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アイコン 記者会見
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質疑応答:諫早湾干拓事業に係る福岡高裁控訴審判決への国の上告断念
○読売新聞
 農相が佐賀に来るという情報は入ってはいないということなんでしょうか。
○知事
 はい。農林水産大臣が佐賀に入られるという情報は入っておりません。
○読売新聞
 今後、知事が再び上京されて何か要望されるというようなご予定はありますでしょうか。
○知事
 これからまた考えていきたいと思いますが、今回、これまで議会や地元と一緒になってこの上告断念、開門の即時決定ということを訴えてまいりました。それが実現しておりますので、そのことに対するメッセージを、官邸初め、関係者のところにお届けするということは必要だと思っております。
 今は議会中でありますけれども、また関係者とも相談して、しかるべき時期にそのような対応をとりたいと考えます。
○西日本新聞
 るる言われたのでほぼ網羅されていますが、改めて、長い間の闘争で勝ち取った上告断念、改めて喜びをもう一度聞かせてください。
○知事
 はい。本当に思えば10年間かかっているということだろうと思います。その10年かかってやっとここまで来た、特にそれは裁判の主体となって戦われた原告団の方々もそうだろうと思いますし、裁判にこそ参加はしていないけれども、有明海を一日も早く元の海にしてほしいという方々は本当にたくさんいらっしゃったと思います。その人たちのいわば切なる願いと思いに、今回政治がこたえてくれたということだろうと思っています。
 菅総理は、野党時代、随分と諫早湾干拓のことについてはいろんな形で指摘をされておられました。私自身も映像を通じてそうした姿を拝見したこともありますし、また、菅総理のホームページなどでも諫早湾干拓の事業のことについて非常に厳しい評価をしておられました。
 特に私が知る限りは、2001年だったと思いますけれども、自分が総理になったら長崎に出かけていって門を開けますということを多くの方の前でおっしゃっていたということもございます。これだけこの事業について思いを語っておられた方が現に総理になられたわけでありますから、私はその過去の言葉にたがわない行動を求めておりました。これが実現できたことは本当によかったと思いますし、一方で、先ほども申し上げたように、開門調査のスタートはあくまでも再生に向けてのスタートであって、被害が生じないような形で行っていくということ、具体的にどういう開門をやっていくのかということについては、もう裁判が確定すれば原告団の方々と政府との間で、いわば開門に向けての協議が始まるということだろうと思います。新たなステージがこれから始まるということだと思います。
 本来、もうちょっと喜んで会見をするべきなのかもしれませんけれども、その一つの節目になったということとあわせて、これから具体的にどういう形になっていくのだろうかということも、ちょっと頭がいろいろぐるぐると回っておりまして、ちょっと気持ちと表情が一致していない部分もございますけれども、本当にこれまで一緒に活動をしてきていただいた皆さんに心から改めて感謝をしたいと思います。
○読売新聞
 知事はこれまでの会見の中で、大きな決断が下されたらおのずとアセスのあり方も決まってくるだろうという趣旨のことをおっしゃっておりました。今回、ちょっと一歩話が進んだということを受けて、アセスに関して何か思いがあったらお聞かせいただきたいんですが。
○知事
 はい。先ほど来申し上げているように、私はこの開門調査を行うことによって新たな被害者を生み出してはいけないと思っています。このことは幾度となくこれまでも申し上げてまいりました。で、新たな被害者を出さないようにしていくためには、そのアセスをやってどういう開門の方法、どういう調査の内容を行っていくのかということについて、あらかじめ調べをしておくことが必要だし、そもそも今の段階での数字をある程度きちんと把握しておかないと、開門調査をやる前とやる後との比較をすることが難しくなるだろうと思っています。それだけに、今回、裁判そのものは確定をしていきますが、原告団の方々はこれまでのご主張の中でも我々は無条件にただ開放しろということを求めているのではなく、その裁判を確定させることによって、いろんな関係の方々と一緒になって開門の協議を始めていくんだということをおっしゃっておられます。まさにそういったことが求められていくことになるだろうと思っています。
○佐賀新聞
 先日のフォーラムの中でもおっしゃっていましたが、環境省の、今中断している評価委員会の再開を求めていきたいということをおっしゃっていたんですけれども、今後の原告と国との開門の協議の場に、県としてどのように加わって、あるいは後押ししていきたいのかということと、その評価委員会の再開を強く求めていくかということについてお聞かせください。
○知事
 はい。有明海の問題を総合的に調査をして評価をする、その環境省の有明海と八代海の総合調査評価委員会が、今法律的には切れたような状態になっています。どういう調査を行うことが必要で、また調査から出てこられた結果をどのように客観的に評価するかということを総合的に、かつ客観的にやっていくためには、私はこの評価委員会をもう一度動かすことが必要になってくると思っています。そうすることによって、どういう方策を有明海再生のために講じなければならないのかも明確になっていくだろうと思っています。
 これまでも事あるごとに政府に対しては、この評価委員会の再開について提案をしてきましたけれども、今回、大きな節目が動きましたので、改めてこの評価委員会の再開について、国に対して提案をしていきたいと思いますし、仮にそれが実現しないとしても、少なくとも何らかの形で具体的な開門を協議する機関というものは設けられることになると思っております。そこに対しても、地元で最もこの門に近い県として、ぜひとも参加をさせていただくように、これも改めて求めてまいりたいと思います。
○読売新聞
 上告断念の一報をいつどこでどういう形で聞かれて、そのときの一番最初にどういうふうにお聞きになったか、感想、それを教えてください。
○知事
 上告断念の一報は、まずはニュースのテロップで知りました。ほどなくニュースの速報がメールで流れてまいりました。昨夜からきょうにかけて、私どももさまざまなルートで情報収集と上告断念に向けての活動をしておりましたので、そういう流れができつつあるという感触はございましたものの、最終的に総理がご決断になるのはもう少し、きょうの夜ぐらいになるかなというふうにも思っておりましたので、すぐにでもそういったことを総理がお話しされるという感触になったのが非常に意外でありましたけれども、私としてはとにかくまず本当に決められたというお話を聞いて、正直言ってほっとしたというのが第一にありました。
 これまでも開門に向けての局面は幾つもありました。幾つもあったものがその都度、何と言うか、私どもの期待そのまま実行されるということではなくて、何か違った形で延ばし延ばしになってきておりましたので、今回も一部にはそういったことになるのではないかというお話もありましたので、最後まで最終的に総理が決断されるまで私は安心できないと思っておりましたけれども、本当にそうなったと聞いてほっとしたというのが正直なところでした。
○朝日新聞
 副作用を抑えるという意味でアセスが必要だということだと思うんですけれども、一方で、この夏のタイラギの状況ですとか、不安定なノリの漁業を考えると、漁業者からはやっぱり早く開けてほしいという言葉が出ているんですけれども、知事ご自身は来春のアセスの中間報告を踏まえてどのぐらいの検討作業をしてどのぐらいまでに検討するのが望ましいと考えていらっしゃいますか。
○知事
 裁判が確定をすれば、確定をした日から3年以内に、そして、5年間の開放ということが裁判としては確定していくわけですから、その範囲内でということではないかなと思っています。  即、今この瞬間門を開けてしまえば、潮にもよりますけれども、有明海の海の水が干拓地のほうに入ってくる。そうなっていけば、今淡水を使って農業をやっておられる方々が農業を営むことができなくなるということになるだろうと思っております。
 そうならないようにしていくためには、営農者の方たちがどういう形で農業用水を確保するのかということについて策を講じることが必要だと私たちは考えておりますので、そうした措置を講じる、または講じることができる見通しが立つという時点で開門していただくことが必要だろうと私は思っております。
 いずれにしても、3年以内に5年間開門という今回の裁判の確定というものが軸になるものだろうと思っております。できるだけ早く開けていただきたいという漁民の方のお気持ちもよくわかりますが、一方で、あらかじめじゃあ何を調べてどういう形でデータをとるのかということを決めておいて、しかも、そのとるべきデータについてはきちんと1年間なり2年間なりあらかじめとっておかないと、開けたときにどう変化したのかという変化の状況がわからないということにもなってしまいますので、そういった準備は私は周到にしたほうが、苦労をした結果勝ち取ったものの効果を最大限にするためにも必要ではないかと思っています。
○サガテレビ
 長崎にとっては大変厳しい結果になるわけなんですけれども、こういう結果になって、佐賀県として今後やるべきこと、役割、どういったことをやっていかなきゃいけないとお考えですか。
○知事
 これから必要になることは、具体的な開門の方法について、いわば当事者の一人として積極的にかかわりをしていくということだと考えています。そうすることによって、先ほど来申し上げているような新たな被害者を生まないような開門調査と、開門調査をやることが本当に有明海の再生につながるという成果を生む、ここのために努力をしていくということが求められると思います。
 ありがとうございました。

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