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発表項目:バリアフリー映画の試写会を行います

 それでは、ただいまから定例の記者会見を始めます。
 きょうの発表項目の1つ目が「バリアフリーさが映画祭2010の開催」なんですけれども、バリアフリー映画というのはどういう映画なのかということを、ちょっと皆様方に見ていただきたいと思います。

【映  画  上  映】

 これが「絵の中のぼくの村」という東陽一監督の映画なんですね。
 実は、普通の映画だとこういう解説はないんですけれども、例えば、視覚障害者とか聴覚障害者とか、そういった人のためにあらかじめ音声と目で、こうやって文字で説明をしてくれているわけですね。だから、こうやって周辺の情報をできるだけ与えることによって、理解しやすくしていくということがバリアフリー映画の特徴です。

 これが配給会社で、今回、いろいろ協力していただいている山上さんという人が配給している作品ということなんですけれども、ここからが映画の、普通はここから始まります。こういうものはありません。

 こういう解説も普通はないわけですね。ただ単に音が流れて、音と絵があるだけです。

 こういう感じで、例えば、目が見えない方、耳の聞こえない方も映画を楽しんでいただけるように、音声で解説をつけたり、また字幕をつけたりして映画を見ることができるようにする、こういう工夫を凝らした映画のことを「バリアフリー映画」と呼んでいます。
 このバリアフリー映画の映画祭を今年の秋、障害者月間に合わせて佐賀でやろうというのが今回のお知らせでありまして、そのプレイベントとして、7月にこのバリアフリー映画というものの試写会を行います。
 まず、本体の「バリアフリーさが映画祭2010」なんですけれども、11月26日から28日までの3日間、佐賀市のアバンセとシアターシエマで行います。内容は、バリアフリー映画の上映、シアタートーク、シンポジウムです。
 それに先立つこと、プレイベントとして、今月、7月27日の火曜日に、県立美術館ホールで、市や町、県内の各種団体の方に参加していただいて、実際にバリアフリー映画とはどういうものかということを、先ほどの映画の配給の代表の山上さんにお話をしていただいて、実際にジブリの「猫の恩返し」という作品の上映をします。この「猫の恩返し」という作品のときには活弁士による副音声のライブも行います。昔は活弁士さんというのがいらっしゃったわけですけれども、今、バリアフリーという新しい形でこの活弁士の方がどのように表現されるのか、こうしたこともぜひ見ていただきたいと思います。
 先ほどの確認になりますが、バリアフリー映画とはということで、最低限の副音声と字幕がついている映画、そして、つくる段階から監督やプロデューサーが字幕、副音声に積極的にかかわって、登場人物の動きを映画の情感を損なわないように表現したり、これまで表現されることの少なかった音楽や効果音を表現したり、今までは、例えば、耳の聞こえない人に対しては、幾ら音で表現していても聞こえないわけですね。その音を表現する必要がある。その音を、例えば、ポカンと表現するのか、ボコッと表現するのか、そういったものを文字にしてしまうことによって、本来、もともと表現者が表現しようと思っていたことと違うことになってしまってはいけないわけです。だから、このバリアフリー映画をつくるときには、こういう監督とかプロデューサーがこういう表現でいいのかということを含めてかかわることが必要になるということなんですね。
 あわせて、日本固有の表現形態である活動弁士を利用するということで、とにかく楽しむことができる。障害のあるなしにかかわらず、だれもがともに楽しめる映画というものをバリアフリー映画と呼んでいるということでございます。
 これは例えばの話ですけど、これは「猫の恩返し」という、今回試写会で上映する作品なんですけれども、これまでの映画、この台本ではどう書いてあるかというと、これは「ハル」という女の子なんですが、「ハルは、手すりによりかかって青空を見上げている。青空にタイトル「猫の恩返し」。バレーボールが後頭部に当たり、頭をかきながら振り返るハル」、こんなふうに書いてあるわけですね。それがバリアフリー映画ではどう表現されるかというと、これは実際に読み上げられるわけですけど、「ハルが気分転換に屋上に出てきた。昼休みの青空に真っ白いタイトル「猫の恩返し」。イテッ。バレーボールが頭に飛んできた。きょうはついてないな」、こういうふうなことになっていくわけです。こういうふうに表現すると、例えば、視覚障害のある人でも、今この情景がどういう情景なのかということを理解していただける、そういったことになるわけですね。
 それとか、笑い声、ため息、こうしたものを、「ハハハハ」とか、こうしたものを表現したり、または、この画面では実際にここに出ていない人が話をしています。そういう人は、今度は「ひろみ」という子がここから声をかけているわけですけど、「きょうの掃除当番かわってくれない。お願い」というふうに言っている、こういうふうにかなり細かな、いろんな配慮をしていかないといけないというのがバリアフリー映画なんですね。
 今、この上映映画の候補となっているのは、「ぐるりのこと。」から始まって、「老人と海」に至るまでのものが候補になっています。これすべてを上映するわけではありませんけど、この中から選んでいこうと思っています。この「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」は新作ですけれども、そのほかのものは既に公開されたものになっています。「ぐるりのこと。」を初め、結構有名な映画も多くなっています。
 ということで、障害者月間に合わせて行われるバリアフリー映画祭、ぜひ多くの方々に来ていただきたいと思います。

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