○読売新聞
　原発関係で2点伺います。
　条件がそろわない、判断できなくてもやむを得ないというところで、改めて今の時点で知事が考えられている条件とは何かというのが1点と、あと、議会が始まったらいろんな説明をしていかなければならない。どういったことを説明しなければならないと考えていらっしゃるのか、その2点をお願いします。
○知事
　まず、私どもが考えておりますのは、緊急安全対策で十分なのかというところにつきますので、前々から保安院に説明を求めてきた3点、これが最も中心的なところになってまいります。すなわち、津波対策だけで十分なのか、なぜ浜岡だけなのか、MOX燃料を使った影響はないのか、この3点についてであります。
　そして、この3点について、先日ご説明はいただきましたし、若干のやりとりはありましたけれども、いただいた資料を私どもなりに精査をし、あるいは専門家の意見なども聞くという形で我々の知見を高めていって議会に臨みたい。議会で質問なりなんなりがあったときには、先日説明のあった保安院の内容に対して、さらに説明や資料などを求めていくのか、あるいは一定の理解を示していくのか、そういったことについても、そういうやりとりの中で示していきたいと思っています。
○読売新聞
　関連でもう１点、津波ですけど、津波の前の地震で壊れたのではないかという議論がありますけれども、その点に関しては判断の中に入ってこないということですか。
○知事
　いやいや、ですから、津波じゃなくて、津波の前の地震で壊れたんではないかという指摘がありますよね。それに対してずっと我々は聞いているわけですよね、「そうじゃないですか」と。それに対して、前回は「いや、違いますよ」というだけの話で、今度来られたときには一定のデータをお示しになって、仮に、そのときにもう既に地震で壊れていたとしたら、こういう振る舞いとか、こういう数字であるはずのところ、そうなっていないところから見ても大丈夫じゃないかと思うとかいう、一定の具体的な説明があっているわけです。
　ですから、そういったものについて、我々として数字をもう一遍よく見直すとか、別の考え方がないのかということについて考えてみるとか、そういったことをしてみたいということです。
○ＳＴＳ
　原発の関連なんですけれども、今知事はすごく悩ましい判断を迫られていると思うんですが、現在の知事の心情といいますか、そちらをお伺いできないでしょうか。
○知事
　心情ね……、いや、本当に、プルサーマルのときも大変でしたけど、やっぱり今回のほうが大変だなと最近思うようになりましたね。もちろん、みんなが喜ぶことってないと思うんですよ。かといって、私の責任ある仕事ですから、自分の思いつきや気持ちだけで物事を判断するわけにもいかない、そういったところもあります。どういう結論をしても、どういう決断をしても、多くの人には褒められないことになることがわかっていることをやるのが、この仕事だと思っていますので──だけど、本当に非常に難しいなと思いますね。
　ただ、思うのは、私が悩んだり、大変だなと思っていることは、実際に今回の事故の原因となった地震とか津波とか原子力の関係で、被災されたり、避難しておられる方から比べれば、全然何てことない話なので、それはそういうもんだといつも自分に言い聞かせています。
○ＳＴＳ
　その上で、もう知事の心情の中に一定のお気持ちを持たれているのか、それとも全く、本当に今の時点で中立のあれなのか、その辺いかがでしょうか。
○知事
　予断を持って臨まないようにしています。どっちになるにしろ──どっちになるにしろという言い方は変なのかもしれませんけれども、どういう結論を出していくにせよ、100点満点はありませんから、その中でどういう、まずは何を決断するにしても、決断となる根拠になるものが必要だと思っていて、きちんと皆様に説明できるだけの確からしい根拠を今の時点では持ち合わせていないので、決断ができずにいるということであります。