○STS
　内閣改造についてお伺いしたいんですが、今回、いわゆる財政再建派、増税派という閣僚が与謝野さんを初め入っていまして、上げ潮派は入っておりません。地方自治体の財政にとっても、今後、本格的な税制改正論議、それから道路特定財源をどうするかという話、いろいろと地方自治の財政とも関連してくると思いますが、今後の内閣がどういう議論をしてほしいのか。
　それから、小泉改革路線というものがこれで転換されたという見方もありますが、それについての知事の見解もあわせてお聞かせください。
○知事
　確かにここ数年来続いてきた構造改革路線というものは、私は転機を迎えたと思っていまして、今回の内閣の布陣を見ても同じような感想を持っています。それは私自身はこの間の環境変化を見たときには、必要な変化ではなかったかと思っています。構造改革が必要だったときには、我が国が持っていたさまざまな従来からの構造を変えていかなくてはいけない。そういう構造改革があったからこそ、あまり実感はないとは言われていますものの、ここ数年間の経済成長も実現できたのではないかと思っています。
　ただ、この構造改革によってひずみが出てきているのも事実でありまして、そのひずみを正そうとする政治が行われようとすること自体は私は理解できるところでございます。そのひずみというのは、1つには、私たち地方から見たときに、非常に地方がかつてに比べて疲弊してしまったということです。この構造改革の中で、よりその疲弊度が進んでしまったということであります。こうしたことについては、しっかりとした地方を見据えた政策をしていただくためにも、今回の内閣はそうしたことを各閣僚に期待したいというふうに思っています。