○時事通信
　昨年の9月にありました障害者の取り押さえの件で、佐賀地検が結論を出しましたけれども、その件について思っていらっしゃることをお聞かせください。あと県としての対応や取組があれば、それもあわせてお願いします。
○知事
　まず、この佐賀地検の出した結論についてでございますけれども、これは、国の捜査機関がさまざまな観点から出した結論だろうというふうに私自身は思っておりまして、それに対して私自身がいい悪いということを申し上げるのは差し控えたいというふうに思っております。
　ただ、私はかねてから申し上げておりましたが、非常に痛ましいあの事件の原因が何だったのかという原因究明は、1つそれはなされなければいけないこととは思いますけれども、それとは別に必ずやらなくてはいけないことは、今障害を持った方が普通に地域で暮らしておられるという事実や現実を多くの県民の方々に知っていただくということではないかと私は思っております。そのことが何より大事なことだというふうに思いますし、安永健太さんの死という非常に大きなものに対する我々の一番大きく背負っている義務というのは、そこではないかなと私は思っております。
　そこで、県ではまず、この啓発の映像を準備しました。さまざまな場でご活用いただけるように提供をしてまいりたいというふうに思っております。
　それとあわせて、例えば街頭キャラバンのようなことをやっていって、そこで障害を持った人が今普通に地域にいる時代になっているということで、そういったことに対するご理解をお願いしていく。また、例えばコンビニエンスストアのような、そういう地域にお住まいの方が普通に使われるようなところにも出かけていって、こういったことに対するご理解をお願いする。そうしたこともやっていきたいと思っておりますし、12月は障害者月間でありますので、ここを地域で暮らす障害者に対する理解の強調月間にして、ここでいろんなことをやっていく、そんなこともぜひやってみたいというふうに考えております。
　いずれにしても、こうした取組をしていくことによって、障害を持っている人が普通に地域で暮らすことが当たり前になっている。そして、多くの県民もそのことを知っている、そういう状態をつくり出していきたいと思っています。
○西日本新聞
　今の安永健太君の問題の啓発の映像というのは、どういう啓発の映像なんですかね。
○知事
　ストーリー仕立てになっていまして、5分、10分ぐらいの短いものなんですけど、そういうコミュニケーションがなかなかとりにくかったりとか、そういう人が地域に暮らしているということを物語仕立てにしたビデオです。
○西日本新聞
　いつぐらいに出される予定なんですか。
○知事
　4月中にそれのコピーをして、順次配布をしていくということでございます。まずは、学校や障害の関係の団体、あとケーブルテレビ、こうしたところに配布をしていくということでございますけれども、またその希望があればそれにお応えをしていくということでございますので、担当の障害福祉課にまたご連絡をいただければと思っています。
○西日本新聞
　あと、何か議会で墓前に行かれるという話をされていました。あれは何か予定は決まりましたか。
○知事
　いろいろ今、原因究明で動いている時期に行くのは、多分関係者の方々のお気持ちもあるので、それが落ちいてから行こうというふうに思っておりまして、一定の検察の結論は出たわけでありますけれども、まだ付審判請求をされるとかというふうな動きもあるもんですから、そうした動きが落ちついてからのほうがいいのかなという気持ちではおります。そこはまたしばらく考えてみたいと思っています。
○朝日新聞
　今の啓発映像の件なんですけれど、コミュニケーションをとりにくい人がいるということとともに、例えば、その中で、そういう人とどう向き合ったらいいかというふうな、何かそういうことも含めるようなものになるんでしょうか。
○知事
　そういったものも含めて、それを見た人がそういった気持ちになるようなということを目指してつくっています。
○朝日新聞
　どんなところで見てもらうのを想定しているような映像ですか。
○知事
　例えば、学校ということも一つ考えていますし、各種のイベントをやるときの頭にとか、障害福祉に関心が高い方の集まりであれば、ある意味、上映しなくてもわかっていただけるかもしれないので、そうじゃない集まりのときにぜひ使っていただけないかと。例えば地域の高齢者の方の集まりだとか、そういったさまざまな、福祉のための集まりではない、いろんな集まりがあると思っていますので、そういったところで使っていただくとか、そういったイメージを持っています。