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質疑応答:諫早湾干拓事業関連
○西日本新聞
 諫干問題について2点。
 長崎県側が、国がアセスの評価書をまとめることについて、まだその段階ではないのではないかという要請書を提出しましたが、これについて古川知事のお考えをお尋ねしたいというのが1点と、もう1つは、先日の郡司大臣との意見交換で、訴訟の原告・弁護団側から佐賀県側が求めている5月どころか12月ですら危ういのではないかというような意見が上がりました。この調査の実現可能性と実現の時期について、知事のお考えをお聞かせください。
○知事
 まず、長崎県が出した意見についてでございますけれども、長崎県としては、県としては絶対認められないという立場を強く今も維持しておられますので、そういう立場を持ちながらも、もう農水省側がこれ開門を実行するという姿勢を示していないことに対する気持ちのあらわれだと思っております。
 長崎県側の方々のお気持ちというものは私も一定わかるところではございますけれども、私はこの開門というのは有明海の再生につながるものだと考えておりますし、その周りにお住まいの方々の生活や仕事を守っていきながら開門するということは十分可能だと思っているところでございます。
 先般、郡司大臣が来られたことについては、かつては長崎県は農水大臣は来るなという態度を極めて強くお持ちでございました。今回は、郡司大臣に対して来るなではなく来て話をされましたし、時間は延びたようでございますけれども、さらに今回では十分じゃなかったからまた話をしようということをおっしゃっていたやにも伺っております。
 こうしたことを見ますと、基本的な姿勢はもちろん譲ることができないだろうと思いますけれども、とにかく話し合いをしていこうという姿勢の萌芽は見えつつあるのではないかと思っているところでございます。
 長崎県側の方々の気持ちは十分に農水省の方も酌んでおられますし、私どももそういうことの理解をしなくてはいけないとは思っておりますけれども、この裁判で義務づけられた開門の実現に向けて、私どももいろんな努力をしますけれども、ぜひ農水省としてもしっかりぶれずに進めていただきたいと思います。
 それと、本当に開くのかという原告・弁護団とのやりとりの中で出た議論については、私も有明海沿岸にお住まいの方とお話をすると、「知事さん、ほんなごて開くとね」という話がよく出ます。「いや、それは開くさい。それは裁判上開けんばいかんごてなっとっけん」と言っておりますけれども、その道筋がなかなか見えないことに対する漁業者の方々の不安と不満のあらわれだと思っております。
 今回、これまで佐賀県に来られた歴代の大臣がおっしゃらなかった開門するという言葉を郡司大臣がおっしゃっていただいたということは、その意味では私は大きな意味があったと思っております。これまでの大臣は開門という裁判上の義務を負っていることについては理解をしており、その義務を果たすべく全力で取り組んでいるとか、そういった話はございましたけれども、とにかく開けるからというシンプルなお答えはございませんでした。その意味で、とにかくちゃんと開けるからというふうに言っていただいたのは、私どもとしてもよかったと思っております。
 で、5月については厳しいということも大臣はおっしゃいました。私どもはノリの漁期を外してほしいということで5月という旗を今おろすということはございませんけれども、日1日と時間がたっておりますから、いろんな意味で厳しい状況になってきつつあるということは私どもも理解をしております。
 ただ、いずれにしても、とにかく時期についてはまた連絡協議会で話をした上で、場合によってはもうノリの漁期、5月という時期じゃなくてもしようがないという話もあるかもしれませんけれども、とにかく開けるということを獲得するということについて、我々としてはしっかりそれが得られるように改めてしていきたいと思っているところでございます。
 私は国がこれだけの決意と覚悟を持っているということ、また、今回新たな国の決意を感じましたのは、これまでボーリングをして井戸を掘って水を確保するとおっしゃっていた農水省が、そのほかの水源の確保方策についても検討の余地があるというお話をされたことでございました。非常に抵抗の強いこうした深井戸を掘るということにこだわるのではなく、何とかほかのやり方でも水を確保するということをしていかなければならないということを農水省がお考えになっていただいているのだとすれば、それは開門に向けてプラスになっているのではないかと思っているところでございます。
○佐賀新聞
 今の諫干に関連してなんですけれども、どうしても開門というのを得るために、今、大臣のほうは制限開門を基本に進められていると思うんですけれども、長崎の理解を得るために、そこしかだめだということになれば、佐賀県としてもやむを得ないという立場が考えられるかどうかというのをお聞きします。
○知事
 現時点では、まだそこまではいけないと思っております。というのは、スタートを制限開門でというのはやむなしとしながらも、最終的には全開門を求めていくということを佐賀県内の関係者でつくります連絡協議会で確認して、その旗印のもとに我々は動いておりますので、まずは制限開門でということについては一定の理解をするものの、最終的にはできるだけ流入量を、動く量を増やしていくことが諫早湾の堤防の存在が有明海の環境にとってどれだけの影響があるのかということを知る上で必要だと、必須だと思っておりますので、その意味では最終的に全開門をしてほしいという立場は変わっておりません。
 農水省はこれまでも開門方法については佐賀県と話し合いを行いながらやっていくということをたび重ねておっしゃっておられますので、これから持っていただくであろう、そういう佐賀県と農林水産省との話し合いの中で佐賀県としての意見については主張をしていきたいと思っております。
○共同通信
 似た質問になってしまうんですけれども、前の郡司大臣が来た後の囲みでもおっしゃっていたんですけれども、ただ、それをぎりぎり求めると本当に開かないんではないか、あるいはさっきもおっしゃったように、5月の開門、そうでない5月以降でも関係者は対応すると、やはり長崎県の強硬な態度を見て、一転知事としても開門自体を実現するために、ある程度現実路線というか、柔軟に対応する路線にやや時間が経過することで変わってきたのかなという印象を受けているんですけれども、そのあたりはどうでしょうか。
○知事
 国が必ず開門するという強い意思を向こうが持っていれば、そのことが確認できれば、こちらも100%我々の意見、主張が受け入れられなくても、いろんな意味で妥協していく余地が、違う意見を受け入れる余地はあると思っております。ただ、国がしっかりやるということが確認できない中で、こっちだけがずるずると意見を下げていくということはあり得ないと思っているところでございます。
 ただ、いずれにしても、とにかく私どもは開門を実現しなければなりません。正しい意見を言い続けたけれども、結局話し合いがまとまらずに開門できなかったということでは困ると思っています。とにかく最初は不満な方法であっても開けて、それを次にどうつなげていくかということも、場合によってはそういったことを考えなければならないタイミングも来る可能性はあると思っております。

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