつけることを目指したいと考えております。
 これまでやってきた緊プロを続けることによって、期間中に大体356億円程度は効果があると考えておりますが、それだけでは今回足りませんで、Ver.2.0として新たに取り組む効果としては、217億円程度のものを予定しております。こうすることよって、この期間中に合計573億円程度の財政的な効果があることが実現できると考えております。新たな取組としては、財政的な工夫、また歳入増、総人件費の抑制、先ほど申し上げた3本柱によって成り立っているものでございます。
 内訳でございますが、財政的な工夫としては、ひとつは公債費の負担をなるべくなだらかにしていくために、借換債を活用して借金を返す期間を長くしていくことよって、単年度の借金を返す額を減らしていくということや、公共投資において、これまでも県債を活用してまいりましたけれども、さらに、すき間の部分についてもなるべく県債を活用していくというふうにするということでありますとか、特定の目的の基金のためにつくられているものについて、今、その意義や基金の活用が十分になされていないものについても活用していくということを考えております。
 歳入増については、県有財産を売るということを柱にしまして、広告を取る、自動車税の徴収対策をやっていく、企業誘致、宝くじ、もろもろございますけれども、合計で28億円程度を実現したいと考えております。
 総人件費の取組としては、もともと職員数を削減する計画でおりましたけれども、平成23年4月1日までに500名の職員の削減に取り組むことにしたいと考えております。これは(平成16年4月1日の職員数の)約14.2%に当たります。
 また、手当の適正化と併せて、今回、新しく職員給与の一時的な削減を実現することによりまして、大体84億円程度の財政の寄与を考えているところでございます。
 事業の見直しによる歳出抑制は、これまでもやってまいりましたけれども、引き続きまして義務的ではないソフト経費については前年対比15%減、投資的経費については、いずれも5%減、こういう形でやっていきたいと考えております。
 そういう対策を講じることによりまして、収支不足額が、これは緊急プログラムを切ってしまって何もしない場合は赤字額が増えてしまいます。今の緊急プログラムの取組を、そのまま、だらだらと続けていった場合には少し改善していきますと。さらに、先ほど申し上げたような新しい財源対策を全体でやっていけば、何とか、この収支不足額というのがある程度の額に収まるようになるということでございます。
 残念なことに、こうした対策をとりましても、私どもの見込みでも、なお平成22年度にきちんと収支不足が解消できるという状態には至っておりません。ここに申し上げる収支不足というのは、要は貯金を取り崩したり、無理な借金をしたりせずに予算が組めるかどうかということを、収支不足かどうかということで判断しているわけでございますが、この平成22年度も57億円程度はどうしても収支不足が発生する。つまりは基金から取り崩しをしなくてはいけないような状態が発生するということでございます。
 次に、貯金がどうなるかという話でございます。何もやらない場合には、平成22年度には、424億円のマイナスになってしまいますよ、仮に、今の対策を、そのまま、だらだらとやっていった場合には基金が枯渇しますよということで、これは先ほどもご説明申し上げました。それで、今回、新しい財源対策をやらなくちゃいけないということで、これをやれば、こうすることによって、毎年、貯金を取り崩したり、また積むことをしたり繰り返していきますけれども、この平成22年度には149億円、約150億円ぐらいは何とか貯金が保てるのではないかということでございます。
 150億円というのは、前回、「交付税ショック」があったときに200億円程度、交付税が切られたということがございました。ああしたことは二度とないとは思いますけれども、そういう不測の事態に備えることを考えたときには、150億円程度は基金の残高を確保しておきたいということで、これを目標値にしているところでございます。
 さらに、全体の体系として言えば、お金を増やすということだけではなくて、こういうコンパクトな経営体を目指すという観点から、県の仕事の範囲や現地機関、県立施設、外郭団体等の見直しをやるとか、県民協働、業務改革を進めていくということでございます。
 あと、公共投資については、今年度は975億円程度ございますが、大体3カ年で2,640億円程度を確保しようということで、公共投資については、毎年、高い低いというのが大規模事業を中心にしてございますので、大体この期間中に2,640億円程度は公共投資として使うということを計画として出させていただいております。
 ただ、これは一般会計部分でございますので、このほか特別会計分としては県立病院の建設などがございますけれども、一般会計部分としては、これぐらいの経費ということを、あらかじめ予定しているところでございます。
 職員給与の一時的な削減の具体的な内容についてでございます。
 知事は15%のカット、副知事については10%、教育長、常勤監査委員は9%としました。また、一般職については、副本部長級以上の特定幹部職員は6%で、課長とかの管理職員は5%、管理職員以外の一般の職員は4%ということでございますが、この分については、現在職員団体に提案中でございます。
 また、管理職手当が支給されている管理職員、特定幹部職員については、管理職手当もそれぞれ10%カットをしますので、この6%と管理職手当の分を合わせますと、給料に対する実質カット分は大体8.5%から6%程度になるというふうに見込んでいるところでございます。
 私どもとしては、この一般職員については来年の4月からの給与カットを、そして、一般職員以外の管理職員、特別職については来年の1月からの実施を予定したいと考えておりまして、管理職以外の職員の分については、繰り返しになりますが、現在、職員団体へ提案中でございます。
 また、職員数の削減についても、これまでもずっと職員数の削減をしてまいりました。平成16年度には3,533名おりましたものを、私どもの今回の計画では、それを約500名削減して3,033名、3,000名体制にしようと考えております。これが知事部局でございます。
 また、教員の関係は現在8,555名でございまして、これについては、国が法令で定数を定めておりますので、知事の判断だけで削減することは不可能でございますので、これは、そのままに置いてございます。また、警察についても1,863名、そのまま置いてございます。今回の職員の削減計画では、知事部局のみでいうと、知事部局の定数の約14.2%の削減を予定しているところでございます。
 また、一方で歳入を増やすということを具体的にやっていかなければなりません。これまでややもすれば、歳入は何か天から降ってくるようなイメージがあったわけでございますけれども、とにかく自らつかみ取るということをしていかなくてはいけないという観点に立って、専門の歳入戦略グループというセクションを設置しまして、とにかく収入を得るという観点に立って、今取り組みを進めているところでございます。
 業務・組織の聖域なき見直しはこれまでもやってまいりましたし、引き続きやっていくというものでございます。
 また、地方の安定した財源をしっかりと確保していくためにも、特に、ことしの場合には地方交付税を復元するということが必要になってまいります。この三位一体の改革の折に、その三位一体の改革とは直接関係がない形で交付税が減らされたということに対して、どれだけ、それを回復できるかということが、ことしの税制改正、また予算の一つの大きなポイントであると考えておりまして、これについては、国のほうや、それぞれの政党においても取組をいただいておりますけれども、私どもとしても、特に地方交付税の回復を、是非、強く訴えていきたいと考えております。
 また、本日発表させていただきました、この緊プロのVer.2.0については、パブリックコメントを実施させていただきます。これまでも県民の方々に窓口をつくってご意見をちょうだいしたりしておりましたけれども、この案についてもご意見を賜ることができればと考えております。
 私からは以上でございます。



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