次に、県内初めてとなります県営住宅を使った障害者グループホームが開設されるというお知らせでございます。
　県営石貝団地、三養基郡みやき町にある団地でありますけれども、ここに障害者がまとまってお暮らしになるグループホームができることになりました。ここに写真がございますけれども、これは平屋一戸建てになっていますけれども、この一戸建ての部分とアパート形式になっているものと、石貝団地にはパターンがいくつかあるんですけれども、そのうちの平屋建ての４ＤＫ、この住宅を障害者向けのグループホームにすることになったというものでございます。
　石貝団地、何かお聞き覚えもあられるかもしれませんけれども、近くに暴力団の事務所が開設されるということで住民の方々が一致団結をして反対運動をされたところでもございます。
　このグループホームを県営住宅の中に作るということについては、前々から制度としてはございました。ただ、あくまでも県営住宅や市営住宅、町営住宅というのは、住宅にお困りの方が優先だということで、住宅が空いている場合には、こういう障害を持っている方たちのグループホームとしても使っていいよという運用がなされておりました。
　私ども佐賀県としては、これから障害を持つ人、あるいは高齢者、こうした方々が施設から地域に移っていくことが必要だ、施設から地域へ、こういう地域移行を進めていくためにも、県営住宅をはじめとする公営住宅の一部をグループホームとしてもっと使いやすくするために、空いているからどうぞというのではなくて、こうしたものをむしろ積極的に進めていくための工夫が必要ということで、本来入居者といいますけれども、公営住宅の本来入居者に位置づけるべきだということを主張してまいりました。特区申請も行ってまいりました。その声にこたえる形で制度改正が行われたものでございます。
　今回できることになったグループホームは「しゃぼん」という事業所名で定員は４名です。４ＤＫですので、１人に１部屋ずつ与えられているということになります。そして、今年の11月１日からグループホームとしてスタートいたします。
　この事業を行う特定非営利活動法人ピア・サポートかだんというところは、このグループホーム以外には障害者の就労のお手伝いをする就労継続支援Ｂ型事業というものを展開しておられるところでございます。
　先ほども経緯を申し上げましたけれども、平成８年に公営住宅法が改正されて、適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲内でこの公営住宅を社会福祉法人などに使わせることができるという規定ができました。あくまでも本来入居者に邪魔にならない形でということでございました。
　昨年の３月に佐賀県が特区提案をいたしまして、そういうことではなく、本来入居者として応募できるようにという提案をしまして、その５カ月後、国土交通省からの通知において、どんな公営住宅でもグループホームとして使うことが可能ですよという通知がなされたものでございます。
　実際の支援体制ですけれども、この運営法人が行うグループホームというのが、まずは団地の自治会と一緒にやっていくといいますか、団地自治会、また、団地の方々の理解を得てこのグループホームが運営されていくことになります。そして、このグループホームに入っておられる方々については、地域の自立支援協議会においていろんなサポートをすることになってまいります。県庁では、障害福祉を担当する障害福祉課と建築住宅課、これは住宅を所管している課でございますけれども、こことが一緒に行っていくということになります。
　そもそもこういう新しくこの公営団地に自分たちでグループホームを作りたいという場合はどうするかというと、グループホームを運営する法人が希望する団地について福祉部局の方に申し込みをします。そして、団地の自治会に事前説明をして、理解を得て、優先枠を決めて入居をしていくというふうな方向になってまいります。今回はその最初の事例だということでございます。
　ちなみに、佐賀県では初めてですけれども、これは九州各県の例でございますけれども、長崎県では18戸、熊本県では４戸、宮崎で２戸、鹿児島県では１戸という形で、ほかの県でも進められてきているところでございます。特に大阪府は昔からこの利用の仕方が盛んでございまして、139団地で448戸利用がされております。
　こうしたことを見ますと、もっともっと佐賀県内でも使われていいと思っておりますので、積極的な利用をこれからも進めていきたいと思っております。ということで、これからもこのグループホームが増えていくように取り組みをしてまいります。