発表項目:「バリアフリーさが映画祭2011」を開催します
それでは、会見を始めます。
まず最初に、11月25日から27日までの3日間、「バリアフリーさが映画祭2011」を開催いたします。これは昨年からスタートをした映画祭で、バリアフリー映画というのは、後ほど現物を見ていただきますけれども、例えば、視覚に障害のある方、聴覚に障害のある方など、健常者用の映画をそのまま見るのが非常に難しい方たちに対して、例えば、副音声で解説をつける、あるいは映画そのものに字幕をつけるなどを行うことによって、そういう障害を持っている人にもわかりやすい映画を上映するというものでございます。 アバンセで行いまして、映画の上映のほか、シネマトーク、ワークショップなどが開催される予定です。 上映作品は、ごらんのとおり、『天国からのエール』、『沈黙の春を生きて』、ほか、こうした作品でございます。 今回の新しい作品、ことし『天国からのエール』などは、今公開されている作品でございますし、一方で、『幸せの黄色いハンカチ』のような過去の名作をバリアフリー化して上映をするということも行うことにしております。 今回上映される『幸せの黄色いハンカチ』の山田洋次監督に来ていただくことになりました。そして、この「バリアフリー映画祭2011」で上映されるこのバリアフリー映画というのは、ほかの地域で上映されているバリアフリー映画と若干違うところがございます。それは、その字幕や副音声について、実際に制作した監督などの制作者の意見がきちんと反映されているということです。一般的に各地で行われているバリアフリー映画というのは、ユニバーサル上映と言われることもありますけれども、その自主上映される方が、自分たちで字幕をつくられるというケースがほとんどでございます。 そして、副音声についても、自分たちの感性で副音声をつけられるケースがほとんどなんですけれども、そういう副音声のつけ方が、制作者の意図と比べてどうなのかということについては、検証されることがありませんでした。私どもこの佐賀で行うバリアフリー映画祭は、この制作者が、この副音声や字幕にかかわっているというのが大きな特徴でございます。 改めてバリアフリー映画の定義をいたしますと、最低限、副音声と字幕がついている映画、加えて、監督、プロデューサーが字幕、副音声に積極的にかかわる。それによって、登場人物の動きを余りに解説してしまうと、逆に弊害になってしまうということもあります。 また、一方で、音楽や効果音というものも、どういう形で表現すればわかっていただけるのかということもございます。こうしたことについても工夫を凝らしているということでございます。 また、副音声に活動弁士の方に入っていただいて、その活動弁士の方が副音声を担当していただけるということでございまして、そうすることによって、障害の有無にかかわらず、だれもが楽しめる映画となっているというのが私どものバリアフリー映画の特徴でございます。 実際にバリアフリー映画をちょっとだけ見ていただきたいと思います。 【バリアフリー映画上映】 (自転車をこぐ一也) 一也:フジはこのまま泳がない状態が続けば、新たな病気を引き起こす可能性があります。 フジの尾びれを再生するプロジェクトを立ち上げたいんです。 直接ブリヂストンの本社に交渉しに行きたいのですが、 (館長に直訴するカズヤ。水族館の前の海を望遠鏡で見る館長。) 館長:おもしろそうじゃないか。 こういう形でございまして、この映画は、これは実話をもとにしているんですけれども、美ら海水族館にいたフジというイルカの尾びれが切れてしまって、それを人工的に再生するという、そういう映画でございますけれども。 このようにして、字幕や副音声で視覚や聴覚の障害にある人たちの鑑賞のお手伝いをするというものでございます。 また、ワークショップでは、ヘッドマウントディスプレイ体験試写会というものを行っていきます。 これは、今、オリンパスで研究中なんですけれども、「自分専用の字幕」というもので映画を見ることができるというものでございます。 こうしたバリアフリーで上映をしていると、字幕がいらない人にも字幕が提供されますので、そのこと自体がいらないというふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。そこで、字幕を必要とする方だけに字幕が提供できるようにということで、こうした新しい眼鏡が開発中でございます。これをかけると、目の前に映画の字幕が浮かんで見えます。こうしたものについて、実際に体験をしてもらうということも今回行ってまいります。 また、バリアフリー、今ある一般的なDVDに字幕や音声ガイドをつけるソフトをつくる講座というものを開催いたします。いわば1日道場といたしまして、映画に字幕や音声をつけること、また、活弁を使った副音声の制作教室、こうしたことを行ってまいります。 そして、地元の佐賀大学や九州龍谷短期大学の学生とともに、この上映を行ってまいります。 チケット料金は前売り一般、大学生が1,000円でございまして、そのほか、小学生、中学生、障害者などは500円、当日券800円などとなっているところでございます。 また、1日フリーパス券は2,000円となっております。これは映画の上映に対するお金というよりは、このバリアフリー映画祭にご賛同いただいた協力金としての位置づけでいただくものでございます。 ということで、チケットの申し込みは10月中旬からオンライン、JTBの各店舗、コンビニ、それぞれのところで申し込みの受け付けを開始いたします。 また、それとは別のことでございますけれども、10月28日金曜日に東京国際映画祭で初めてバリアフリー規格が実現をすることになりました。そこで、この佐賀のバリアフリー映画祭でも上映される『幸せの黄色いハンカチ』のバリアフリー版が上映をされます。そのときに山田洋次監督が基調講演をされ、その後に視聴覚障害者のための映画のあり方を考えるシンポジウムが開催されることになっておりまして、私もそのパネリストの1人になっているところでございます。 こうしたことを通じて、バリアフリー映画が世に広がっていけばと考えているところでございます。 Copyright 2006-2024 Saga Prefecture. All rights reserved. このサイト内の文章や画像を無断掲載することを禁じます。 |