○時事通信
　社会保障の問題で2点お伺いします。 　１点目は、先日、政府のほうで検討会議のメンバーが決まりました。その顔ぶれを見て期待というか、展望というのがあれば。
○知事
　うれしかったこととちょっと心配していることと2つあるんです。うれしかったことは、これは佐賀県の事情ということになるんですけど、電通の成田さんが入っていただいたということでございまして、私どもよく知る方でございますので、そういうよくご存じの方が入っていただけたというのは何かしら頼もしいものがあるなというふうに思っております。
　あと、もう1つ不安な点というのは、学者にかかわる方たちのメンバーを見ておりますと、社会保障について非常にご見識の高い方が集まっておられるなと思うんですが、私たち地方の財政についてご理解のあられる方が現在のメンバーを見る限りはないのかなと思っております。
　最近、高齢者3経費という言葉が、ややもすればひとり歩きしているように思っていまして、具体的には年金と介護と高齢者医療の3つなんですけれども、この高齢者3経費を賄うために消費税をどうするかという議論に、非常に極小化されてしまうというおそれがあるのではないかなと思っています。仮に高齢者3経費について議論を特化させていくにせよ、年金は100%国がやっていますけれども、介護と高齢者医療は自治体がかなりの部分も担っているわけでありまして、そのために消費税率をどうするかという議論を行う際には、必ずその地方の分をどうするかということもあわせてご議論をいただかなければならないと考えておりますが、ぱっとメンバー見たところ、そのことについてそこまで視野に入れておられる方というのは、ちょっと私は発見することができなかったということでございます。
　これからさらに専門委員の方々もお決めになるということでございますので、そこに入られるのかもしれませんけれども、私どもはこれは国が担うのか、地方が担うのかという大きな分担論の議論であって、単なる財源の配分の問題ではないとも思っておりますし、消費税を社会保障を目的に使っていくという方向性については、私も賛成なんですけれども、私がイメージするところの社会保障は、その高齢者関係経費だけでなく、子育て支援にかかわるような部分、未来の社会を担う人たちを救っていく部分も社会保障に加えていくべきだと思いますし、あと、障害福祉の分野というのもそういった意味では広い意味での社会保障に含まれるだろうと考えております。こうしたことについての議論が欠けたまま、消費税率だけの議論になるということを私としては恐れているところでございます。
○時事通信
　２点目は、そこと絡むんですけれども、どう地方の声を届けるか、その辺の戦略というのはありますか。
○知事
　幾つかあると思います。1つは、今回の集中検討会議の人選については、総理と官房長官にお任せいただきたいとわざわざ立ち上げのときに配られた紙に書いてあったとも伺っておりまして、その人選について、とやかくは言いにくい事情にはあるんですけれども、地方のことがよくわかった人をぜひ入れていただきたいという声を全国知事会や地方六団体としても官邸の場に届けるというのが1点だと思います。
　それと、我々地方の側も現在のこの6月までに一定の成案を得るという、かなりスピード感のある官邸の今の動きに対して、まずは地方としてまとまった声を出していくということも別途必要ではないかなと考えているところでございまして、麻生会長のほうでいろいろお考えになっておられると思いますけれども、できるだけ早い時期に、例えば、全国知事会議を招集するとか、地方六団体の中で何か議論をしていくとか、そういったことが求められていくのではなかろうかと思っております。
○時事通信
　1点確認です。ちょっと不勉強で申しわけないですけど、電通の成田さんとの関係をちょっともう少し。
○知事
　佐賀県のご出身の方でございまして、今でも佐賀県のいろんな県人会関係とか、いろんな佐賀県関係のネットワークの中核をなしておられる方でございます。社長をされ、会長をされ、最高顧問をされているかと思いますけれども、そういうお方でございます。