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アイコン 記者会見
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質疑応答:平成24年度当初予算案

○西日本新聞
 まず今回、当初予算編成に当たってどこに気を配られたのか、その苦労した点と、編成を終えての感想をお聞かせください。
○知事
 1つ苦労したことを象徴的に申し上げればというか、象徴的でもなくて具体的なんですけど、核燃料税をどうするかというのはちょっと悩みました。予算の歳入というのは確実なものを見込むということになっていますので、確実かと聞かれれば確実とは言えないので外さざるを得ないわけでございますけれども、とすると核燃料税を使って、どの事業にぴたっと当たっているという整理はできないんですけれども、これまでやってきた事業はそのままにしておくということは、すなわち核燃料税が入らない分だけ貯金の取り崩しを行わなければいけないということになってまいります。それはそういう判断をして今回の予算編成をしているわけでございますけれども、悩んだところはそこが一番大きかったかなと思っております。 
 ただ、悩んだ点ではなくて、よかった点ということで申し上げれば、交付税を含む一般財源総額がきっちり確保されたということでございます。いわゆる三位一体の改革などで相当交付税が切り刻まれました。その結果を私どもだけでなく、地方自治体は大変な苦労があったわけでございますけれども、今の財政の中期展望の中では、地方にとって必要な一般財源総額を確保するという方針が示されております。その意味では、そういう示されている中での予算編成ということについてはありがたいと思っておりますし、こうした枠組みを作っていただいていることについては、政府に感謝をしなければいけないと思っています。
○西日本新聞
 核燃料税の税収を外したということで、一般の普通の家計とかで考えると、収入が減る分歳出を抑えるというのも選択肢として十分あり得ると思うんですけれども、今回、歳出抑制というのはせずに、基金から取り崩して補充したという形になっていますけれども、そこら辺の考え方、歳出抑制をしなかったという点の考え方を教えてください。
○知事
 これからずっと入らないことがわかっていれば歳出抑制をしなければいけないと思います。ただ、いつ入るようになるのかがわからないということがあるのと、あと、いずれにしても、1年後、2年後には今の核燃料税の見直しの時期が必ずやってきます。そのときにどうするのかということを考えるきっかけは生まれるわけでございまして、いずれにしても、今年、この予算を組む段階で事業そのものをぐっとやめなければいけないという事情にはないだろうと判断したからでございます。仮にこれがこれからずっと続くということであれば、当然歳出の抑制をしなければならなかったと思っています。
○西日本新聞
 また新年度から総額調整ルールに基づいて投資的経費も大分増えて、それに伴って県債の発行額も増えていると。結果として、県債残高というのも過去最高を更新することになっているんですけれども、その辺についてはどういうふうに思われているでしょうか。
○知事
 県債の発行が増えていることそのものについては、全く悪いということではないと思います。後世に残す社会資本を作っているわけですから、それを便益を受ける後世の人も一部は負担していただくということそのものはおかしくないと思うんですけれども、やっぱり気になるのは、国でいえば建設公債じゃなくて赤字国債のほうでございまして、私どもとしても、本来、交付税として現金でいただかなくちゃいけない部分を借金という形で後でいただくみたいな話になっているわけでございまして、そうしたものが自治体の発行残高や発行額が増える原因になっていると思っています。これについては、本来のお話からいえば、できるだけ速やかに減らす、あるいはなくしていただくのが望ましいと考えています。
 総額調整ルールそのものについては、前回のものよりも社会資本整備の総額そのものを減らしておりますので、そこだけを見れば、それは県財政から見たときに厳しい要素になっているとは考えておりません。
○西日本新聞
 議案のほうなんですけれども、海砂の採取の関係で調停のほうを受け入れるというような案を出されるということですけれども、そこの考え方を教えてください。
○知事
 この海砂の調停案については、私どもとしては、まず一定の評価というものをしております。それはなぜかというと、そもそもこの海砂についての調停をお願いした理由は大きく2つございました。
 1点が、そもそも長崎県と佐賀県の間のこの区域についての境界は決まっていないということをきちんと認めてほしい。長崎県側は、もう既にこれについては決着はついていて争いはないんだということをおっしゃっておられましたので、いや、それは違うということを認めていただきたいというのが1つ目でございました。
 2つ目は、そうやって境界が決まっていないのであれば、決めるときには一般的な決め方である等距離ラインというもので決まっていくんですよねと、そのことも確認をしていただきたい、この大きく2点でございました。
 今回出された調停案では、まず1点目の境界はまだ決まっていないということについては明確に決まっていないというふうに言っていただいております。その意味では、私どもが今回調停を申し立てた趣旨というか、一番まず確認したかったことについてはクリアできたと考えております。本来であれば、その次に等距離ラインで決めるべきということでラインを引いていただければよかったんですが、そこはこれまでの経緯などもあって、等距離ラインというものを基本としながらも、ここしばらくは長崎県の主張を認めるということになりました。
 残念な要素もございますが、それは調停という性質からして、どっちかの言うことを100%聞くというわけにはいかなかったんだろうと思います。現状そのものをある程度認めながらも、でも、本来的なありようとしては等距離ラインだということをこの調停の中に書き込んでいただいたということで、私どもとして調停に持ち込んだ、いわば最低ラインというものはクリアできたんではないか、こう考えまして、今回受託をすることといたしました。
○STS
 核燃料税の点で1点だけ確認なんですが、先ほど見直しのお話がありましたけれども、以前は検討中ということでしたけれども、その後、何か議論の進展などあれば教えてください。
○知事
 それについては、まだ現段階ではございません。鋭意、ほかの県でもいろんなことを言っているみたいですので、引き続き情報収集をしていきます。
○NHK
 今回の予算編成に当たって、知事のほうでキャッチフレーズ的なもの、そういったものは何かお考えの部分があったんでしょうか。何とか型とか。
○知事
 『新しき世に佐賀あり。』なので、私としては、かなりやりたいことというのを盛り込んだ意欲的な予算になっていると思っています。いい名前を思いついていないんですけど、いや、一歩を踏み出したと言いましたけど、実は一歩ではないつもりなんですよね。ちょっと遠慮がちに一歩と言いましたけど。
 というのは、基本的にこの計画に基づく予算って3回しかないんですよね。3回しかないのに、1回目の予算で一歩しか歩んでいなかったら3歩しか進まないということなので、私の気持ちとしては、今回の予算で、今の任期中にやりたいことの気持ちの上では半分ぐらいはここに出したという気持ちなんですね。だから、「大きな一歩予算」というか、一歩は一歩かもしれないけど、大きな一歩を踏み出したつもりであるということでございます。
○NHK
 まず具体的にはどの辺に思いを込められたかというのは。
○知事
 例えば、一つ言えば、多分ドクターヘリなんかもそうですし、あと、青少年の交流もそうでありますし、クリークもそうだと言えばそうでありますし、かなりマニフェストや総合計画の中でこれはやるぞと決めた事項については、ことごとくというか、かなり出してきていると思います。
 また、象徴的な事柄で申し上げれば、文化・スポーツ、今までこういったものに僕は多分項目を立てて、今回は部を作ろうということで条例を上げるわけですけれども、こうしたものにぐっと我々の力の入れ方というものがシフトしてきているという意味では新しさがあるんではなかろうかと思っています。
 それと、二、三年前のイメージで見ていただくと、恐らく国際化と文化・スポーツ、人材育成みたいなやつがこれだけ大きくいろいろ出てくるというのはなかったように思います。その当時は産業、雇用とかのほうがむしろ多かったんじゃないかなと思うんですけれども、かなり方向性がそこで出てきているんではないかなと思います。
○NHK
 あともう1点、さっきもちょっと話があったんですが、県債の残高が過去最高を更新するということで、佐賀県政の財政状況ですね、どんなふうに認識されていって、財政再建については現状でどんなお考えをお持ちかというのをちょっとお聞かせ願えますか。
○知事
 わかりました。佐賀県の財政は比較的、比較的という意味は、47都道府県の中で見たときにという意味ですけれども、税収の割合そのものは非常に低い県ではあるんですけれども、それと、借金の残高との割合みたいなものから言うと健全な部類だと思っております。
 確かに今回、県債の残高が最高を示しておりますけれども、それでも全国で──今はわからないね。去年、一番最近の決算指標で言うと、全国何位ぐらいだったっけ。(「今で言うと、将来負担比率で言えば、全国4位」)いいほうから、だから、今発表しているのは決算の数値しかありませんけど、22年度決算で全国でいいほうから4位という感じなんですね。いいほうというのは、入ってくる税金に対して借金の量がどれぐらいあるかという比率と思ってください。ですから、そういったことを考えると、私どものところというのはそんなに無理して予算編成をしてこなかったので、まだいいほうだと思っています。ただ、だから何してもいいんだということにはもちろんなりません。基本的には、歳入に対して必要な財源が足りないという収支不足の構造はずっと続いていますから、そこは気にしておかなければいけませんし、先ほどもわざわざ申し上げたように、ちょっと最初の、今のここでこの歳出の主な増減額を出していただけますか。この社会保障費の増が28億円あるんですね。これは制度改正があった分もあるんですけれども、大体毎年15億円から20億円は増えていくということがわかっているわけですね。これは残念なことに当たってしまうんですよ。ということを考えると、今年組めたからいい、来年組めるからいいということではなくて、常に歳入の増と歳出の減、そういったことを頭に入れていないと、いつでも非常に厳しい財政状況になってしまうという認識はございます。
 ただ、これから必要なこととしては、今、記者さんからありましたように、我々の財政状態というものを我々自身だけが判断するんじゃなくて、より客観的に、例えば、外部の機関投資家から見たときに、佐賀県の財政状況等がどうなっているのかということをきちんと判断していただきやすいように、そういう客観的な評価というものをどう我々として受けるようにするのか、こうしたことについても今回を機会に考えていかなくてはいけないと思っています。具体的に言えば、いつかは市場公募債にならなくちゃいけないわけでありまして、今の時点で市場公募債にすることを決めているわけではございませんけれども、こうしたことも勉強もしていかなくてはいけないということでございます。
○朝日新聞
 確認というわけではないんですけれども、先ほど核燃料税の話の中で、ずっと続くようであれば出すのを押さえたけどというふうな話をされましたけど、その重要なのは、いずれ当然再稼働するだろうということと、もし再稼働しなくても、条例なり見直しの時期に動いていないものでとれるように変えればいいという両にらみというご認識でいいのかというのが1点と、もう1点、それと、先ほど今年度は減った分を調整基金から繰り入れたということなんですが、去年の秋に財政の計画を作っていらっしゃいますけれども、あれはやっぱり年度年度で核燃料税が入ってくるということを前提に作られていますし、今いただいた資料だと、社会保障の関連経費も少し計画よりも増えているかなという気がするんですが、この辺の見直しというのは現状……。
○知事
 平成24年度の当初予算を組む段階においては、今作っている行財政運営計画を直ちに見直さなければいけない状況ではないだろうと思っています。それは1番目の質問に対する答えになるんですけれども、まず再稼働するだろう、しないだろうということとは別にして、今年、24年度はまず見込まずに予算編成をするということで、24年度中に入らなくても、それは見込み違いにはならないわけですね。じゃ、25年度にどうなるのかということについては、ちょっとそこでは今見通しをすることができないと考えています。ただ、25年度を過ぎれば、今度はじゃ新しいというか、核燃料税の期間が切れますので、どうしていくのかということについて議論をすることになり、その際には、福井県方式みたいなことも議論をしていくことになると、歳入の金額の確保という意味においては、その財源の一定の確保というものはできるようになるかもしれない。そうしたことがあるので、恒久的な減税をやるとか、そうした制度があったときとは対応が違っているということでございます。
○読売新聞
 最後によろしいですか。
 全然ちょっと予算の話とは違うんですが、新しい部ができると思うんですけれども、そのねらいと思いをひとつ伺えればと思います。
○知事
 わかりました。文化・スポーツ部というものを作りたいと考えております。そして、ここにおいては、これまで知事部局と教育委員会に分かれていたものを一つ、知事部局にまとめます。そして、今まで教育委員会では生涯スポーツとか体育の一環みたいな感じで競技力向上をやっていたわけです。知事部局では、アスリート支援とかプロスポーツ、あるいは高齢者・障害者のスポーツ、こういったものをやっていました。また、文化については、生涯学習を教育委員会で、図書館とか博物館も含めてやって、知事部局のほうでは世界遺産とか、あと高齢者、障害者の文化、フィルムコミッション、こうしたものをやっていました。
 こうしたものを今回1つのものにまとめることによって、まずやりたいことというのは、多くの人が文化やスポーツを楽しむ風土や土壌というものを作っていきたいということを考えています。そして、ベースが広くなればなるほど、高みも高くなっていくだろうと考えておりまして、こうしたトップアスリートといいますか、そういったものやプロスポーツについても支援をしていきたいと考えておりますし、文化についても県民が広く文化を楽しむ風土、それと世界最高とか日本で最高のいろんな文化の催事とか、そういったものができるようにしていきたいと思っております。
 こうしたものをやっていきたい背景としては、1つは、この生涯学習という言葉にもあるように、非常に生きる時間が長くなってきて、仕事が終わった後に何をするのかということが本格的に問われてきている、あるいはワーク・ライフ・バランスという言葉にもあるように、働きながらもどんなふうにして人生を楽しむかということが問われている。私どもの意識としては、こうした文化やスポーツに楽しんでいただくことによって、地域のコミュニティーの輪が広がっていくだろうということも期待していますし、特に高齢者の方の場合には、こうした体を動かすということによって、介護予防だとか、元気であり続けるということにもつながるんではないかと思っています。これまで、教育とか学校といった枠があったものを、県民だれもが非常に楽しめる環境にしたい、その気持ちで、今回文化・スポーツ部を作ることといたしました。

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