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記者会見
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発表項目:平成20年度当初予算案について

 それでは、平成20年度当初予算の発表を行います。
 まず、予算の基本的な考え方です。総合計画2007を昨年策定しましたので、それとあわせて行財政改革緊急プログラムver.2.0を策定しました。この2つをもとにして、「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」と「持続可能な財政運営」の両方を両立させるためのステップづくりということで予算を組みました。
 当初予算の要求総額は3,930億3,400万円で、19年の実質の当初予算でありますところの6月補正、肉づけ後と比べますと4.7%の減となりまして、平成2年度の当初予算以来、18年ぶりに予算規模が4,000億円を下回る予算となっております。
 推移を見ていただきますと、平成2年度から大体ずっと上っていきまして、特にこのころ(平成4年〜14年度)、景気対策をやった関係で、当初よりも最終予算が随分伸びております。平成12年度以降、だんだん下がっていきまして、今回の予算が3,930億円ということになりまして、ずっと上りますと、大体平成2年度の当初予算並みということになっています。
 歳出予算の概況は、義務的経費が約半分を占め、一般行政経費は約4分の1、投資的経費も4分の1弱という格好になっていってます。  歳出の主な増減についてでございますが、人件費は今回の給与カットや人員減に伴い、32億1,100万円減っております。物件費も高校総体が終わったことやシーリングをかけていることで減っております。
 一方で、社会保障関係経費が26億5,100万円伸びております。これは後期高齢者の医療制度が新しく入ったことや、肝がんの対策を新たに実施することになったことによるものでございます。
 投資的経費は115億7,300万円と大幅に減っております。これは総額調整ルールに基づく3年間の投資関係経費の総額の3分の1を今年実施することにして、昨年に比べると、かなりそれが減ったということによるものでございます。もともとは毎年5%ずつ減らしていくということにしていたものを、それだと最終年度が非常に投資額が減っていってしまうということで、県土づくり本部のほうの判断で、それは3年間ほぼ同額をやっていきましょうという判断をしたために、19年からみると、投資総額が大幅に減っていっています。
 公債費については、償還の最終年度の借り換えによる縮減というふうなことによって公債費を減らしております。
 次、歳入です。県税をベースとする自主財源が35.9%で、依存財源が約6割でございまして、3割自治とは言いませんが、3.5割自治ぐらいになっているということです。
 歳入の主な増減ですが、県税は39億円伸びました。一部の企業で大幅な業績回復があり、非常に納税額が増える見込みであります。
 一方で、交付税及び臨財債については、社会保障関係の需要が伸びるということもあって伸びる部分、また、地方再生対策費がつくられたということもあって伸びております。
 一方で、県債については、公共投資をかなり減らしていきますこととあわせて、退職手当債を当初の予定よりも減らしたということもありますので、県債が減っていっております。公共投資が減っておりますので、国庫補助金の関係も減っていっております。また、基金の取り崩しも昨年に比べると大幅に減っていっております。
 緊プロver.2.0との比較でございますが、大体ざっと見ていただきますと、歳入歳出、それぞれ入り繰りはありますけれども、合計額で見た場合には、緊プロの見込みと今回の見込みというものを比べますと、7億円でございますので、大体緊プロと同じような予算が組めたということではないかと思っております。基金残高についても、大体その当初の見込みと同じぐらいにおさまっているのではないかと考えております。
 次に、先ほどもちょっとご説明を申し上げましたが、公共投資の総額調整ルールについてでございます。
 緊急プログラムver.2.0では、平成20年度から22年度までの3カ年に合計で2,640億円程度の公共投資を行うということを決めています。そして、それを大体おおむね3で割りまして、その3で割った額を今回の平成20年度の当初予算に計上することにいたしました。その結果、前年度比で見ますと10.3%減と、かなり大幅な減少になっておりますけれども、今回これをいわばやることによって、平成21年度や22年度については一定の事業量が見込めるということで、あえてこういった方法を選択したものでございます。
 また、このほか、特別会計については一般会計ではない部分として、それぞれの年度にこのような事業費が予定されております。
 次に、主な事業の概要でございます。
 まず、重度障害者の地域生活重点整備支援事業でございますけれども、どんなに重い障害があっても、佐賀県内のどこに住んでいても地域での普通の生活を可能にしようということで、重度の障害をお持ちの方を受け入れるグループホームが、今、制度化されていませんので、新たに制度化することにして、その支援を行っていきます。そして、まずモデル的な要素として、佐賀市内に重度障害者のグループホームを1カ所、新規につくりたいと考えております。それに必要な経費を加えました。
 次が肝がんの緊急総合対策事業費でございます。
 肝がん死亡の9割を占めるウイルス性肝炎患者をなるべく早く発見、治療していくための体制を総合的に整備をするというものでございます。まずは、肝炎のウイルス検査をまだ受けておられない方のうち、約3,500人の県民の方に対しまして、医療機関で無料で検査を実施していきます。また、併せてインターフェロンの治療を必要とする県民の方920人にウイルス性肝炎の治療費を助成していきます。これは必要とされる方に対してということでございまして、私どもとしては920人という数で十分と考えておりますけれども、必要があれば、もちろんそれは加えていくということでございます。
 そして、平成26年度までに対象の県民に対して受診を終え、また、治療費を助成していくということにしております。事業内容としては、医療機関での無料の肝炎ウイルス検査をやることや、ウイルス性肝炎の治療費を助成することが主な内容です。また、これとあわせまして、こうしたことを行っていることを多くの県民の方に知っていただくための啓発の事業も盛り込むことにしております。
 次は、唐津の大手口街区の優良建築物の助成でございます。
 現在、唐津市において、市街地再生を目指す市民の動きがございますけれども、これに対して、県が国と一緒になって支援をしていくものでございます。もう既にこの再生構想自体はまとまっておりまして、平成20年度には基本設計と実施設計、そして、21年度には既存の建物が除去され、再建築の工事が行われることになっておりまして、これは優良建築物等整備事業を活用することにしております。国、県そして市、民間が一緒になってこのように市街地を再生していこうというものでございます。事業主体そのものは、昭和自動車、まいづる百貨店、そして、合名会社であるところの大手会館の3者が共同で設立した会社が事業を実施することになります。
 次が、地域の移動手段の確保についてでございます。
 今、限界集落の問題などが取りざたされておりますけれども、地域において車を運転しない人がどのように移動手段を確保するのかということが最近課題になっていると私は認識をしておりまして、これについてどこかのモデルをつくって、それでどういう形でやれば移動手段が確保できるのかということを探っていきたいというモデル事業を行うことにしました。交通の空白地帯、つまり、バスが通っていない地帯や、バスがあってもなかなか使うことができない、そして、自分自身では車を運転することができないという方々に対して何ができるのかということを実証実験をやっていきたいと考えております。市や町、社協、社会福祉法人や商工会、NPO、自治会、交通事業者、こうしたことの中で何ができていくのかといったことを考えたいと思っておりますし、例えばの1つの案として、今、実際に足になっている部分は、病院の送迎バスというのがあります。これはあくまでも病院に送り迎えをするためだけのバスなのでありますけれども、こうしたバスの中に一般の人を乗せるようなことはできないのかというふうなことでありますとか、助け合いの精神で移動をお手伝いすることができないのかとか、こうしたことが道路運送車両法上どうなるのかと、そんなふうなことについて実証実験をやっていきたいと考えております。
 次は、在宅勤務の普及でございまして、これは県庁における仕事の在宅化も今年の1月からスタートをさせておりますが、そのほか、民間企業においても、こうしたことについて普及促進を図っていきたいということで、ICT技術を使ったテレワークの推進をやっていくことを併せてやっていきたいと考えております。こうすることによって、そもそもワークライフバランスが確保できるということもありますし、わざわざ事業所まで行く時間がなくなりますので、その分、生活時間が豊かになるのと、車による移動が減ることによって二酸化炭素も減らせるというふうなこともございます。いずれにしても、こうしたことについて普及を図っていきたいと思っております。
 次が障害のある子どもの進路支援事業でございます。
 現状は、特別支援学校を出た卒業生が企業に就職できる割合は、希望者の半分以下になっています。これを希望者の65%まで持っていきたいというのが目標でございます。そのために、現在、作業所や施設から一般の企業への求職活動については、就労支援コーディネーターというものを配置してやっておりますが、これがかなり成果を上げているものですから、今回、作業所や施設ではなく、この特別支援学校に通っている子どもの就労についても、この就労支援コーディネーターを1名増加させることによって取り組んでいただこうというふうにするものでございます。
 これまで、どちらかといえば、特別支援学校というのは教育に力を注いできましたけれども、これからはどうやって働いてもらうかということにより力を入れる時代になってきたと考えておりまして、この特別支援学校と企業とをつなぐ、まさにかけ橋としてこの就労支援コーディネーターを1名増加させたいと考えております。
 次は、校庭の芝生化でございます。
 地球温暖化対策の象徴的な取組として、校庭の芝生化をやっていきたいと考えておりまして、これは市や町が事業主体になっていきますけれども、希望するところがあれば、それに対して県としても助成をしていくということでやっていきたいと思っているところでございます。
 芝生は整備するだけではなく、維持管理が大変でありますので、維持管理をきちんとするというふうな保育所、幼稚園、そして小・中学校、また、場合によっては高校、そうしたものについての芝生化を支援していって、緑の空間を創出、また、情操教育にも役立てたいと考えております。
 次は、クリーンエネルギー自動車の導入促進でございます。
 現在、クリーンエネルギーの自動車が、あらためて見直されていますけれども、地球温暖化防止のために、より県民による購入に拍車をかけたいということで、クリーンエネルギーの自動車を購入していただいたときに補助金を交付するというふうなことを始めたいと思っております。
 現在でも、既に自動車税については約半分ぐらいの額がグリーン税制という形で減税されておりますので、さらに残りの2分の1相当額を県が助成することによって、初年度については、ほぼ自動車税の負担がゼロでこの車を購入することができるようになっております。
 次は、さがの森林(もり)再生事業でございます。
 これは森林環境税を使いまして、荒廃した森林を再生したり、重要な森林(もり)の公有化を図っていったり、県民参加の森林(もり)づくりをしたり、重要な森林(もり)を整備していったりする事業でございます。
 次は、理科の支援員でございまして、これは小学校での理科の実験や観察、これについては、以前に比べると、実は観察や実験がうまい教員が不足しているというふうな実態がございます。そうすると、なかなか実験をやりませんと、紙に書いてあることだけで学ぶことになってしまうし、理科のおもしろさも十分に伝わらないということで、理科の支援員を新しく配置することによりまして、理科の楽しさ、おもしろさをわかってもらうことによって、科学に対する関心や世の中に対する興味といったものを高めてもらおうと、そういうものでございます。
 また、併せて実際の企業で研究をされている方などに特別講師をお願いして、理科の授業のおもしろみを増すようなことをやっていきたいと思っております。
 次は、佐賀県を元気にするスポーツへの支援でございます。
 去年、さまざまなスポーツでの活躍が県民に夢と希望を与えたと思っておりまして、そうしたものを絶やすことなく充実させていきたいということで、まず1つは、中・高生の競技スポーツの推進事業でございます。中高の一貫体制を強化していきますとともに、指導者を充実させていきたいと思っております。また、そのためにコーチングのスキルアップ事業もやっていきたいと思っております。こうすることにおいて競技力を向上させていきたいというものでございます。
 また、さがんアスリートサポート事業は、1つは、これまでもやってきましたけれども、オリンピックなどに出場する佐賀県関係の選手に対する支援でございまして、今年開かれる北京オリンピックではボクシングの川内選手に対して、既にさがんアスリートの指定をいたしております。また、ヨットの関係でも、重選手にもさがんアスリートに認定をしておるところでございまして、まだ出場は決まっておりませんけれども、頑張っていただきたいと思っているところでございます。
 また、こうした、さがんアスリートになるような選手を高校生の時代から支援していこうということで、高校生を活躍できるように、また事業に取り組んでいきたいと考えております。
 併せて、佐賀県内にございますプロサッカーのチームであるサガン鳥栖に対して、県からサガンドリームスに出資をいたすことにいたしております。また、併せて佐賀県プロサッカー振興協議会が行う集客支援の機能を強化することによりまして、サガン鳥栖の盛り上げによって県民全体もスポーツに対する関心を高めていきたいと思っております。
 次が新産業集積エリアでございます。これは工業団地でございますけれども、工業団地という呼び名がやや時代がかっているものですから、私どもでは、今、こういうふうな名前を付けて整備を進めているところでございます。
 企業誘致が随分進んでまいりまして、大きな工業団地が足りなくなっております。一方で、企業からは大きな区画の引き合いが随分来ておりますし、市、町の大型工業団地の整備をしたい、またはしてほしいというふうな要望も大きくなっております。
 そこで、今回、整備方針を見直しまして、これまでは県が直接手を下してやっていたものを市、町からの申請方式にして、そして、さらに市、町と一緒になって整備をしていくという方針に改めました。
 さらには、これの先駆けとして鳥栖地区においては既に選定をしておりますので、県内のバランスを図る観点から、それ以外の地域から選ぶことにいたしております。
 経費は、県と市町がそれぞれ半分ずつ負担することとしておりまして、現時点においては、鳥栖地区のほか、北部地域の代表として唐津に、西部地域の代表として有田を選ぶことにしておりまして、これから現地の測量や地質調査等に入ってまいります。
 次は、唐津港の水産市場の移転改築整備でございます。
 これについては、これまでも何度も議論があって、長い間かかりまして、どのようにするかということを検討してまいったわけでございますけれども、ようやく話し合いがまとまりまして、20年度においては本体設計をし、また、海水を取水する設備調査などを行うことにしております。21年度に建設をして、整備をするということにしております。
 こうすることによりまして、HACCP(ハサップ)(総合衛生管理製造過程)対応のような設備ができることによりまして、鮮度、衛生管理が徹底できますし、それによって市場に対する評価が向上できます。特に最近、食べ物に対する安全性に非常に厳しい目が向けられておりますので、そうした目にかなうような市場にしていくことによりまして、新しい買い受け人が参入をする、新たな販路が開拓される、集荷率が向上する、こうしたことによって、現在の魚価が大体キロ当たり161円ぐらいなのでありますけれども、それを何とか200円ぐらいまでには持っていきたいと考えております。
 次は、九州新幹線鹿児島ルートと西九州ルートのそれぞれの建設費の負担金についてでございます。
 鹿児島ルートについては、佐賀県の負担金が平成20年度には37億1,700万円になりまして、軌道や駅舎の工事を行ってまいります。
 一方、西九州ルートについては、全体で10億円の予算が付いておりまして、佐賀県の負担金としては1億2,592万6,000円を予定しておりまして、調査設計や用地取得、一部工事にというふうに考えているところでございます。
 次は、予算そのものではございませんが、今回の予算編成を通じまして、民間の資金を活用するということを、あらためてすべての部局に対して指示をいたしました。名付けて「フィランソロフィー・プログラム活用」または「P2プロジェクト」というふうにも呼んでおりますけれども、これは、今、例えば、民間の財団でありますとか、事業団でありますとか、そうしたところには、結構いろんな基金や社会貢献の事業のプログラムがあります。そうしたものについて、これまで決まりきったものしか行政は使ってこなかったということがありました。例えば、宝くじでありますとか、あとは競馬関係や競輪関係の助成金、こうしたものについては扱いが慣れていたわけでございますけれども、例えば、最近では金融機関の財団がやっているようなもの、例えばトヨタ財団のようなもの、そうしたものがいろいろございます。そうしたものを十分に活用していこうということで、こうした助成金の一覧をつくって、それを市、町や関係団体、県庁内の各所属に情報提供をしていって、活用していくようにしていこうということを始めたものでございます。
 まず、助成金の活用に当たってのガイドラインをつくりまして、あとリサーチニュースを今日から発行していこうと思っておりますけれども、出していって、こういうふうな助成があるよというふうなことを多くのところに知っていただこうと思っています。
 また、実際にこんなふうに使われた例があるというのを紹介することによって、次にやるときには自分たちも使えないかというふうなことを考えていただこうと思っています。
 このP2プロジェクトについては、既に市町にも紹介をさせていただいておりますけれども、非常に反応がありまして、やはり最近は行政のお金はないけれども、民間にはお金があるということで、こういったことに対して非常に反応が大きくなってきております。今回の予算でも一部、既にこうしたものを使った事業化というものもありますし、今回は間に合わないにしても、来年度以降、間に合うものもあるのではないかと考えております。
 そういうプロジェクトの中で、助成制度を活用したものが幾つかございます。県立美術館の企画展でありますとか、あと九州陶磁文化館の企画展でありますとか、また、コンサートや能舞台などについても使われているものでございます。こうしたものについては、もともと単費でやろうとしたところ、こういう制度があるから使ってみないかというふうなことで相談をしたところ、団体の方でも配慮いただいて、何とかやれるようになるんではないかと思っておりまして、やはり話はしてみるもんだなと思っております。
 また、20年度中に申請を予定しております事業としては、例えば、アルコールや薬物問題に関するセミナーについては、ある飲料水のメーカーがこうしたことについての助成を検討してくれておりますし、福祉施設の関係についても、中央競馬馬主社会福祉財団が助成をしていただけるということで、そうしたことを予定しております。
 また、自然保護活動に対する自動車、酒造メーカーの支援、地域の防犯活動に対する自動車メーカーの関連の財団、佐賀・徐福国際シンポジウム、こうしたものに対する国際化協会の助成、こうしたことをあわせまして、さまざまなことを予定しているところでございます。
 私からは以上でございます。



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