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アイコン 記者会見
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質疑応答:福島原子力発電所事故について
○西日本新聞
 今所感、認識を述べられたんですけど、追加して、玄海町の岸本町長は、今回の事故を受けて、「原発の安全神話が崩れたと思う」という所感を述べています。古川知事は安全神話が崩れたと思いますか。
○知事
 これまでと同じようにはいかないということだと思います。現行の法令の基準はクリアしているわけでありますけれども、その現行の基準がどうなのかというそのものに対しての疑問が投げかけられているわけでありまして、現時点で状況や原因がわからない段階では、神話が完全に崩れたとまで言えるかどうかわかりませんが、少なくともこれまでのようにはいかないということは申し上げられると思っています。
 原子力発電は国の厳格な規制と、それを理解し、了解していただける地元という存在があって初めて成り立つものだと考えています。今回のこの事故の状況を見ますと、少なくともこれまでのような形ではいかないということを私は感じています。
○西日本新聞
 済みません、もう1点。国に対して情報公開が今回まずかったと、もう少し、具体的にどんなふうにまずかったと思われますか。
○知事
 1つは、説明の仕方、タイミングというものがあると思います。例えば、原子力安全・保安院の方々のご説明というのは、専門家でありましたから、大変詳しく、そして専門的な観点からのお話をされているのだと思いますけれども、それを直接ごらんになっておられる国民の方々、県民の方々に対して、きちんと届くものになっていたのかどうかということや、数時間たってもわからないということの連続、こうしたことでは、なかなか理解をしてくれ、わかってくれというのは難しいだろうと思っています。
 原子力についての専門家が直接話をするということにも一定の意味はあると思いますけれども、その時点で、今国民や県民が何を求めているのかという観点から、どういったことをお知らせすべきなのかという点からの広報があってよかったのではないかと思っています。
 また、地元の福島県知事が、自分たちのところにすら情報が入ってこないということを何度となくおっしゃっておられました。先ほど来申し上げているように、地元の理解なくして立地なしであります。そうしたことを考えたときに、また、具体的な原子力防災対策を実行していくのは地元の自治体と立地県が中心になってまいります。こういったところに情報提供をきちんとしていただかなければ、適切な手段で対応していくことは大変難しいと思っています。こうしたことについても、現時点で大変課題が多いと考えています。
○共同通信
 県のほうで、今後防災計画を直ちに見直す予定はありますか。
○知事
 現時点では、まずは事態を収束させることと、なぜこのようなことになったのかという原因究明をしていただいた上で、防災計画の見直しというステップになっていくだろうと思います。まずは、現時点では何より、とにかく今の状況を収束に向かわせること、これが第1でありまして、それが終わったら、直ちにいろんなことを政府にも求め、我々としてもやっていかなければと思います。
○共同通信
 今回、最初半径10キロの住民を避難させて、その後20キロ、30キロを屋内退避を拡大していますね。その避難計画について、知事の評価はいかがですか。
○知事
 政府としては、現行の計画にかかわらず、とにかく被害を出さない、そして最小限に抑えるということを最優先して今回の判断をされたのだろうと思います。この判断がよかったのか、これで足りたのか、あるいはひょっとしてオーバーだったのか、それともこれでも足りなかったのかという検証は、今回の事故が収束した後に検証されていくべきことだろうと思っておりますが、私は今回の今の政府の判断として、とにかく被害を出さないために、現行の計画を超えてでも、そういう避難の距離を長くしたということについては、私は評価はできるのではないかと考えています。
○佐賀新聞
 きのう、市民団体の方がこういう事故を受けて、原子力政策そのものが、もう成り立たないんじゃないかという指摘のもと、玄海原発の停止というのを申し入れがあったと思いますけれども、現時点で知事はその考えについてどう思われるかというのと、今、定期検査中の3号機は4月上旬にも運転再開になると思いますけれども、その定期検査中の3号機については、延期を要請する考えがあるかないかをお聞かせください。
○知事
 まず、今回の事故で、原子力安全行政や原子力発電所そのものに対する信頼度というものは大きく損なわれたと考えます。私どもですら、本当にこれからどうなっていくのかということを考えながら、日々刻々と仕事を進めていかなければいけない状況です。それだけに、その原子力発電所にそもそも反対をしておられる市民団体の方だけでなく、一般の方々もそういう漠然とした不安を持っておられるということについては、私もひしひしと感じています。そうした住民の不安にこたえるのが我々の仕事だとも思っています。
 現時点で今後の原子力安全行政がどうあるべきなのかということについては、まだこうあるべき、こうでなければならないということを言えるような段階にはないと思っています。というのは、なぜ起こったのか、どうやったら起こらないようになるのかということについて、まだきちんとしたことを今申し上げられないからであります。それは一定の段階になっていけば、いろんなことがわかってくると思います。そのときに改めて、この原子力の保安行政や原子力発電所という存在、そして我々の社会がどういう形でこれからやっていくのかということについても議論がわき起こっていくだろうと思いますし、そうした議論も受けとめなければならないと思っています。
 ただ、原子力発電所を即時とめろというお話がありましたけれども、これを本当にとめてしまうと、それこそ今それほど量は限りがありますけれども、関東圏に送っている電源もとまってしまうことになります。九州電力は、40%を超える電源を原子力で賄っていますので、そうしたものをみんなとめてしまうということになるというのは、私は現実的ではないと考えております。
 でありますが、では、今後もずっとそうであっていいのかという投げかけというのは、それはやっぱり非常に重い投げかけとして、我々は今、受けとめなければならないのではないかというふうにも考えています。
 いずれにしても、今はこのことに対してきちんとしたお答えをすることについては、ちょっと待っていただきたいと思いますが、こうした声が出てきている、そして何よりみんなが安心して暮らせる日を一日も早く待ち望んでいるということに立って、私はこれからも引き続きこの原子力の問題、そしてまた、地震対応の問題についても対応していきたいと考えます。
○佐賀新聞
 もう1点、3号機定検中の延期を求めるかどうか。
○知事
 この3号機をどうするかという問題も、まさに原因究明というところもわかっていませんので、まずは、現時点については、認める、認めないではなくて、そういったことについて、まだ全く考えがいってないというか、そういう状況ではないと考えているということでございます。まずは、私どもとしては、一刻も早くこの事態を収拾させることに関係者は全力を注いでいただきたいと考えますし、私どももまず、そのことについて最大限の関心を払っていきたいと考えます。
○日経新聞
 今、知事さんのほうで、原因がはっきりわかってないので、今後の原子力政策、原子力行政をどういうふうにするかというのは、現時点ではなかなかお答えにくいということですけれども、現実問題として、恐らく、玄海とか唐津とか、地元の住民の方はやはり不安に思っていると思われますよね。玄海町は対策会議もすぐ開いて、そこに九電の方なんかも来られているわけですけれども、一般の方に対する説明というのはないわけですよね。
 先ほどおっしゃられたように、原因がわからないので、それがわかるまではなかなか説明しづらいということもわかりますけれども、例えば、そういう住民の不安にこたえるために、九電の方が自主的に、今、うちのシステムはこういうふうになっているとか、例えば、モニタリングポストはこういうふうなところにあって、この数値もこうやって見ることができますとか、必要最低限の説明というのはできると思いますけれども、その辺については、例えば、九州電力のほうに、そうした住民の説明会とか、そういう要請はされますか。
○知事
 まず、玄海町では、昨日、玄海町議会と特別委員会が行われました。そしてこの特別委員会の様子はケーブルテレビを通じて配信をされています。この問題に関心のある方は、まずそもそも議会に来られて傍聴されていた方もいらっしゃると思いますが、ケーブルテレビを通じて、この生のやりとりが伝えられていると思っていまして、地元の立地町である玄海町の町民の方々に対しては、議会としての考え方や、または町長さんの考え方、そして九州電力としての考え方についても一定伝わっているのではないかと思っております。
 それを今度は県レベルでやるのかどうかということについては、今後ちょっと考えていきたいと思っておりますが、私どもも九州電力に対して何かを求めるときには、なぜ起きたと思うのか、同じようなことが玄海原子力発電所で起きないのかというふうなことについては、どうしても尋ねたいという気が私はしております。そうしたことを考えたときに、全く材料がない中でやったほうがいいのか、それともそういう材料がない中であっても、とにかく今の玄海原子力発電所の防災体制の説明をするということだけでよいのか、そうしたことについては、ちょっとまたいろんな人の考え方も聞きながら、または地元とも話をしていきながら、考えていきたいと思います。決してやらないということを決めているというわけではございません。今のようなご意見も聞いた上で考えていきたいと思います。
○読売新聞
 先ほど知事は、これまでと同じようにはいかないというのを何かおっしゃられたんですが、それは何が同じようにいかないのか、ちょっと具体的に。
○知事
 つまり、私どもとしては、今回のようなこのような地震が起き、それによってこうした被害が起き、事故が起きるということは、この原子力安全行政の中ではイメージしてなかったわけですね。そうしたことが実際に起きているというこの現実を見たときに、本当にこれまでの政府の安全基準やいろんなものが本当にこのままでいいのかということについて、私は率直に言って本当に大丈夫なのかという気がします。
 それは本当に大丈夫なのかそうじゃないのかは、いましばらく検討を待たなくちゃいけないということもわかるんですが、これまでは日本の原子力安全行政というのは非常にレベルが高く、世界的にも私は最高水準のものが行われてきていたというふうに思いますし、今回のものをみていても、こうやってとまったのも、きちんとなっているのもいろいろあります。そういったことをわかりながらも、実際にこの福島第1のような状況を見ていると、本当にこのままでいいのだろうかということについては率直に、大丈夫かなという気持ちになっているんですよね。ですから、そこについては、やはりしっかりとした取り組みを国のほうにもお願いしたいと思います。
 これはあくまでも一般論として申し上げれば、玄海は非常に岩盤がかたいというふうにも言われていますし、いろいろな立地を決めていくときには、例えば、1700年代に発生した対馬沖における地震が発生したということも踏まえてつくっていっているわけでありますけれども、あのときはマグニチュード7だったわけですけれども、それとか最近発生したのでは、福岡県西方沖地震というのがありましたけれども、あれは40キロぐらい離れたところで、やはりマグニチュード7だったと思いますけれども、起きましたけれども、発電所においては震度は4だったということで、歴史的に大規模な地震がそれなりの頻度で起きている地域ではないというふうに思っております。思っておりますものの、本当にそれで大丈夫なのかということについては、やはり投げかけをしていかなければいけないと思っているということでございます。

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