TCY ̑傫b ̑傫b ̑傫b
アイコン 記者会見
古川前知事の記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。

質疑応答:国際リニアコライダー
○STS
 年末にちょっと夢のある話、一部報道されましたけれども、国際リニアコライダーの、福岡県と共同で脊振山地に誘致とかですね、あるいは新年度予算化という話が出ていましたけれども、これ事実関係はいかがでございますか。
○知事
 もう、このリニアコライダーそのものについての取り組みは、数年来のものでございまして、ただ、かなり具体化が進んできたというものでございます。リニアコライダーというのは、物的に言うと、何十キロかにわたるトンネルを1本掘りまして、端っこと端っこから電子と反電子とか、陽子と反陽子とかそういうものをぶつけて、そこのぶつけることによって生まれてくるさまざまな事象で、宇宙の成り立ちを解明していくという研究施設であります。ものすごい高速のスピードでもったものをぶつけていくということは大変に難しいわけで、これが加速器の技術が必要になってきます。
 今、世界の中には、一番進んだ大きなものとしては、円形のリング状になっているものとして、スイスのジュネーブにあるセルンというところの施設があります。私は数年前にここの視察に行かせていただいていますけれども、それもこのリニアコライダーの誘致に関連してのものでございました。今回は、それを世界にどこか1カ所、何十キロかのトンネルを直線で、直線ですからリニアと言っているんですけど、リニアな形でつくっていく施設を世界でたった1カ所つくっていこうということが世界の物理学者の中で言われていまして、そこに日本も立候補するということが今、政府として決めているわけではありませんが、日本の科学者の中で言われています。そして、その何十キロにもわたるトンネルを掘るためには、場所的にいいところがなくちゃいけないというので、何カ所か候補地があって、調べられた結果、現時点においては、日本では脊振というところと北上という東北地方、この2カ所が有力なのではないかと言われているわけでございます。そもそも数千億円以上ぐらいかかるプロジェクトですし、我が国がそれに正式に立候補するのか、立候補するとした場合に脊振が最終的に我が国の候補に残るのか、そして我が国の候補に残ったとしても、今度は世界の、例えば、北米とか、アジアの中でも競争があるかもしれません、そしてヨーロッパ、そういったところとの競争の中で勝つのか、オリンピックとかワールドカップの誘致と一緒ですから、まず日本の代表になった上で世界の中で戦うということが求められるわけですけれども、そうなるのかわかりませんけれども、私は大変に夢のあるプロジェクトだと思っております。
 私たちは、これは福岡県と一緒になってやっているんですけれども、ただ単に、こういう研究施設が欲しいからやるというふうには考えていません。去年も「はやぶさ」のことについて、佐賀県としては非常に力を入れて取り組みをしていましたし、今でも基礎科学について理解ある子供たちを増やしていこうという取り組みをやっていっています。私はこうしたリニアコライダーの誘致活動を続けていくのも、それは基礎科学を充実させていくということの方法の一つだろうと思っています。これを決してただの目的にしてはいけないと私は思っています。こうしたことを通じて、一人でも多くの基礎科学、基礎科学というのは、応用科学に比べると、何の役に立つんだと言われがちな分野ではあるんですけれども、日本はノーベル賞をとっている一番大きな分野が素粒子物理学で、まさに日常生活には何の役にも立たないと思われる学問に強みを発揮していっています。こうした分野に関心を持つ子供たちを増やしていきたい、そうすることによって、それは将来見たときに、佐賀県全体の人材の育成というものにもつながっていくのではないかということを期待をしているということでございます。今年になるか、来年になるかわかりませんが、この我が国の中で候補地を決めていくという作業がスタートする可能性があります。そうしていったときには、ぜひともこの脊振という場所が科学者が暮らしていくにも非常にいい場所だし、また、この辺の地域は、そういう科学というものに興味や関心があるんだという地域としてぜひ立候補をしていきたいと思っているところでございます。

「記者会見」トップに戻る 同日記事トップに戻る トップページに戻る

Copyright 2006-2024 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断掲載することを禁じます。