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アイコン 記者会見
古川前知事の記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。

質疑応答:原発 その1
○NBC
 幹事社からまず1点、原発に関してなんですけれども、今日の午後の件を改めて知事の口からおっしゃっていただきたいんですが、国の説明をまず受けるに当たって、どういうところをポイントに伺いたいのかということと、それから、議会の日程など決まっているんですけれども、夏場の電力需用というところで、2号機、3号機の運転再開というところを可否といいますか、そういうところをどういうプロセスで判断するふうに考えていらっしゃるのかということと、海江田大臣との面会は今どんなふうにお考えなのかという、この3点を伺います。
○知事
 まず、今日の午後の保安院からの説明聴取でございますけれども、まずは聞いてみようということでございます。説明を聞きもしないのに、いい悪いの判断はできないと思っておりますので、まずは国が何をお考えになっておられるのか、そして、我々や県民の方の持っておられるさまざまな疑問に、私どもがいわばかわってお聞きをすると、そういうスタンスで臨んでいきたいと考えています。
 特に、聞きたいことは大きく3つあると思っています。
 1つが、今回行われた緊急安全対策で、玄海原子力発電所の安全性が本当に確保できるのかという点が1点です。
 あともう1つが、今回総理のご判断で浜岡はとめるという判断をされたわけですけれども、なぜ浜岡だけとめることにしたのか、改めて考え方をきちんと確認をしたいと思います。本当に確率論だけでそうされたのか、そのほかの発電所については本当に安全だという判断をされたのか。私自身疑問に思っていますのは、保安院は浜岡についても安全だという判断をしたわけでありまして、それに加えて政治判断が行われています。そのほかの発電所についてはそういう判断を行う必要がないのか、こうしたことについてもお尋ねをしてみたいと思っています。
 また、玄海の3号機はMOX燃料が装荷されています。これまでもMOX燃料を使った、いわゆるプルサーマルが行われてきましたけれども、今回の福島第一の3号機もMOX燃料を使ったプルサーマルが行われていました。今回の事故の中において、このMOX燃料を使った運転が行われていたということが何らかの影響を及ぼしたのかどうか、このMOX燃料を装荷したプルサーマルで再起動するということが本当に安全なのか、そういったことについてもお尋ねをしていきたいと思っています。
 このほか、今お話もございました、「今年の夏の電力需用について」についてもお尋ねをしたい気もありますけれども、ちょっと保安院なので、そこまで聞いて答えられるかどうかということについてはやや疑問もあります。限られた時間でもございますので、まずは、今日のところは安全に関することについて、私どもの疑問をぶつけるという形にしたいと思っています。
 今後の見通しというお話だったと思いますけれども、今後の見通しについては、まだ語る段階ではないだろうと思っております。今日の午後、まずお話を伺ってみて、どういうことをきちんとご説明いただけるのかということがありますし、議会でも国や九電を呼んで話を聞きたいということも計画されているやにも伺っております。そうしたいろんなことを重ねていく中で、どういうふうなことになっていくのかということだろうと思っておりまして、今の段階で再開に向けての道筋を作って、それに沿ってやっていくということにはまだ至っていないと考えています。
 そうした中、海江田大臣との面談についても、まだ具体的にいつ、佐賀県の知事として会うということについては、まだ考える段階ではないだろうと思っています。まずは徹底的に事務的なというか、しっかり詰めのできているところの確認をした上で、必要があれば大臣に面談をしていくということになっていこうかと思っております。
○朝日新聞
 関連して、今、まだ道筋を示す段階ではないということだったんですが、知事選挙以来、国からの説明をきちんと聞くんだということだったんですけれども、そういうふうに言うと、2号機、3号機の再開を判断するプロセスの、今日がスタートという位置づけになるんでしょうか。
○知事
 そうですね。国から正式に話を聞くのが今回が初めてということになりますので、まさにその出発点に立つということにはなると思います。
○朝日新聞
 その中で、ちょっと繰り返しになるんですが、ゴールデンウイーク中には国の確認結果が示されていると思うんですが、いろんな細かい部分、項目にわたって示していると思います。その中で特に疑問に思っていらっしゃるというか、そういうのは今のところないんですかね。
○知事
 まず一番疑問に思っているのは、本当に津波対策だけで十分なのかどうかということですね。基本的には、今回の緊急安全対策は、津波が来ても大丈夫ということでやられていると思うんですけれども、一部の報道では、津波ではなく、地震で損傷があったんではないかというふうな報道もなされています。こうしたことについて、保安院としてどう考えるのか、私の確認する限り、保安院としての正式な見解をちょっと確認することができていないと思っていますので、こうしたことについて、きちんと確認をしたいと思っています。
○朝日新聞
 幹事社からもう1点、昨日、玄海町で保安院と九電の説明、担当者を招いた特別委員会がありまして、その後の町長の会見の中で、県と九電と町で結んでいる安全協定の見直しの必要性を言及されています。特にこういう注目が集まっているような再起動、原子炉の再起動については、事前了解事項にすべきではないかと、町長自身は踏み込まれているんですが、この辺、知事のご見解を伺いたいんですけど。
○知事
 これについても検討すべき事項だろうと思います。議会のご議論も聞いていかなくてはいけないと思っておりますけれども、事実上は、今のこの時点は事前了解事項ではないものの、九州電力としても地元の了解を得てやりたいということを表明しておられますので、事前了解事項同様のことになっているとは思っておりますけれども、今回のことを踏まえて、こうした住民の代表である私どもや議会というものが一定の了解というプロセスを経るべき事項という位置づけをもっと広げていくべきではないかという議論は十分にあり得るだろうと私も思っております。それもどうしていくのかは玄海町とも話をしていって考えていきたいと思いますけれども、玄海町長のお考えについては、私も理解できるところでございます。
○朝日新聞
 常々知事は原発行政、安全行政については国がきちんとやるべきだというお考えを示していらっしゃいましたけれども、そういうときに、やっぱり県として判断を示さなきゃいけない、そういう判断を示す部署といいますか、セクションとして今の対策課で十分なのか。それとも、きのうの立地協ですかね、立地県が集まった協議会の中で話されているような自治体の横の連携が必要なのか、ちょっとその辺のお話を伺わせてください。
○知事
 国がしっかりと責任を果たしてもらわなければならないという基本論は変わるところはないと思います。国がいささかも逃げることがあってはならないと思います。ただ、地元としてある一定の判断なり、了解なりというのを示すときに、国の説明があったから、それでもうだから大丈夫だというレベルには今ちょっと至っていないと正直に言うと思っています。本当に大丈夫なのかどうかを県民の方々が、より本当に信頼できる判断という形で受けとめていただくためには、今まで以上に、よりチェックを厳しくしていくことが求められると私は思っております。県単独でやっていったほうがいいのか、あるいは今、岩田さんからお話があったように、その横の連携を使って、ネットワークを使って、いわば自治体版保安院みたいなものを作っていくほうがいいのか、これはそれぞれあると思っていまして、これらについてもまたほかの県の知事さんたちにも話をしていきたいと思っています。
○NHK
 発電再開のプロセスというお話が出ていたんですけれども、これから夏場、電力の供給が不足されることが懸念される中で、考えとして、例えば、夏までには判断したいとか、早目の判断ということも想定の中にあるのかどうか。
○知事
 夏場に非常に電力需要がピークを迎えることは、私も一般論としては承知をしておりますので、いたずらに延ばす気というのはありません。しかしながら、今回、2号機、3号機の再起動を考えるに当たって、例えば、安全性と必要性という2つの側面からの判断を求められることがあるとすると、まず今は安全性についての議論を行っている段階だろうと思っております。これをいつまでにしなければいけないから、その安全性の判断を即、今やらなくてはいけないということではなかろうと思っております。今、私は、私はずるずると遅らすということは考えておりませんが、夏があるから、とにかくそれに向けてやらなくてはいけないということではなく、まずは今日とにかくお話を初めて聞かせていただきますので、その上で安全性について丁寧に議論をし、話をお伺いし、また、そういうさまざまなことをやっていきながら判断をしていきたいと思っています。
 確かに、電力需要については、私も機会があれば、今度はエネルギーの供給に責任を持つ側の方のお話も聞いてみたいと思っています。例えば、今日もこの中で少しは出ると思いますけれども、浜岡の発電所を全部とめるという決断がなされたときに、中部の電力需要はどうなるのかという問いに対して、関西電力が融通をするという答えが返ってきていたかと思います。しかしながら、今、関西電力の電力供給の半分を占める原子力の発電所はすべて福井県にございますけれども、福井県も定検で幾つもの原子炉がとまったまま、再起動に向けての道筋はできておりません。しかも、西川知事は非常に厳しい態度で、現時点では再起動は認められないということをおっしゃっておられます。そういう中で、そもそも関西電力そのものが、管内の電力供給が十分にできるのかということが問われていくのではないかと思っています。
 そういう中で、本当に中部電力に対して、電力の融通ができるのかということについても今日も尋ねてみたいと思いますし、また今日でないとしても、そういう電力供給について、しっかりとしたことをお話ししていただける方から、こうしたことについてもお尋ねをしていく必要はあると思っています。

○NHK
 お考えとして、やはり佐賀県、九州の電力需要に、玄海の発電再開というのはやっぱり不可欠だとはお考えですか。
○知事
 そこもきちんと確認をしていかなくてはいけないと思います。そこは九州電力に対してお尋ねをしていくということだと思います。私は佐賀県の知事でありますが、佐賀県内の電力需要だけのことを考えれば、今動いている発電所だけで佐賀県内の需要はいわば賄えるんだろうと思います。これを2号機、3号機をもう一度立ち上げなくちゃいけない事情があるとしたら、それは九州全体にわたって電力を供給しなければならないということからの九州電力としてのご判断なんだろうというふうに思います。それが本当にそうしないとだめなのか、仮にしないとなるとどういうことが起きていくのか、こうしたことについてもまた機会を改めてお尋ねをしてみたいと思っています。

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