○佐賀新聞
　あと原発関係で２問、原子力規制委員会が新たな新安全基準をある程度案という形で了承したかと思いますが、それについての知事の受けとめというのを１点、もう１点は、大飯原発の再稼働の差し止め請求に関しての司法判断を示されたわけですけれども、その受けとめを合わせて２点お願いします。
○知事
　まず、新たな規制基準についてのお尋ねですが、この設計基準の見直しを初めとして、今回の福島第一の事故を踏まえた多くの見直しの内容が盛り込まれたものになっていると思っています。専門的な観点からのさまざまな知見をもとにつくられたものだと思っておりまして、短時間ではありますけれども、よくここまでまとめられたなと思っております。ただ、そうは言いましても、まだ詳細な点がわかっていないというところもございますので、例えば、緊急時の対策なんかが既存のもので代用できるのかどうかとか、そういった、より詳細な実務に近いところのものがわかってくると思いますので、そういったところもしっかりこれから見ていきたいと思っています。
　それと、大飯の差し止め請求に対する裁判所の判断については、これはまだ判断が出たばかりでございますし、いずれにしても、こういう発電所を動かす動かさないということについてはさまざまな形で司法の判断というものが出てくるだろうと思っております。それはそれで、私どもとしては、直接動かせとか動かすなという立場にはありませんが、いろんな訴訟の様子については注視をしていきたいと思っています。
○読売新聞
　関連ですが、改めて伺うということになると思うんですけれども、知事のお考えとして、原発の防災計画、これがきちんと固まらない限りは、やはり再稼働の判断する場面にはならないというお考えでしょうか。それとも同時並行、もしくは切り離してお考えになることになるのか、ちょっと御所見を伺いたいと思います。
○知事
　防災計画というのは、県の防災計画のことですよね。
○読売新聞
　そうですね、今、地域防災計画の修正がいろいろ進んでいると思うんですよね、新しい基準に基づいてですね。それで、知事は避難経路とか、非常に詳細が煮詰まってからでないと玄海原発に関して再稼働のことを考える場面にならないとお考えなのか、それとも、それとはまた別のお話とお考えなのか、そこを伺いたいんですけれども。
○知事
　国のほうから示された３月までに県として防災計画をつくってほしいということについては、先般できましたので、その意味では、国に対する要請は確保でき ていると思っております。また、関係の市町においても必要な措置がとられていると思っておりまして、現時点で地域防災計画ができていないから動かすべきで ない、あるいは動かせという話ではないと思っております。そもそも今も、例えば、福島第一はとまっていますけれども、とまっている中でも、それをきちんと 制御していくための工夫がいろいろとられているように、とまっていようが動いていようが、原子力発電所というものが存在しているということでとられなけれ ばならない対策というのはあるわけですね。ですから、再稼働というか、動いているから何かやらなくちゃいけないとか、動かなければしなくていいというもの ではないと思っておりますので、それは玄海原子力発電所というものがあるということによって、あらかじめ一定の措置を関係の自治体はとらなければいけない ということが示されていると思っておりますので、これも確認になりますけど、お答えをもう一度すれば、国から求められている県の防災計画の修正というのは 今の段階ではできていると思っています。ただ、それが不磨の大典ではありませんから、いろんな気づきがある、もっと細かなところを決めていったほうがいい となっていけば、それは改定をしていくことはどんどんやっていかなくちゃいけないと思っています。
○読売新聞
　すみません、ちょっと言葉足らずだったんですけれども、福岡とか長崎との広域の避難体制というのは、今、ちょっと３県でお話し合いをされていると思うん ですが、その結論がまだ出ていなくて、安全というよりも住民の安心の部分にかかってくることだと思うんですけれども、そういう意味では今、協議中ではあっ ても、例えば、再稼動の議論が煮詰まってきたときに、広域の避難体制がきちんと固まっていなくても判断できるというふうにお考えでしょうか。
○知事
　現実の問題から言うと、１つは、まず３県での話し合いを進めていっておりまして、それこそそんなに時間はかからないだろうと思っているものですから、そ の３県での協議がまとまるタイミングと玄海原子力発電所の再稼動を現実のものとして議論しなければならないタイミングというのを見たときに、私はまとまっ ているのが先だろうと思っております。それが仮に逆になったときにどうだという御質問なんだろうと思いますけれども、今はそういう状況ではないので、私ど もとしてはそれがないからできないのか、それともなくてもできるのかということについて、正直申し上げれば、そこを今考えているわけではございません。

>>原発関連　その２