○朝日新聞
　暴力団組事務所問題なんですが、あれは経過の中で、国の見解が足かせになって県独自の判断ができなかった、あるいは大事なことが知事に伝わらなかったとか、県職員、あるいは県の仕事のあり方についての課題をいろいろ浮き彫りにさせるものだったのではないかなと思います。知事としては、あの一件からどのような教訓を学びとられたでしょうか。
○知事
　教訓の前に、まず反省があります。それは、こうした問題が起きたときに、組織上の上司に相談をする前に、前にと言うのはおかしくなるのかもしれませんけれども、あれだけ長い期間、ほかの組織に見解を求め続けてきていた、つまり方針を定めないまま、法律上の解釈はどうなんですかといったことを聞き続けたというのがもう非常に私としては残念ですし、こうしたものが、この多布施の案件については一応出て行ってはいただいているわけですけれども、解決を遅らせたというふうに思って、まず反省があります。
　この一件からの教訓としては、職員に対して何かこうした問題があったときには、よその組織に聞くよりも、まず自分たちで方針をきちんとつくっていこうということを、とにかく徹底することではなかったかというふうに思います。それは、県土づくり本部だけの問題ではなく、ほかのところでも同じようなことが見られるかもしれません。どうしても法律の解釈については、有権解釈権を持っている国のある省のある課の人のほうが内容的に詳しいということがあります。でも、それは法律解釈というものは、その前に、この問題について我々としてどう対応するのかという方針があってからあるべきであって、それが全くないままに、できるんでしょうか、できないんでしょうかということを尋ねるというのは、ちょっと私は方向として違うのではないかと思います。そこはもう反省とともに、来年はこうしたことがないようにしたいと強く思っています。