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記者会見
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発表項目:佐賀県の新型インフルエンザ対策

 次が、佐賀県の新型インフルエンザ対策です。
 私たちは、今回の対策の中でキーワードを3つ設定しました。「あわてない」、「集まらない」、そして「がんばらない」、この3つです。
 この中でも、特に新型インフルエンザ対策のキーワードは「集まらない」だと思っています。とにかく新型インフルエンザといっても慌てないことが何より大事だと思いますし、また、仮にかかったときには、がんばらずに休むときには休む、こうしたことも大事です。でも、こうしたことに対して、意外に観点としていないのが、この「集まらない」ということではないかと思っています。これが大きなポイントです。
 繰り返します。佐賀県の新型インフルエンザ対策の基本は「集まらない」、集まらなくてもよいシステムづくりです。
 例えば、医療面について申し上げます。全国的にそれぞれの地域で、新型インフルエンザが発生した場合には、その新型インフルエンザの患者さん専用の医療機関、窓口をつくることになっています。それを発熱外来といいます。これは全国につくられます。ただ、そこで新型インフルエンザの診断をいただいた患者さんがお薬をいただかれるのはどこかというとそれぞれの薬局です。でも、その薬局に新型インフルエンザの患者さんとそうでない方が混在されると、そこでうつってしまいます。
 私たち佐賀県は、そうしたことを考えて、この発熱外来だけでは十分ではないではないかということで、発熱対応薬局ということを設置することに決めました。これは新型インフルエンザが起きたときに、ほかのお客さんと接触することなく、新型インフルエンザ対応の薬をもらうことのできる、そういう薬局というイメージです。新型インフルエンザ患者と一般の患者が一緒に集まらない、そういうところから出てまいりました。
 社会的な側面でも、この「集まらない」というのが機能します。佐賀県では、隣の県で新型インフルエンザが発生した時点で、学校や保育所など、主に子供たちが集まる施設については、県内一斉に休校するという方針を今回立てました。児童や生徒が学校に集まらないことによって拡大を防ぐというものです。
 また、食料の備蓄も今回から呼びかけを始めます。外出を控えて、店にお客様が一挙に集まらない、これを目指しています。会社や県庁をはじめとする組織の対応というものについても、ICTを活用しながら業務を継続していく。そのために、職場や会議に職員や、会社であれば社員ということですけれども、それが集まらない、そういったことを考えていきます。
 こうしたことを行うことによって、仮にインフルエンザが発生したとしても、広がりを防ぐことができる、県民の生命と財産を守ることができる、そう考えています。
 さらに詳しく見てみます。医療体制についてですけれども、海外で発生した段階から県内で大流行するまで、それぞれのフェーズに応じた形で継続した医療体制を確保していきます。
 フェーズ4Aというのが、海外で発生して、国内ではまだ発生していない時点です。4Bというのが国内でも発生した時点であります。そして、5ということになると、国内で集団で発生した、そんなふうに変わってまいります。そして、5B、6というふうにパンデミックになっていくわけでありますけれども、それぞれの段階に応じて、最初に行く医療機関、そしてまた、入院をする医療機関、最後には、大量発生になりますともう入院ができなくなっていきますけれども、いずれにしても、こうした形で医療体制を確保していきます。
 また、ワクチンについてですが、はやる前にあらかじめ打っておくプレパンデミックワクチンというものがあります。これは、これまでにはやっている鳥インフルエンザの強毒型のものが今回変異してはやるだろうということを前提にして、あらかじめつくっておくワクチンです。パンデミックワクチンというのは、実際にはやったウイルスからつくられるワクチンのことです。
 こうしたプレパンデミックワクチンやパンデミックワクチンについては、希望する県民の方すべてが接種が可能になるように国に働きかけをしていきます。
 プレパンデミックワクチンについては、現在、2,000万人分ぐらいのワクチンが準備をされていますが、これで果たして希望する人全員になるのかどうかということについては、まだまだ足りないのではないかという認識を持っています。だれかには打つことができる、だれかは希望しているけれども打ってもらえない、そういう形ではなくて、希望する人がいれば、それは打つことができる、今のインフルエンザと同じような、そういう形にこのプレパンデミックワクチンも持っていきたいと考えています。
 また、いざかかってしまったときのための抗インフルエンザ薬というのがあります。新型インフルエンザはあっという間に広がってしまうという非常に怖い側面もありますが、一方で、これに効くであろうと思われている薬も実際に存在しています。これは非常に安心できる要素です。発症した県民すべてにタミフルやリレンザと呼ばれているインフルエンザのためのお薬を確保します。
 また、本当に安心できるように、今度は発症した県民すべてにというレベルではなく、これを上回る治療薬の備蓄を行うように国に働きかけをしてまいります。現在の国の計画では、国民の45%分のこうした薬を確保したいと考えています。大体25%程度の国民に発生するだろうと言われていますので、いわば倍近くのものは現在でも確保されることになっていますけれども、私たちは本当に足りるんだろうかというパニックを起こさないためにも、すなわち慌てないということを確保するためにも、100%を確保するように国に働きかけをしていきます。
 社会対応については、1から8まで代表的なことを挙げておきました。電気、ガス、水道をはじめとするライフラインの確保、ごみやし尿、こうした一日たりとも欠かすことのできない、基礎的なことも必要になってまいります。食料、学校の休校、保育園の休園、社会福祉施設の通所施設の閉鎖、在宅要援護者への支援、火葬機能の確保、こうしたことも具体的に取り組んでいかなくてはなりません。
 また、県民の皆様にお願いしたいことも幾つもあります。
 まずは個人でできることとして、日ごろからマスクをし、手洗いをし、うがいをし、洗顔をするということです。そして、インフルエンザがはやり始めたら人込みを避けるということです。
 次に、かかったかなと思ったら、発熱相談センターというものに相談をしてほしいということです。大事なことは、かかりつけのお医者さんに行かないということです。そこに直接行くのではなく、まずは自分の症状をこの電話の相談センターにぜひ伝えていただきたいと思います。ウェブ上でも対応できるようにしておきます。
 そして、38度以上の熱がある場合には仕事に行かないでいただきたい、これが県としてのお願いです。
 また、2カ月分の食料備蓄を始めましょうということをきょうから呼びかけを始めます。流行は約2カ月続くと言われています。国内流通がどうしても低下をしていきます。品不足になることも場合によっては考えられます。感染を防止するためにも外出をなるべく控える必要が出てきます。長期保存が可能なものを備蓄します。まずは2週間分の備蓄から始めましょう、このことを訴えたいと思います。
 2週間分の食べ物というのは、今こちらに展示してありますけれども、こういう形になります。4人家族の2週間分で大体これぐらいの形になります。具体的には、米15キロ、スパゲティ8束、そうめんは16束、インスタントラーメン16個、こういう感じで、大体備蓄の目安はこれぐらいだと思っています。
 また、栄養士さんにお願いをして、この2週間分の備蓄を使った2週間分のメニューというのも考えてもらいました。そこに置いてありますけれども、大体備蓄のものを食べるときには、コールドミートというか、冷たい食べ物が多いんですけれども、一応電気、ガスは使えるという前提に立って、温かい、ホットメニューを考えてもらっています。
 こうしたことを、とにかく少しでも多くの家庭が2週間分、そして、最終的には2カ月分備蓄をしていただくことによって、大きな社会的な動揺を抑えることができる、慌てないということを実現することができると考えています。
 次に、組織体制でありますけれども、それぞれの会社や組織で考えていただきたいことでありますけれども、例として、県庁の組織体制についてお話を申し上げます。
 県庁でも、やはり「集まらない」ということをキーワードにして対策を行ってまいります。県庁も1つの事業所として、感染拡大の拠点とならないようにしなくてはいけません。そのために、まず、はやり始めた時点で毎朝検温をして、38度以上の熱がある場合には出勤をしないことにします。そして、このようにしていきますと、どうしても職員の数が減っていきますので、業務を集中化させていかなくてはいけません。今、県庁がやっているすべての仕事を今までどおりやっていくことはできません。まず、何よりも重要視されるのが新型インフルエンザ対策そのものでございます。これについては、24時間体制で行ってまいります。
 このほか、今やっている仕事を、必ずやらなくてはいけない仕事、あと法律改正によって一時停止することができるような仕事、一時停止して流行後、挽回するような仕事、このように分けていきます。できるだけ早く、一部は年内に、遅くとも年度内にはこうしたものの仕分けを完了させたいと考えています。
 例えばの話、一時停止するということの典型例として申し上げれば、免許の有効期限がこの流行期間にひっかかった場合、免許を更新するためにわざわざ運転免許センターに行くことによって感染が拡大しかねません。そうした場合に、この一定の期間、免許の更新をしなくても今持っている免許をそのまま使える、こうしたことについて、法律の改正が必要になっていきます。
 県庁の組織体制の1つの姿として、海外で新型インフルエンザが発生した後に、佐賀県の新型インフルエンザ対策本部を設置することにしています。ただし、基本は「集まらない」です。海外で発生しました、国内で発生しました、というときまでは集合型の会議を行います。ただし、県内で発生したら、その後はもう会議は集まって行いません。すべて集まらない会議で行います。具体的にはウェブ会議を行っていきます。また、危機管理上、このフェーズ以降は、知事と副知事は別行動として、どちらかが倒れても県庁の機能が回っていくようにしていきたいと考えています。
 こうした基本方針に基づいて、来週、新型インフルエンザの対応訓練を行います。訓練は3日に分けて行います。まず、11月25日の訓練Aは、海外で発生した疑いがあるという状況から、県内で発生したというときまでの情報連絡室の設置、集合型の対策本部、こうしたことを行いまして、その終わった後にこうした形で起きたようだということで、模擬の記者会見を私は行いたいと思います。現在、記者クラブのほうにご相談をしているところではございますけれども、ぜひ記者の皆さんにもご参加をいただいて、仮に起きたという前提で、さまざまなやりとりをさせていただければ大変ありがたいと思います。
 次は、訓練Bです。これはその翌々日に行われます。
 県内のパンデミックの状態になったときにどうあるべきかということで、これは鳥栖市と一緒になって行います。鳥栖地区において、これも我が国で初めての試みになりますが、ドライブスルーの発熱外来をつくります。
 病院に行ったところ、かかっている人とかかっていない人が一緒になってうつってしまうということを防ぐために、自分が熱があるという人は車の中で待機をしてもらう、そして、順番が来たら車のまま、いわばドライブスルーのハンバーガーレストランのような形で行ってもらって、そこで診察を受け、そして出ていくということをすれば、ほかの患者さんと接触する必要がありません。そういったことが可能なのかどうかをここで試します。全国で初めての試みです。
 また、このレベルにありますので、非集合型で集まらない会議を行います。
 また、12月10日には、訓練Cを行います。これは県内で発生してから入院勧告が解除された後の初期対応と情報伝達の訓練であります。
 このA、B、Cは、インフルエンザ対応のフェーズとは若干違っていますけれども、そこはどうか日程の関係があったものですからお許しください。これは唐津をメーンの会場として行っていきます。唐津の保健福祉事務所が中心になりまして、消防による患者の移送や、発熱外来を実際に準備してみるとか、これは発熱対応のドライブスルーなどの薬局を試しにやってみる、こうしたことをやっていきます。
 こうした数日間にわたる総合的な訓練が行われるのは全国で初めてであります。こうしたことを通じて、新型インフルエンザに対する県民の関心と準備を高めていきたいと考えています。
 私からは以上です。

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