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記者会見
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発表項目:「くらしを守る」「活力を生み出す」緊急総合対策

 それでは、ただいまから緊急総合対策を発表します。
 今回の緊急的な経済対策ですが、「くらしを守る」「活力を生み出す」、大きくこの2つを目標にしました。問題意識はここに書いてあるとおりです。とにかく今、100年に一度とも言われる大変な危機の状況にある。そういう中で、佐賀県としても緊急に総合的な経済対策を打つ必要がある、そう考えました。
 この総合対策の全体像はこのとおりです。規模的には522億円になります。内訳は金融対策が271億円、雇用対策が77億円、経済対策は174億円の3本柱になっています。金融対策については、制度金融の預託分の財源があり、そのほかは現在、国でまだ関連法案は通っておりませんけれども、二次補正関連の雇用基金、その他の基金や補助金があります。そして、県としては一般財源を60億円つぎ込むことにしています。この60億円のうち、約40億円ぐらいは交付税上措置されるお金です。そして、純粋な一般財源、県として追加的に入れ込むお金は20億円ぐらいということになります。
 それでは、金融対策の中身をちょっと見てみます。中小企業に対する新規の融資枠を大幅に拡大していきます。秋から急激に資金需要の資金の関係が悪化しましたので、県としてはいち早く制度融資の拡大で対応してまいりました。おかげで、12月末の倒産件数は4件と、非常に少ない件数で済みました。ただ、この金融危機は去ったとは考えていません。3月末、6月末、こうしたときにどうなるかということについて、私たちもしっかり見ておかなければならないと考えています。
 そのために、新しく追加預託額271億円を使って新規の融資枠737億円を確保することにしました。大きく柱は2つありまして、この中小企業の経営安定のための追加預託と経営革新支援のための追加預託の2本立てであります。
 次が雇用対策の77億円です。これは地域の実情に合った雇用対策を実施することにしました。秋、冬以来、各自治体でさまざまな取り組みが行われています。我々はその自治体における雇用の取り組みの様子もいろいろ調べてみました。その結果、幾つかのことがわかってきました。1つは、極めて短い期間、超短期の雇用は人気がないということです。それともう一つは、離職者だけに限ったような募集だと、なかなか応募がないということです。さらに、私どもは私どもなりに、県内のさまざまな雇用・経済情勢を見ていった結果、職を離れることを余儀なくされた方々というものもたくさんおいでになりますが、それ以上に残業が減った、注文が減った、そのことによって家計の収入が減ったと言われる方がそれよりもさらに多いということに気づきました。
 そこで、我々は以下のような工夫をすることにしました。まず1点です。今回、私どもが打っていく雇用対策は、基本的には離職者だけではなくて、在職者や、あと家計維持のために新たに仕事を探しておられる方々を対象にしたような事業を実施してまいります。例えば、年度内に県が24の業務を募集いたします。直接雇用で募集いたしますが、そのうちの19業務については、例えば、午前だけとか、午後だけといった形で、子育て中の方であっても、こうした一定の時間であれば働くことができるというふうな形の弾力的な勤務時間についての相談に応じるようにいたしました。また、子育て中の方が応募しやすいように、今申し上げたような勤務時間を準備したり、佐賀県独自の地域共生ステーションをはじめ、さまざまな子育て支援のツール、施策があります。こうしたことを活用することができるように、仕事を探しにこられた窓口で私どもでコーディネートできるように市や町と連携を図ることとしました。また、あわせて本格雇用につなげていくためのIT技術のスキルアップや介護・福祉分野への職業転換のための訓練、こうしたものも充実することとしておりまして、そのための第1回は本日、IT関係で開かれることになっております。
 次に、経済対策についてです。174億円という経済対策のキーワードは大きく3つ、「みぢか」「みどり」「みらい」、この3つの「み」だと考えています。私どもは先ほども申し上げましたが、経済対策を行うことによって、経済環境を安定させることこそが雇用の安定につながっていくと考えています。これまで、どちらかといえば経済対策というと、公共事業の追加というものが主でございましたけれども、今回は方針を変えました。1つはトイレの美化・UD化のような「みぢか」なもの、そして2番目に、山と平野の連携による緊急的なクリーク整備のような「みどり」、すなわち地球環境や自然環境を視点にしたもの、そして3番目に、ケーブルテレビのインターネットの超高速化のような「みらい」のためのもの、この3つの柱を新しい経済対策の柱としました。
 では、「みぢか」なものとはどんなものでしょう。例えば、こういうものです。私たちはこれを機会に、これまでやろうとしてもできなかったこと、身近なことでいえばトイレをきれいにするということを始めたいと思っています。県で持っているいろんな施設があります。大きな公共施設もあれば、自然歩道の中にあるようなトイレもありますし、樫原湿原の中にあるトイレといった、さまざまなところにトイレがあります。このトイレをきれいにしていくということの取り組みを始めていきます。そして、今あるトイレでも、もっと多くの人が使いやすいようなユニバーサルデザイン化も進めていきます。
 このほか、新型インフルエンザ対応行動計画に基づきまして、先日、この一番新しい新型インフルエンザ対応行動計画第3版ができましたけれども、そこにおいても抗インフルエンザ薬、リレンザとかタミフルとか、そういった薬を県人口分の半分を確保するという目標を掲げています。政府目標は今のところ45%と言っておりますけれども、私どもはそれを先んじた形で、上乗せして50%分を今回整備することとしました。また、発生して1カ月程度、県内の医療機関や薬局などでお使いになる個人防護服を約13万着確保することにしました。このことによって、医療関係者や薬局の関係者が一月はこれを活用していただくことができると考えています。
 そのほか、イノシシを緊急に一斉に捕獲して、何とか生息数を大幅に減らしていきたい、こうしたことも今回の対策に含めています。
 次に、「みどり」の政策です。佐賀県内に流れている川の上流で切り出した間伐材を使って、今、のり面が崩れて道路の運行に支障を生じている、または支障を生じるおそれのあるような佐賀平野のクリーク整備を緊急的に実施をしていきます。コンクリートだけではなく、上流の間伐材を使って下流のクリークの整備を緊急的に行っていくという、上・下流連携の事業です。これは緊急的に行いますから、そういう30年も40年ももつようなことにはなりませんけれども、緊急のクリーク防災事業としては非常に効果があるものと思っておりますし、最近、多くの自治体や農家の方から、こうしたクリークの整備についての要望が寄せられていました。地域にある財産を活用して整備をしていくというやり方で、現在のニーズに対応するとともに、未来に向けても緑をしっかり守っていくということを実現したいと思っています。
 その次が、唐津市七山にある樫原湿原の環境保全です。1つは現在、駐車場があまりにも近過ぎて、かえって物を傷めているんではないかというふうな指摘がございました。駐車場を今回保全区域の外に移します。そして、さらにここでも環境を保全する形のトイレの整備を行っていきます。
 また、全然違うこととして、照明器具の省エネ化を進めていきます。既に更新期を経過しているような時間のたった照明器具を2年かけて省エネ型の照明器具に切りかえていきます。そうすることによって、省エネ、そして低炭素化の効果が20%前後あるものと判断しています。
 最後が「みらい」のためのものであります。未来のために今やっておかなければいけないこととして、例えば、ケーブルテレビのインターネットで動画を十分に楽しめるために必要な超高速のブロードバンド環境、大体30メガ以上ということで言われていますけれども、これを県内の全ケーブルテレビのエリアを21年度中に整備を完了させたいと考えています。
 また、「情報化ビレッジプロジェクト」という新しいプロジェクトをスタートさせます。これはこうした超高速のインターネット網を使って地域の特産物の電子取引システムをスタートさせるというものです。あわせて、地域コミュニティーのポータルサイトも整備をしていきたいというふうに考えていまして、これは日本で初めての試みになっていきますけれども、こうしたことに取り組むことによって、未来の佐賀県の社会基盤を今のうちに整備しておきたいと考えています。
 以上のような事業を推進していく際の特例について、幾つか申し上げます。1つは、まず入札についてであります。入札に非常に時間がかかるということですと、この経済対策の効果を半減させることになりかねません。今回は、入札事務の期間を短縮したり、入札参加の地域要件の絞り込みを行ったり、これまでは最低制限価格ではなく低入札価格調査と言っておりましたけれども、これもやりますと時間がかかってしまうということもあって、こうした緊急総合対策に係る事業については特例を設けることとしました。
 具体的にはこのとおりです。金額によって違いがありますけれども、例えば、現行5,000万円以上ですと大体31日かかっているものを17日間ぐらいでできるようにします。24日のものは10日に、17日かかっているものはおおむね7日に、こういう形で見直しを行っていきます。こうした見直しを行うのは、今回の総合経済対策に係る事業についてです。
 また、地域要件についても、できるだけ地域に近いところの事業者に事業を行っていただくことによって、地域そのものの経済の下支えと浮揚効果をねらっていこうというふうにいたしました。
 特Aについては、これは現行のまま、地区を分けますと特Aのクラスにお願いするような事業にかなりばらつきが出てくるものですから、これは1社にしておりますけれども、あとのところは大体具体的に発注していく仕事を見ながら、できる限り地区割りを細かくしていくようにしていっています。
 また、低入札価格制度から最低制限価格制度に変更もいたします。これまでですと、低入札が発生すると、こうして調査をやっていっていました。これについては、今回のこの経済対策分については特例として、入札があって一定の価格以下の入札が発生した場合には即失格ということで落札者を決定していくようにしていきたいと考えています。
 また、物品を購入したり、例えば清掃などの業務を委託するような「調達」と呼ばれる分野においては、職を離れた離職者や障害者の雇用状況、こうしたことを参加条件とする入札や見積もり合わせの実施を行ってまいります。
 具体的には、物品については、用度管財課で発注する物品の1割程度を目安として、雇用状況に関する企業要件で、10月以降、離職者を1人以上採用している企業や、障害者雇用を達成している企業に限って、この応募を認めるような条件つき一般競争入札をスタートさせてみたいと思っています。
 また、清掃や警備といった、こういうサービスの委託についても同じような形で、離職者や障害者の雇用状況を踏まえた形の募集条件にしていきたいと考えているところでございます。
 こうした対策を進めていくに当たっては、大きな3つの留意事項がある。これは私どもが留意しなければいけないということでございますが、1つは県民による消費の拡大でございます。とにかく需要をつくり出していかなければならないというのが、今の世界経済、そして地域経済だと考えています。そのためにも、県民による消費の拡大に、経済団体と一緒になっていきながら取り組みたいと考えています。
 また、経済は生き物でございます。その生き物であるがゆえに状況が刻一刻変わっていくことだろうと思っています。その刻一刻と変わっていく状況をしっかりと見定めながら、機動的な事業の見直しもあわせてやっていきたいと考えています。
 最後は広報の徹底です。なかなかこうした事業をやっていこうにも、本来こうした情報を必要としていらっしゃるところに情報が届かないということの指摘が行われていました。今回の緊急総合対策の実施に当たっては、きちんとした情報が最後まで届くように、広報をこれまで以上に強化をしたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

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