改めまして皆様、明けましておめでとうございます。今年１年が、皆様にとって本当にいい年になることを心からお祈り申し上げます。
　今年は、新しい時代が始まっていく年になるだろうと思っております。その象徴として申し上げれば、今年は、世界の多くの国々でリーダーがかわることが予定されています。我が国の周りでも、韓国の大統領選挙、そしてまた中国の新しいリーダーの選出というものがございますし、一足早く北朝鮮でもリーダーがかわりました。ロシア、アメリカ、フランスなどなど、多くの国々でリーダーがかわるのかかわららないのか、そういう選挙も行われることになっておりますし、その意味で申し上げれば、今年は世界的に変革の可能性のある年になると思っております。
　また、昨年の東日本大震災を契機として、我が国においても新しいいろんな社会的なものが生み出される年になるだろうと思っております。
　再生可能エネルギーの具体的な買い取りに向けての基準も今年出てまいりますし、それをいち早く取り入れる形で、佐賀県は既に吉野ヶ里メガソーラーの建設準備に入っておりますけれども、十数社からこのメガソーラーに、ぜひ自分たちがやりたいという申し出が来ております。また、いくつかの市、町から自分のところでもぜひやりたいという声も挙がってきております。メガだけでなく事業所用の太陽光発電、あるいは住宅用、こうしたものも進められておりますし、また、こうしたものが一段と進む年になるであろうと思っております。
　一方で、それ以外のエネルギーのあり方についても、国のほうで、我が国のエネルギーを足元、そして将来的にどうしていくのかということが新しく決められる年にもなることと思います。
　また、佐賀県内のことで申し上げれば、１月１日、元日から暴力団の排除条例が施行されました。佐賀県は、この排除条例という形でこそありませんでしたけれども、暴力団に対する取引を制限する条例を全国でいち早く制定をしておりました。本格的な排除条例という形で全面改正をし、元日から施行をしてきているところでございます。私たち県庁も、そして県民の皆さんも、気づかないうちに暴力団に利益供与をすることになってしまっていたというケース、あるいはそうなることになりかねないというケースなどもあります。ぜひとも、そうしたことがあれば、また気づいたときに改めていく、あるいは警察などに相談をしていく、そのことが求められてくると思っております。
　このほか、今年は、福祉、医療の関係で申し上げれば、国際重粒子線がん治療センターと新しい県立病院、そのそれぞれが、建屋が大体完成をするという年になります。本格的なオープンは来年になりますけれども、大きな形が見えてくる年になってくるだろうと思いますし、子供の医療費の充実も、今年からスタートをすることになってまいります。
　また、国際関係で申し上げれば、昨年、瀋陽、香港、そして上海デスクと３つの海外拠点を設けましたが、香港の海外事務所のスタートのセレモニーが来週に行われます。また、これとあわせるような格好で、１月末から２月にかけては、友好交流協定の締結１周年を記念して、韓国・全羅南道（チョルラナムド）に県民訪問団を派遣いたしますし、５月からスタートをする全羅南道（チョルラナムド）の麗水（ヨス）市で開かれる国際万博には、佐賀県からも出展をします。そして、その期間中、数回でありますけれども、唐津と麗水（ヨス）との間にビートルが就航する予定になっております。こうした国際関係がより進化をし、そして成果を出していくのも今年であろうと思っておりますし、またそうしなければならないと思っております。
　昨年の３月に、高校生と大学生をそれぞれ海外に派遣をいたしましたが、そのうち、その派遣団の１人として参加をしていた佐賀大学の学生が、卒業を待たずして起業したという記事がお正月の紙面を飾っておりました。こうした形で、新しい時代にふさわしい、新しいチャレンジをする人たちを生み出してくる、そういう年にもしなければいけないと思っております。
　また、直接、くらしや経済とは関係ありませんが、全国的に見れば、今年「はやぶさ２」がいよいよ本格的にスタートをいたします。
　また、私自身の関心も含めて申し上げれば、今年は、スイスのジュネーブにあるセルンという国際研究機関で発見に向けての努力が続けられているヒッグス粒子の発見の年になるのではないかと思っております。これは、宇宙の創成期に、初めて質量が生まれたとき、いわば重さが生まれたとき、そのきっかけとなった存在でありまして、いよいよ、これもあと一歩で発見というところまできているのではないかと思っております。この世界をめぐっては、昨年は光より速いニュートリノがあったのではないかということも話題になりましたけれども、こうした、直接くらしや経済と関係ない事柄であっても、人類にとって意味のあるこうした取り組みに、我々としても関心を持ち続けていきたいと思いますし、こうした基礎科学に対する理解と関心が深まっていくことが、最終的には佐賀県と福岡県、そして日本政府一緒になって検討を進めております世界の最先端の研究施設、国際リニアコライダーの立地にもつながっていくのではないかと期待をしているところでございます。
　また、くらしや経済と関係ないという意味で申し上げれば、文化やスポーツというものもそうであるかもしれませんが、でも、こうしたものが、どれだけ多くの力や勇気を与えるのかということを昨年感じさせていただきました。サガン鳥栖のＪ１昇格という明るいニュースもございます。そして、佐賀県総合計画2011の中に、文化やスポーツを応援していくということも明記させていただきました。今年は、文化やスポーツにより力を入れていく、そのことを明らかにする年でありたいとも思っております。今年の秋には、全国障害者芸術・文化祭が佐賀県で開かれます。障害を持つ方の芸術活動や文化活動、こうしたことも含めて、文化、スポーツ活動として、これからしっかり支援をしていきたいと思っているところでございます。
　大きな時代が新しく始まる、その象徴となる年となり、いいことが積み重なる年になることを心から祈念して、冒頭の私のごあいさつとさせていただきます。
　終わります。