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記者会見
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発表項目:平成21年度当初予算案 平成20年度2月補正予算案(緊急総合対策分)

 それでは、平成21年度の当初予算案と平成20年度の2月の補正予算案の緊急総合対策分について発表をいたします。
 まず、予算の基本的な考え方です。今年の1月に「くらしを守る」「活力を生み出す」緊急総合対策を発表いたしました。それと、平成19年11月には佐賀県の行財政の健全化に向けてのプログラム、行財政改革緊急プログラムVer.2.0を既に発表しています。この行財政改革のベースに立ちながら、100年に一度と言われる経済危機においてどのようにしていくのかということで、税収も大幅に減になっていく中ではございますが、緊プロを一部見直しまして、緊急総合対策を最優先に取り組む予算といたしました。
 あらためてでございますけれども、「くらしを守る」「活力を生み出す」緊急総合対策として、総額521億円の緊急総合対策を実施することを既に発表しました。なお、技術的なこともございまして、平成20年2月の補正予算と平成21年度の当初予算の経常ベースの予算額は総額で565億円となっております。ちょっと合わない部分がございます。これは基金の計上分、取り崩し分を二重計上するような形によるものでございます。実質は521億円ということでございます。
 この補正予算と当初予算を分けた数字はこのような感じになっているものでございます。
 今回の当初予算案については4,250億7,000万円と、昨年度の当初予算に比べて8.2%という高い伸びになりました。このうち緊急総合対策分が246億7,400万円となっています。当初予算は平成12年度をピークに減少が続いておりましたけれども、9年ぶりに反転をいたしました。こういう感じになっています。平成12年度辺りがピークで、このころも景気が悪くて景気対策をかなりやっていたんですけれども、それが終わった以降ずっと、私が就任したのが平成15年度でございますけれども、私自身としては就任以来、ずっと右肩下がりの予算が続いておりましたけれども、今回はここに来て総合経済対策を反映させたために額が増えてきております。
 歳出予算の性質別の経費は、義務的経費が5割弱、投資的経費が2割強、そして一般行政経費が3割弱という形になってきております。
 歳出の主な増減を見てみました。増えた経費は物件費もちょっと増えておりますけれども、これは雇用基金事業が出てくる関係の事務的な経費と、あと今年は必ず選挙がございますので、その選挙の分でございます。貸付金が極めて大幅に増えているのは、中小企業の資金繰りを救うための貸付金を、技術的には貸付金という形で増えていくものですから、これがかなり伸びております。
 あとは投資的経費についても、これは基本的には投資的経費は3年間同額で推移をさせるということに決めておりましたけれども、総合対策の一環として増やしていきましたので、53億9,600万円昨年に比べて増えております。
 次に、歳入予算です。
 県税が735億円でございまして、去年よりもかなり減っております。また後ほど説明をします。こうしたものをはじめとする自主財源は1,595億円と、37.5%になっています。その反対が依存財源で6割強となっております。
 県税は、昨年に比べまして182億9,800万円減りました。非常に大きな減少になっています。無論、法人関係税が減ったということや、経済活動の沈滞により、軽油引取税も減っているというふうなことが挙げられます。その分といいますか、まず地方譲与税はそのかわり伸びております。そして、交付税、臨財債という、いわば県税が減ったものをカバーするための財源である交付税と、現金では払えないということで臨時財政対策債という借金の形をとりながら、交付税を後で払っていただく格好にする、技術的には将来にいただく交付税というふうに我々も思っておりますけれども、こうしたものが59億円、そしてまた53億円という形で増えておりまして、これを合計いたしますと、大体110億円程度になってまいります。ただ、県税が180億円減っておりますので、それから比べますと、どうしても70億円程度は減ってしまう感じになってきております。その分どうしたかというと、この基金からの繰入金というものでカバーをしました。いわばどうしても交付税や臨財債で補い切れない県税の減を基金からの繰入金によって賄ったということでございます。この基金の額が合わないのは雇用関係の基金もちょっとあるもんですから、額が大きくなっておりますけれども、主にはそうした理由によるものでございます。
 次に、緊プロVer.2.0の見直しについてでございます。
 100年に一度とも言われるこの経済危機に対応していくために、私どもはまず緊急総合対策を実行していくことが何より優先すべきだというふうな判断に至りました。そうした中、緊プロのVer.2.0の見直しを行うことにしました。私どもこれをVer.2.1と呼んでおります。
 まず、1点目でございますが、緊急総合対策は緊プロVer.2.0の財政フレームの外枠として実施をしてまいります。ハード事業については公共事業の総額調整ルールとは別、外枠というのは別にという意味でございますけれども、外枠として実施をしていきますし、ソフト事業についてはシーリングを政策推進費マイナス15%というのをこれまで毎年続けてまいりましたが、それの外枠、つまり、上乗せとして行うことになってまいります。
 2番目として、税収は大幅減となります。このことだけをとりますと、本来、現在行っております緊急プログラムの歳出枠を、例えば、政策推進費15%マイナスというのではなく、20%とか30%とか、マイナスにしなければいけないような自体にも相なるわけでありますけれども、そこは何とか踏ん張って、現在の緊プロの歳出枠を維持していきたいと思っております。
 次に、3番目でございますが、こうしたことを行います結果、どうしても平成22年度末までの目標としておりました基金の残高目標を変更しなければいけません。これまで150億円程度というものを基金の残高目標にしていましたけれども、それを変えていくことになります。
 これが比較をしたものでございますけれども、もともと基金残高の目標を平成22年度に153億円というものを目指しておりましたけれども、これは現時点で大体107億円程度というふうに見込んでおります。この107億円程度という数字は、例えて申し上げれば、翌年の平成23年度の予算を組んでいくのに必要な収支不足額とも大体一致をしてまいります。何とかかんとか平成23年度の予算を組める程度には22年度末には基金残高を残しておきたい、こうしたことが現在の目標となっております。
 全体の収支バランスを見ていただきますと、緊プロVer.2.0と2.1では、歳出が300億円程度増え、歳入が280億円程度増えるということになっています。これは歳入が増えておりますのは、税収は見込みより下回りますけれども、緊急総合対策分でさまざまな歳入があるということで増えているものでございます。
 公共投資の総額調整ルールについても、先ほどからご説明していますように、佐賀県は3年間にわたってほぼ同額の公共事業をやっていくということをあらかじめアナウンスしておりましたが、これに緊急総合対策分として行う社会資本整備の分を上乗せしてまいります。その部分が137億円となります。
 次が、この今回の予算に伴います事業の内容でございます。かなり広範にわたりますので、ざくっと説明をしてまいります。
 まず、新型インフルエンザ対策でございますけれども、これは先日も発表させていただきましたが、新型インフルエンザに備えていくために、さまざまな個人防護具の整備、医療従事者の感染予防をはじめ、さまざまな機器や警察活動の機材整備などを行うものでございます。
 次は認定こども園の事業費でございまして、佐賀県はほかの県に比べると、比較的認定こども園の整備が進んできているところではございますが、なお、これをもっと増やしていこうということでございます。保育所は保育所のよさがあり、幼稚園は幼稚園のよさがあるんですけれども、一方でいろんな制約があります。保育所は保護者が働いているということが条件になりますし、幼稚園ですと、満3歳からでないと入れないというふうなことになってまいります。こうしたものを一緒にしたのが認定こども園でございまして、いわゆる保育所で行っていく保育と、幼稚園で行っている幼児教育を一体的に提供するものでございます。
 次は県有施設の耐震改修事業費でございます。どうしても改築をしなければならないような大きなものを除きます耐震改修の整備目標を平成27年度までに終わらせるというふうにしていたものを、前倒しをしまして、平成25年度までに実施をすることにいたしました。また、障害者、高齢者といった弱者や多くの住民の方が利用される施設、また、災害活動の際の拠点になるような施設など、優先度の高いものから順次実施をしていくことにしました。
 具体的には、県有施設耐震化計画を20年度に策定しておりまして、これに基づくものを前倒しして行っていくということになります。
 耐震診断の結果は次のとおりです。県立学校の施設、これは学校ですね、207棟診断をしたところ、耐震性が不足しているものが約半分の118とあることがわかりました。また、一般の県有の施設では109棟行ったところ、49棟必要だということがわかりました。こうしたことに基づいて、まず県立学校の施設でございますけれども、平成21年度の当初予算で7校10棟補強設計を行う、改築設計は1校1棟、補強工事は17校で32棟、このような形で順次改築を行っていくことにいたします。こうした機をとらえて、本当はもっと前倒しをしたいところでもございますけれども、こうした耐震改修をやっていくには専門家が必要になってきます。専門家そのものが全国で足りないような状況になっておりまして、そこはぎりぎりのところまで、とにかくフルに稼働していただいて、何とか2年度前倒しをすることが可能になったものでございます。
 次に、来年平成22年の6月に食育推進全国大会を開きます。これに向けて、県全体の機運づくりと情報発信を行ってまいります。
 次が就労・再チャレンジサポート事業でございまして、今後の雇用の受け皿としてICT(情報通信技術)、介護、こうした分野が期待できます。こうしたものについて、職業能力開発をしていくというものでございます。
 次が地球温暖化関係でございまして、この温室効果ガスの排出量を7%削減していきたいという目標に対し、現状では8.1%逆に増えているという状況にございます。そういう中で、今年の8月に地球温暖化防止実施計画を策定してまいりますし、これに基づきまして、さまざまな、それぞれ小さいものでございますけれども、いろんな地球環境保護にかかわるものをやっていきたいと思っております。
 ここで、今年からいよいよ電気自動車が世の中に導入されてまいりますので、この電気自動車についても、ぜひこの一つのエコの象徴として導入を促進していきたいと考えています。
 次が、新エネルギーでございまして、今度は水素であります。
 現在、九州大学の伊都キャンパスでは世界最先端とも言われております水素の研究が進められておりますし、私ども佐賀県としても、ここ数年来、水素に関する研究や開発、また事業の拠点をつくっていこうというプロジェクトを推進してまいりました。こうしたことを受けて、福岡県と佐賀県、そして大分県やほかの県とも共同をいたしまして、この水素を使った車、燃料電池で走る車を具体的に走らせるという実験を行ってまいります。そうすることによりまして、これまで首都圏や愛知県で行われてきた、この水素を原料とする自動車の実証実験の地域に北部九州地域が選ばれるようにしていきたいと考えています。
 次は農業系高校の生産物ブランド化です。
 これまで県内の農業系の高校では、学習の一環としてさまざまなものをつくってまいりました。例えば、佐賀農業のレンコンアイスや唐津南高校のえんやークッキーというものがあるわけでございます。このほかにもたくさんのものがございます。ただ、こうしたものがまだまだブランド化が足りない、販路が足りない、こうしたものがございます。これまでは単に生産実習の一環としてやっていたものをどうやってきちんと売るのかということを高校生のときからきちんと子どもたちに体験をしてもらおう、身につけてもらおう、そういったものをスタートさせていきたいと思っております。こうしたものが一定見えてきたときには、ぜひとも今度はほかの専門高校にも協力をいただいて、例えば、商業系の高校でどういったふうにして売るのかということや、有田工業のデザインの人たちにお願いをして、パッケージについて考えていただくとか、そうしたことによって専門高校に学ぶ高校生の力を実際のビジネスの分野で活用していくということをやっていきたいと考えております。
 次が、教育についてでございます。
 中学校の1年生、いわゆる中1プロブレム(問題)に対応するために、平成21年度から中1に小規模学級編制かティームティーチングかを選択するということを始めてまいります。
 これまで、小学校の低学年でこうした選択制を実施してきましたけれども、中1にも導入をいたします。これまで中1にこうしたものを導入する意味があるのかどうか、教育効果があるのか、教育委員会のほうでいろんな検討がなされてきましたけれども、特に小学校から中学校になると、学問自体が難しくなるということや、教科担任制に変わるといったことをはじめ、さまざまな心理的においても大きな負担があるということが指摘をされました。
 こうした際に、子供たちに対して、より教員が密度濃く接することによって教育効果が上げられるというふうなことについて、一定の方向性が出たものでございます。
 現在36人の学級があって、かつ、3学級あるような、そういう大規模な学校について、こうした試みをしていきたいと考えているところでございます。
 そして、こうした取り組みをしていくことによって、結果的には不登校の児童・生徒の割合を減らしたり、学力状況調査の平均正答率が全国平均を上回るようにというふうなことを目指していきたいと考えております。
 次に、新しい稲の品種「佐賀37号」のマーケット確立戦略でございます。
 新しい稲の品種「佐賀37号」は、ヒノヒカリにかわる次期主力品種として期待がされておりますけれども、現在、名前の最終的な審査を国や関係団体にお願いをしているところでございます。そして、その上で、なるべく早く発表し、これを新しい主力の品種としてのふさわしいマーケティングやプロモーションのスタイルを確立させていきたいと考えているところでございます。
 この佐賀37号は、既にあちこちで試食会を実施しておりますけれども、甘味があるということや、冷めてもおいしいという特長がありますし、粒が大きいということがあります。
 私も実際にこれを試食会でさまざまな方々に食べていただきましたけれども、この冷めてもおいしいということについては、非常に高い評価をいただいております。昔とはお米をめぐるシチュエーションが変わってきまして、最近は、例えばお弁当だとか、コンビニのおにぎりのように、炊きたてではなくて、炊いた後、ある程度時間がたって御飯を食べるというライフスタイルが増えてまいりました。そういうときには、この冷めてもおいしいというのは非常に大事なポイントではないだろうかと思っているところでございます。
 次は、有明佐賀空港の利活用についてのマイエアポート運動の推進でございます。3便から4便に増えてきましたし、北部九州の3空港の相互利用もできるようになっております。こうしたことについて進めていって、県民、そしてまた、佐賀県の近くにお住まいの方々にマイエアポートという意識を持っていただきたいという事業でございます。
 次は、情報化ビレッジというものでございまして、特産物をネット上で販売していこうというものでございます。こうしたものをもっともっと複合的にやっていくことによって、佐賀県そのもののICT化を進めていきたいと思っております。
 次が、2月の補正予算にかかわるものでございますが、これは県内のケーブルテレビについて、超高速のブロードバンドやデータ放送を実現することが可能になるような事業でございます。
 次に、中小企業の金融対策は、これまでも説明したとおりでございます。
 また、県営クリークの防災緊急応急対策事業と申しますのは、現在、山にあります間伐材が使われずに残っている部分がございます。特に、小さい径の間伐材はなかなか使い道がないと言われております。こうしたものを切り出してきて、それをクリークの木柵に緊急的に使っていこうというものでございます。
 山から切り出していくときにも、もちろんCO2の削減にもつながりますし、ここで新たな仕事が出てまいります。また、平野部でも新規雇用ができると同時に、新たなクリークをとにかく保存してほしいという要望に対してこたえることができます。山と平野とが連携をして、住民の方から要望の強いクリークを緊急的に整備するということが、こうした事業により可能になると考えております。
 ちょっと長くなってしまいましたが、以上で私の説明を終わります。



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