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記者会見
古川前知事の記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。

質疑応答:ふるさと納税
○日経新聞
 知事、すみません。先ほどのふるさと納税の制度設計、もうちょっと具体的にお願いできますか。
○知事
 例えば、対象はどういう人なのか、ふるさとというのはどういったところなのか、また、手続はどういうふうにしていくのか。例えば、東京都の世田谷区にお住まいの方が佐賀市出身だったとして、その世田谷区に納税する手続の中で、じゃあ「私の分の1割は佐賀市に」みたいな手続でやっていくのか、それとも、じゃあその場合、東京都民税は佐賀県民税に振り替わっていくのかとか、自分はたまたま仕事で佐賀県に住んでいて非常に気に入ったので、そこにふるさと納税したいみたいなところを可能にするのかどうかとか、そういういろんな手続き、考え方、そして、じゃあそれを受け入れた自治体は、どういう手続きでそれを使うのかというふうなことを今、詰めている最中です。
○日経新聞
  そうすると、提案ということですから、もうちょっとこうしたがいいというふうな、もうちょっと前向きの中身になるわけでしょう。
○知事
 ええ。ですから、私のイメージで言うと、ふるさと納税というのはこういう制度ですよという制度そのものを5県知事会でまとめて出すという、そういうイメージになってきます。
○日経新聞
 そうすると、今の知事のお考えだと、例えば、もっとふるさと納税、ふるさとという意義をもうちょっと広くとらえると。
○知事
 それについては意見があるんですけれども、実際にやるとすると、執行する手間というのを考えないと、ものすごく調整コストが高くついてしまうということになるので、みんなが持っているような資料で検証できるようなものが何なのかとか、そういったことを考えなくちゃいけないんだと思います。
 もちろん、厳密に生かそうと思えば、自分が生まれ育ったところだけにしかだめだという考え方もあると思いますし、もう少し広げてもいいんではないかという考え方もあって、そこは今、5県で調整をしているところです。私自身はあまりふるさとの限定をせずに、本当は本人が指定するどこかというふうに言ってしまった方が検証する手続きが要らないので、その分だけコストは下がるんではないかなと思っています。ただ、その分だけ、ふるさと納税という趣旨が薄れるというところはあるわけですね。だから、その辺をどうしていくのか。ふるさと納税の趣旨を徹底しようと思うと、生まれ育ったところに限るとかとなるわけですね。出生地を示す書類を何かつけろとかというふうなことになるわけですね。そうしたほうがいいのかどうかというふうなことを今、議論しています。
○日経新聞
 この前、知事会でしたっけね、ふるさと納税の試算をしてみて、大体住民税の1割というふうに想定すると、大体1,500億円。ただ、あまりそう影響ないという、これはどっちともとれるんですけど、1,500億円が再配分されるという見方もできれば、大したもんじゃないじゃないかと。そんなに騒ぐものじゃないというふうにもとれるんですけれども、知事はこの金額についてはどうお考えですか。
○知事
 1,500億円を大きな金額じゃないと言うと語弊がありますけれども、税制全体から見たら大きくないと思います。これは、これによって偏在を是正しようという目的でやっちゃだめだと思うんですね。我々も、ふるさと納税に反対している知事さんも一致しているのは、これによって偏在の議論は終わりだというふうにならないようにしないといけないよねということであります。
 我々自身がざっと計算をしてみても、佐賀県全体としても数パーセント響くかどうか。それも、例えば、佐賀県の高校を卒業した人で県外に行った人が全員、佐賀県を選んでくれるみたいな、そういうふうな前提で考えていっても数パーセント程度しか違ってきませんので、やはりそもそもの大きく偏在が問題になっているという中では、ごくごく一部のことだと思いますが、ただ、私はこのふるさと納税に意味があると思っているのは、ひとつは、こういう話がわっと出てきて制度化されることによって、自分の生まれ育ったところやゆかりのあったところに自分がいろんな意味で便益を受けていた。平たく言えば、お世話になっていたということを感じてもらうということだと思います。また、併せて言えば、そうすることによって、私はこれは納税者が納税地を選ぶという新しい社会と政府との関わり方の例だと思うんですね。今まで税金というのは、とにかく住んでいるところ、また、住んでいる国の政府が一方的に課税をして、また、申告を受け付けてそこに払うしかなかったわけでありますけれども、これからの時代、そうやって納税者が納税地を選択できるような仕組みが、限度があるにしろ導入されていくということは、私は納税者と政府との関係という意味において、新しい時代のスタートになるのではないかなと思っているわけであります。
 これがさらに進んでいけば、例えば、自分が非常に応援をしたいというNPOに対する寄附金のようなものも、これも税額控除でいいではないかというふうな議論に発展していく可能性もあると思うんですね。私はそういう意味で、ふるさと納税は単に、生まれ育ったふるさとにということだけにとどまらない、21世紀的な新しい税制のスタートという意味合いがあるのではないかと思っております。
○日経新聞
  知事、すみません。ちょっと基本的に金額算定で住民税の1割と。この1割というのは何かあるんですか、その根拠が。
○知事
 多分ないんだと思います。
○日経新聞
 全く……
○知事
 8パーセントでだめか、15パーセントでだめかと言われると、そこがだめという根拠は、ちょっと私が不勉強なのかもしれませんが、恐らくなくて、ただ、圧倒的に多くは、今住んでいるところの自治体から便益を享受されているので、そこはそうでしょうと。そういう基本論を認めながらも、何かしらふるさとに貢献したいという気持ちを表していくために、ある程度の大ざっぱなところで1割という単位が出てきているのかなという気がしてきています。
○日経新聞
 この論議を私ちょっと聞いていまして、1割とかいうあやふやな割合が出たりとか、それをもとに算定した金額が出るとかいうのは、非常に聞いているほうにとっては何というのかな、非常に迷惑になるんじゃないかと。だからもうちょっと、先ほど知事が制度自体を提案していきたいということならば、もうちょっとそこに踏み込んで、例えば、実際的な割合についてもこの範囲で検討する必要があるとかいうふうな、もうちょっと何というかな、根拠のある話を議論で進めていかれないと、何かこう、ひところの道州制みたいに、最初があやふやなまんま、ずっと話が進んでいくという危惧をどうしても私は感じてしまうんですが、その辺どうですか。
○知事
  そこはそうだと思います。だから、私たちもこの制度設計していく中には、それは何割がいいんだ──その何割がいいんだというのは、目の子じゃなくて、基本的な考え方をきちんと示した上で、こうした割合だというふうなことが示せるようにしたいと思っています。




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