○佐賀新聞
　原油高騰の関連で1点、第3次の対策をこれから検討するということが対策本部で決まったんですけれども、知事として具体的にこういう方向でという何かお考えがあればお伺いしたいんですけれども。
○知事
　先般、副知事以下でイカ釣り漁船の方々のところに行かせて直接お話をお伺いし、また、きのうは酪農をされている農家に私出かけていったんですけれども、そこでもいろんなものの値上がりの話が出ておりました。こういう農林漁業の関係だけではなくて、本当にすべての分野にわたって影響が出ている事柄について、何をどうすべきなのかということについては、私もずっと考えているところですけれども、なかなか現段階でいい結論が出てはいません。全国知事会議の中でも緊急に決議をするようになって決議をしましたし、その中でも、徳島県は自分たちがやってきた原油高騰対策について何か紙を配られました。そういったほかの県でやっていることをもちろん参考にもしていくんですけれども、私どもは県独自でやっていくことを考えていくこととあわせて、こうした対策について政府として、または広い意味でいけば、各国として何を取り組んでいかなくてはいけないのかということについても思いをはせる必要があるんだろうと思います。単に佐賀県だけが上がっているわけでもなく、日本だけ上がっているわけでもありません。こうした原因の何割かは投機的資金の存在にあるということがもう既に認定されていますし、それが証拠に、サミットのときに相当こうしたことについての厳しい言及があったと思ったら、ニューヨーク原油がその後急に下がり始めていまして、本来、実事で動いているはずであれば、こんなに急激に変化はないんだろうと思うのでありますけれども、だから、こうしたお金の動きというものは簡単には制御できないものであるということは承知をしておりますけれども、ただ単にお金は利回りがよければいいとか、金もうけできればいいという今の社会の流れそのものに対する警告が発せられているような気が私はしておりまして、県でできること、また、国としてやっていただきたいこと、そして、世界として考えなくちゃいけないこと、そうしたことを何らかの形でまとめられないかなというのが現時点での感想程度のものになってしまいましたけど、思っているところでございます。
　本当は、これは決してきちんとした提案ということではなく、お聞きいただければと思うんですけれども、これだけ幅広い分野というか、ほぼ全員にわたって何らかの形で影響が出ているということになると、それは産業だけでなく、暮らしの分野にもすごく影響が生じているわけですね。だとすると、もちろん漁民の方、農家の方、そういった方々にはこれまでも別途の措置を講じていますから、引き続きやっていただくことにして、それとは全く別に、昔、今から10年ぐらい前に地域振興券というのがあって、あれで消費を喚起したことというのがあったわけですけれども、ああいったものというのが考えられないんだろうかということを私はふと思ったりします。
　というのは、私は地域振興券のとき、実は地域振興券推進室副室長という仕事をやっておりまして、私は実務の責任者だったんですね。それで、あの仕事をずっとやっていきながら、あれについては世紀の愚策とか、いろいろ御批判もございましたけれども、一定の景気浮揚効果というのはあったんではないかなと思っています。
　そうしたときに、今回の今の原油高騰というのは、どこかの分野のだれかにだけ影響があるというものじゃなくて、本当にすべての人に影響があるということだと。それを、例えば、減税という処理とかをしていくと、非常に納税額の少ない方たちに対してはあんまり影響がないということで、例えば、こんなことが考えられないのかなというふうに思っているんですけれども、残念ながらだれに話しても賛同が得られなくて、残念に思っているんですけれども、つまり、政府としてやっていただくとしたらそのような骨太で、しかも非常に影響の大きいものをやっていかないと意味がないのではないかということと、あと経常的にずっと助成を続けていくということをやると、とてもじゃないけれども、そこはもう資金が続かないだろうと思うんですね。ほかの各国政府の動きを見ていても、インドネシアでもベトナムでも、そういう高騰した、例えば、米の値段と実際に政府が買い上げをしている値段との差額を埋めるみたいな政策をやっていたところは、今財政的にかなり破綻が来ていまして、そういう直接補てんだけをずっと続けていくということはなかなか財政上、無理があるのかもしれないとも思っています。そういう中では、とにかく1回こういったものをぽんとやるということができないのかなというのをちょっと思ったりしていますけれども、それはそれとして、別途きちんとまとめたいと思っています。