○時事通信
　社会保障について大きく2点お伺いします。
　1つは、後期高齢者医療制度にかわる新しい制度の案がこのほど国のほうから出されました。都道府県の関与についても案の中では出ていますけれども、これまでの後期高齢者医療制度のどういう点がよかったのか、まずかったのかというところと、この新しい制度についての見解というのが1点目です。お願いします。
○知事
　後期高齢者医療制度についてよかった点は、これまで現役世代にかなりかぶっていたものをきちんと独立したものとして成り立っていくようにしようということを決めてスタートさせた点というのがよかった点だろうというふうに思いますし、その長所についてもご批判もありますけれども、コストのかからない方法でその保険料をいただくようにしたという点は、制度としては評価できる点だろうと思っています。
　一方、課題点があったとしたら、1つは、こうしたものについての必要性なり、やり方なりというものについて、もう少し時間をかけ丁寧にスタート前にやっておく必要があったんではないかという点は反省点だろうと思っています。
　一方で、この後期高齢者医療制度が始まって数年たち、特に市や町の現場ではこれについてずうっと住民の皆さんに説明をしてきて、ようやく理解が得られかけているという状況にあるというのもまた事実だと思うんですね。こうしたときに、また新たに制度を起こしていくというのは、これは現場の、特に市や町の職員からすると、また大変な労力を強いてしまうことになるなというのが率直な思いとしてはあります。
　ぜひとも、これまでというか、今既に実施している後期高齢者医療制度と、今回やろうとしている新たな医療制度の整合性については、ただ単に政権がかわったからというんじゃなくて、そこはきちんと担当者が説明できるようにしていただきたいと思っています。
　また、都道府県が関与をしていくということについては、これは知事会の中でも議論が分かれております。この後期高齢者医療制度についての都道府県の関与は限定的であるべきという考え方の知事さんもいらっしゃれば、積極的にかかわっていくべきだという考え方もあります。私はどちらかといえば、積極的にかかわっていくべきではないかと思っているほうでありますけれども、これについても、これは今あくまでも国の考え方が公表されたという段階で、今の国会の状況を考えると、この案がそのまま政府案になり、また実施になるということではない可能性もあると思っておりまして、そこはこの政府以外の、例えば、自民党は今回のマニフェストの中で高齢者医療制度について65歳以上からの適用というふうなことも言っておりますし、そこはよく世の中の流れ、各党の主張を見ておかなければいけないと考えています。