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記者会見
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質疑応答:県立病院好生館医師配置
○NHK
 きょうから新年度ですけれども、県立病院好生館で、昨年度から今年度にかけて、お医者さんが大幅に交代するということがありました。1つは、九州大学さんからお医者さんの引き揚げということになって、佐賀大学からの補充という形になったわけですけれども、今年度末に非常にばたばたとこういうふうな事態が明らかになって、患者の皆さんもかなり不安を感じられた部分があったと伺っています。こうした事態になったことについて、振り返って何かもう少しいい対応ができなかったのかということと、それから、患者さんたちへの説明というのを、今後も含めてどういうふうにされてきているのかということをお伺いします。
○知事
 まず1つは、今回、外科の人事について、これまで九州大学の第二外科というところに全面的に依存していたものを、そうではなくて、将来的にはさまざまな医局からの受け入れということを含めやっていこうということになり、この4月1日については佐賀大学医学部に全面的に協力をいただいて、全部補充することができました。まず、このことについてはほっとしていますし、今回、佐賀大学医学部から来ていただいた方は非常に、やっぱり意欲もあり、実績もありという方でございます。別に前が悪かったというわけではございませんけれども、これからの診療内容を見ていただければ、私は患者さんにも、また周りの方々にも安心していただけるような充実が図られたというふうに思っているところでございます。
 こうなった原因ということでございますが、行く行くの独立行政法人化というふうなことも見据えた中で、特に外科という非常に大きなところについて、先方のほうから、ほかの医局の派遣の人を一人でも受け入れてもらっては困るという話がございまして、そういったことをされるようであれば全面的に引き揚げざるを得ないというふうなお話がございましたので、私は、1つの局にずっと頼り続けるということよりも、そうではない可能性を持っておくということが、これからの医師をきちんと確保していくというために必要ではないかと私は考えました。もちろん、引き揚げられて全く当てがなければ、やるべきではありませんけれども、そうした場合どうなるだろうかということを、医療関係者といろいろ相談をしましたところ、そういったことになっても、きちんと立派な医師を確保することは可能だというふうな話がありましたので、今回はこのような措置に踏み切ったところでございます。
 この間、患者様などからもいろいろ不安の声が寄せられてきているということがございましたので、まずは健康福祉本部長を好生館に行かせて、状況についての説明をさせました。そういったことで大体の考え方についてはわかっていただけたのではないかなと思っています。
 そのことと、好生館の館長の1年早い退職というものが重なったものですから、何か非常に混乱した印象を与えているというふうに思っておりますけれども、きょう発令をしました樗木(おおてき)新館長も、これは好生館の中にかなり長くいらっしゃって、よく中のことがわかっておられる方であります。そういう方が新しく好生館をしっかりリードしていただけるというふうに思っておりますので、ちょっとごちゃごちゃして皆様にご心配をおかけしたことは事実でありますけれども、4月以降の様子を見守っていただければ、「ああ、好生館はよくなったね」というふうなことを思っていただけると思っております。
 この間、私も非常に感心をしたといいますか、ありがたいと思ったのは、その引き揚げが決まってからも外科のお医者さんたちは、次の新しいお医者さんたちの間で患者さんの引き継ぎを本当に丁寧に、献身的にやっていただきました。医局の事情は医局の事情としながらも、患者さん一人一人のことについては非常に丁寧に対応をしていただいたということについては、私は大変ありがたく思っているところでございます。
 いずれにしましても、この4月からは抜けていた緩和ケアの部分も非常にいい方に入っていただきましたし、もう1人、緩和ケアであいている部分がございますけれども、それも大体、ある程度の見通しはついております。しばらく時間はかかるかもしれませんけれども、この数カ月のうちにはきちんとした形で、またリスタートというか、再スタートを切ることができると思っておりますので、どうかそういった目で皆さんにも見ていただければと思っているところでございます。
○NHK
 その点について、要は九州大学さんから言わせると、年度末、2月の終わりごろになって、突然来年度から別の大学の人間を入れたいと言われて、事前の相談が全然なかったと。その状況の中で、医局内で検討することもできず、これまで医局は1つというふうなことでやってきた方針に、突然変更を迫られているということだったんで、とても対応できないということで、その時点ではご辞退したというようなお話を伺っています。事前の相談というのをどこまで事前にしなきゃいけないのかというのはあると思うんですけど、それにしても、確かに当時の現状としては、1つの医局が担っていたわけで、そこにどの時点で相談すべきだったのかということについては、何かもう少し対応があったのかなとも思うんですけど、そういうことは、いきさつが違うと言うんであれば……。
○知事
 うん、いきさつ違いますよ、それは。向こうのほうから「1人でもほかの医局の人を入れられたら全員引き揚げます」と言われたんです。
○NHK
 それはいつの時点でということですか。
○知事
 2月か3月かは忘れましたけれども、向こうのほうからお目にかかりたいと言われて、そのときに動きがあったのかどうかは私はきちんとつぶさに把握しておりませんけれども、もともとの趣旨は館長さんの退職のご確認というか、そういったものだったというふうに記憶をしております。そういう中で、外科の充実強化の話というのも、当然好生館の強化の話としては前々からありましたから、そういった話の中で、どっか特定の何とか外科みたいなところを変えるという話があったのかどうかはわかりませんけれども、仮にそういったことになれば、「外科はチーム医療なので、1人でもほかの医局の人がいると困る」と。だから、「1人でもほかの人を入れるんだったら九大の外科は小児外科を含めて全員引き揚げます」というふうなことを言われたんです。それは話が大きいんで「ちょっと待ってください」というふうなことを申し上げたんです。そして、1週間ぐらい待っていただきました。そして、中でどうしていくのかというふうなことについて議論をして、その結果、携帯の番号を聞いていましたから私が連絡をして、「先般教授のおっしゃったことに変わりはありませんか」というふうなことで確認をして、「それはそうだ」というふうなことで、1人でもほかの医局からの人を入れたらもうできないということであれば、それはもう「仕方ないですね」というふうなご返事を差し上げたというのが事実です。
○NHK
 だから、新年度からでなければだめだったんですかね。つまり、今年度についてはとりあえず例えば保留して、その先のことについて話し合っていきましょうというような対応というのはなかったんですかね。
○知事
 もともと、当時いらっしゃった外科のスタッフの経験年数だとか、そういったことについてもうちょっと経験年数のある人がほしいとか、そんな話はあったわけですね。ところが、医局は医局の事情があって、なかなかそれにこたえられないということもあったわけです。そうしたことがありましたし、この好生館の状況を見ていると、1年間今のままでやるということは、好生館の医療と九大の第二外科の人事とがどっちが大事かという話なんですね。
 私は、九大の第二外科も物すごく大事な存在で、今までもずっと第二外科に引っ張っていただいていたというようなことがありました。本当に教授になるような人が好生館に来ていただいていたような時代もありましたから、非常に私どもとしてもお世話になっているという認識は持っています。今も、あの医局が九州の医療を引っ張っているという認識もあります。そういうふうに、非常にお世話になっているという認識はございますけれども、でも、私たちにとって一番大事なことは、好生館の医療をきちんとしたものにするということだと私は思いました。そのために、1年間待つというわけにはいかない。それは、全員引き揚げになることは望むことではありませんでしたけれども、とにかく外科をはじめとするいろんなスタッフの充実強化を図っていかなくてはいけないという状況にもあるだろうと。そう思ってどっちを選ぶか非常に迷ったところはありましたけれども、本当に強化が図れるんであれば、引き揚げというものを容認してもやむを得ないというふうに考えたんであります。
○NHK
 つまり、その話を伺うと、やっぱり好生館の中で、外科のお医者さんを変えなきゃいけないというような認識があって、そっちがやっぱり前提としてあったので、お医者さんを変えると。そのためにはやっぱり第二外科との話の中で、どうしても単一じゃなきゃだめだと言うんであれば、だったらじゃあ引き揚げていただいて結構だというような話になったのかなというふうに思うんですけど、つまり、好生館のほうで、どうしても変えたいという県の意向があったのかということなんですけど。
○知事
 どうしても変えたいという県の意向というほどの強いものがあったという認識はないんですけれども、ただ、外科のいろんな状況の報告を受けている中で、現場のほうからはもっと経験のある人も中にいてくれると助かるとか、そんなふうな声はありました。ただ、だからといって総取っかえだというふうなところまで直接言ってはいなかったんですけれども、そういったさまざまな診療科目が抱える問題点というものをつぶさに私自身も何回かに分けてずっと聞いていましたから、そういった中の1つの問題意識としてはあったということは事実でございます。
○NHK
 それについて正式に九大側に打診したということはあったんですか。
○知事
 それは私のほうからはございません。第二外科の出身の館長がいて、第二外科とのやりとりは館長にお願いをしてずっとやっていました。その館長自身が医局のほうにお話をされるということを、いろいろしてくださいねということをお願いしていましたので、それはされていたんであろうと思います。
 例えば、緩和ケアについても、その緩和ケアのお医者さん、普通麻酔科の方が多いわけですけれども、麻酔科の人が1人いなくなるということがあったときに、その後任を探すときも、館長は出身外科である第二外科に行かれて、第二外科のお医者さんを連れてこられたんですね。という形で、その第二外科との関連でそうやって人を派遣していただいたりとかいうふうなことは、外科以外にもあっておりましたし、それは館長のほうと医局の間ではいろんなやりとりがあったんだろうというふうに思っております。



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