○読売新聞
　続けて、6月に知事、ジュネーブでCERN(セルン)の視察に行かれました。それで、ホームページには短く、行ってディスカッションしましたとあったんですが、その後、もっと詳しい説明というのはされる、ホームページでまた別項を設けるとか、そういったお考えはありますでしょうか。
○知事
　今いろいろ整理をしている段階でございましたんですが、最終的に作られたレポートがありますので、それを近々アップしたいと思っております。
　このCERNというのは、第2次世界大戦後にヨーロッパの国々の科学者が集まって、特に原子の世界の研究をするために作られた共同の機関でございます。ここで今、特に素粒子分野の宇宙の成り立ちについての研究がなされておりまして、現在、福岡県と佐賀県が共同して誘致を進めているリニアコライダーという40キロぐらいのトンネルの端っこと端っこから陽子と反陽子をぶつけて、そこで生まれるエネルギーによって、当時宇宙がどういう状態であったかということを調べるというプロジェクトがあるわけですけれども、そこの前身となる研究機関でございまして、私自身、そこに行ってみて、1つは多くの国の科学者たちが集まって研究環境を作ることがいかに大事なのかということと、これはもう50年間ぐらいずっとこの研究は続いていっているわけでありますけれども、そこにおける日本人研究者の存在の大きさといったものを改めて感じました。
　また、こうした人類知というものに貢献できる施設や研究機関が、ぜひこの北部九州地域に立地できればという思いを強くしたところでございました。
　所長や次期所長に対してもいろんな投げかけをしましたが、どうやってこうした分野に興味を持ったんですかという投げかけに対して一番多かった答えは、大体、中学や高校のときの物理の先生が非常におもしろかったという答えでございました。中学や高校の時代における物理の先生の存在、いい先生の存在というものが、こういう学者を生んでいくんだなということを改めて感じた次第でございまして、その意味でも県内の物理の先生たちに研修の機会を与えられないだろうかと、そんなことも思ったりもしました。
　とりあえずは以上でございますが、詳しくはまたホームページにアップさせていただきます。