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記者会見
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質疑応答:全国知事会の会長選挙と「ふるさと納税」について
○日経新聞
 話題はちょっと変わりますけれども、地方分権について、ちょっと2点お聞きしたい。
 一つは、全国知事会の会長選挙、福岡県の麻生知事が無投票当選と。一部、無投票ということに対して、求心力が今後どうなっていくかとかいうふうに指摘する声もあるんですが、前回から麻生知事支持を打ち出された知事が、今回の結果、それから知事会の運営、あるいは「闘う知事会」としてどうかという件について一つ。
 もう一つは、地方分権改革に絡みまして、地方の格差ということに対して、「ふるさと納税」みたいな議論が今自民党を中心に上がっていますけれども、これに対して知事はどのようにお考えなのか、お願いします。
○知事
 まず、麻生知事が全国知事会長に再選されたことに関しては、私としても大変喜ばしいと思っております。これについて、今回、無投票で選ばれたということは、これまでの麻生会長のこの会の運びというものについて、47人のメンバーが一定の評価をした結果だろうと思っております。初回は大きな選挙になったわけでありますけれども、わずか数票差だったと思いますけれども、麻生知事が会長になられて、そのときに競争相手だった増田知事を一番の補佐役として地方分権特別委員会の委員長になっていただいて、それで本当に2人で一緒に進めていくというふうなことをされていた。そういったことを見ていても、非常に人を味方にするというふうなことについても、また手腕のある会長だなというふうに思いながら見ておりましたし、推薦をした者としても支えをしておりました。
 非常に難しい状況の中で会長職をスタートされたと私は思っておりましたので、いわば野球で言えば7回の裏の負けゲームで「登板をしろ」と言われたピッチャーのようなものだと思っておりましたので、その意味では非常によく投げ切っていただいたというふうに思っております。
 よく気づいてみると、そういう中で、例えば、三位一体改革についても評価はいろいろありますけれども、財務省が絶対税源移譲の対象とならないというふうに言っていた国債対象経費、つまり、施設整備費の一部が初めて税源移譲の対象になったりだとか、また、第2期の分権改革をやっていくためには法律が必要だと言っていたものがそうなったりとか、実のあるところを随分とっていっています。
 麻生知事は、会長選挙に出られるときから「『闘う知事会』から『実をとる知事会』へ」ということをおっしゃっておられました。そうしたことがこの2年の間に随分実現できていると思っています。
 これからも、無投票になりましたけれども、中での議論がなくなったのでは、全く知事会の存在が意味がないと思っております。個々の、例えば、道州制についてや税収配分の議論になっていけば、個々の知事さんごとにさまざまな意見が出てくると思います。私はそれはどんどん出てこなければ、知事会が知事会らしくないと思いますので、ただ、そういう中で、特に税制の見直しなんかについては、賛成のところと反対のところが明らかに出ていく中でどうまとめていくのか、まさにこれから麻生新会長の手腕が問われるというふうに思っております。ただ、それの対立をどうクリアしていくのかということによって、私は知事会なり地方六団体の存在感が一層高まると考えております。それが1点目です。
 あと、2点目の「ふるさと納税」については、気持ちとしてはよく理解できるということであります。ただし、税制として仕組むとなるとなかなか難しいだろうなと率直に思います。
 ただ、識者の方もおっしゃっておりますように、一種の寄附だというふうに考えれば仕組めないこともないのかなと思っておりまして、その意味では、地域外にお住まいの方々のゆかりのある地域への思いというものを形にするためにも、ぜひとも形にしてほしいものだ、制度化してほしいというふうには思っております。
 「ふるさと納税」という名前こそありませんでしたけれども、この思想そのものは、私がまだ自治省の課長補佐時代ぐらいのときからしょっちゅう出ておりました。何かネタはないかというと大概この話が出てきて、例えば、私自身も唐津市、佐賀市で育って、福祉や教育関係の給付を受け、いよいよ自分が税収を納める時期になるとそこから離れてしまうというふうなことで、私がこうした立場に立たずにずっと今も東京で暮らし続けていれば、何らかの形で自分の育った地元に恩返しをしたいという気持ちは持ち続けていたと思うんです。その意味では、心としては非常に理解できるというものがあります。
 ただ、自治省のそういう補佐の会議の中でもなぜ形にならなかったのかというと、それを税務局という技術集団に持っていくと、持っていった瞬間に「それは税じゃないじゃないか」という議論になってしまっていたからなんですね。実際に現在の政府というか自治体から給付を受けていない者が、しかも本来、税というのは選ぶ形ではなくて、一方的に処分して課するものなわけですね。それについて、自分が相手先を選んで、また、負担額を選ぶというふうなものというのが「そもそも税なのか、それは寄附ではないのか」という話がいつも繰り広げられておりました。
 ただ、今回見ておりまして、私が可能性があるかなと思っているのは、名前は「ふるさと納税」でいいと思うんですけれども、仕組み方としては寄附金税制でいいのではないかというふうなことも思っています。寄附金税制にして、そこを税額控除というものをはめ込んでいけば、それはそれとして一つの考え方ではないのかなと思っております。また、与党の中で別の方が「NPOに対する寄附というものも税額控除でできないのか」というふうな議論もされておられます。
 このように、税額控除というのは本来、税としては例外中の例外であるべきなのでありますけれども、こうしたことによって、自分がここの分野をもっと充実したいというものについて、自分のお金を寄附していくという文化が広まっていくと、ふるさと納税そのものに限らず、我が国全体に寄附の文化が広がっていくことになる。これは、例えば、福祉だとか教育だとか文化を充実させることにもつながっていくのではないか。その意味で、実現性については非常に期待をしているところであります。




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