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記者会見
古川前知事の記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。
 
※政治活動についての発言部分は、除いています。
※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。

発表項目:有田焼創業400年事業「佐賀県プラン」を策定しました

 まず最初に、有田焼創業400年事業の「佐賀県プラン」を策定しました。
 改めてになりますが、2016年に、有田焼は創業400年を迎えます。日本における磁器の発祥の地でもありますし、佐賀県を代表する地場産業でもあります。この400年を機にして、次の100年に向けた新しい取り組みをスタートさせます。この2016年までの4年間をかけてやっていくさまざまな事柄を、大きな方向性をこのプランの中にまとめました。
 基本的な考え方としては、「All Japan」、「World Wide」ということをキーワードにします。有田焼にイノベーションを起こす、そして、有田焼をリブランディング(再評価)していく、そして、世界で活躍する人材の集積と育成を図っていく、大きな3つの柱で行っていきます。
 この有田焼というものを通じて、「SAGAブランドの確立」、あるいは「佐賀県のプレゼンスの向上」というものに役立てたいと考えています。
 目指すべき姿を仮の名前ですが、「有田焼ルネッサンス。」としています。まさに生まれ変わるということで、これから行っていく欧州を初めとするさまざまな地域への輸出のためには、いろんな新しい仕掛けや流通的な会社なども必要になっていくかもしれません。かつては、400年前にはVOC、オランダ東インド会社というのがあって、それが欧州に向けて輸出を行っていたわけですけれども、いわば新たなVOCをつくっていく、そうしたことも求められると思います。
 また、幕末期にはパリの万博に有田焼が出品されて非常に高い評価を得ました。このようにして、パリの万博に出たということをもう一遍思い起こして、フランスやイタリアなどの見本市に出していくということも考えたいと思っていますし、また、かつて「有田焼7人の侍」と呼ばれた人たちが、有田焼の中興の祖になったように、人材育成もしていきたいと考えています。
 こうしたことを行っていくために、まず、欧州での有田焼のリブランディングを行っていきます。現在、欧州地域、ヨーロッパ地域に向けての有田焼の輸出の実績はほぼゼロと言ってもいいぐらいでございます。かつては、有田焼は、これをとにかくまねしたいと思うヨーロッパの王侯貴族たちがたくさんいたほどの憧れでありました。ところが今は、そのような輝きを失ってきています。もう一度、現代の欧州の人たちに評価されるということを目指して、リブランディングをやっていきます。
 そして、欧州で再評価されたということをもとにして、アジアと国内のアッパークラスの購買層に訴求をしていきます。そうすることによって、世界規模での新たな市場を開拓したいと思っています。
 そうするための事業体系は、市場をつくっていくこと、産業基盤を整備すること、情報発信、この3つになろうかと思います。そして、それぞれにやらなければいけない事柄をぶら下げています。
 成果指標としては、現在、伊万里・有田焼、こういう名前で統計がとられておりますので、こういう統計になりますが、輸出額が、現状では大体5,000万円ぐらい。それを、2016年には2億円、2020年には5億円にしたいと思っています。
 産地全体の売上高も、毎年残念なことにかなり落ち込んできております。現状が46.8億円、2016年には、それを何とか反転させて48億円程度にし、2020年には54億円ぐらいにしていきたいと考えています。
 基本的に、長期にわたって下がっていく傾向にありますので、それをとめるだけでも大変で、それをさらに上向かせるというのは相当の努力が必要になっていますけれども、そこはあえて、この意欲的な目標とさせていただきました。
 そして、具体的な話として、市場開拓を行っていくということで、大きく3点やっていきたいと思っています。
 1つが、先ほど来申し上げているような、欧州でのリブランディング。そのために、国際見本市に出展をしていくこと。これは、1回出ただけではだめということでありまして、やはり3年ぐらいは続けてやらないとだめだよと言われています。そうしたことをやっていきたい。
 また、高級なフレンチレストランなどで、有田焼が実際に使われているということを、まず、実績をつくり上げて、そうしたことをきっかけにしたリブランディングを進めていきたいと思っておりますし、こうしたことに敏感な人たちにどういう形で情報を届けていったらいいのかということを常に考えていきたいと思っています。
 また、新たな市場の開拓ということで、器ですから、食とのコラボというのは欠かせません。こうした有田焼の周りにいらっしゃるさまざまな産業の方々と一緒になって、有田焼に関する需要の喚起、拡大に取り組みたいと思っています。
 また、先ほども申し上げましたが、国内外において新たな市場を開拓していくためには、そのために必要な流通の仕組みを設ける必要が出てくるのではないかとも思っています。
 次は、産業基盤整備です。
 この「人材集積・育成」の一つのポイントが、海外のクリエーターが集積する「プラットフォーム」であります。現在、既に、伝統的な有田焼ではなく、コンテンポラリーな現代的な有田焼というものが欧州で既に高い評価を得ていますが、それは、デザインをしたのはオランダ人のデザイナーでした。こうした形で、有田の持っている技術と、そういう欧州の優れたデザイナーがコラボレーションすることによって、新しい世界商品を生んでいくことができるのではないかと思っておりまして、そのためにも、この海外のクリエーターたちが有田に集積するプラットフォームをつくっていかなくてはいけないと思っています。
 また、ほかの国の磁器に比べて有田焼を選んでいただくためには、その裏打ちされた技術が必要になっていきます。その技術開発、そしてさらには、そういう海外とのデザイナーなどとのコラボレーションによるデザイン力の向上に取り組んでいきます。
 そして、一方で、「伝統的な技術の継承・磨き上げ」も行っていかなければなりません。この400年の歴史を振りかえるとともに、次の歴史に向けて伝統技術の継承と磨き上げをどうやったらいけるのかということも合わせて行ってまいります。
 そして、3番目が「情報発信」です。
 国内外への情報発信ということでありますけれども、この有田焼のリブランディング(再評価)をしていく中で、非常に新しいもの、格好いいもの、すてきなもの、使い勝手がいいものということで有田焼を売っていくわけでありますけれども、何より必要なのは、有田焼、物そのものではなく、有田焼という物語を発信していかなければ、手に取っていただく、あるいは御購入をいただくことができないだろうということであります。この物語をどう発信していくかということが、大きく問われるだろうと思っています。
 私たちは、有田焼を当たり前のように知っていますけれども、日本の国内におられても有田焼のことをご存じない方が圧倒的に多いという事実をしっかり踏まえるべきだろうと思っておりますし、ましてや、外国の方は全くご存じないと言っても過言ではないと思います。これは、相当大変な作業になっていきますし、ここがどれだけできるかということで成功が左右されるものだと思っています。
 同じくそれと関連しますけれども、この焼き物文化そのものというものも発信していきたいと考えています。
 これを行っていくために、「佐賀県有田焼創業400年事業実行委員会(仮称)」でございますけれども、これを設立してまいります。関係の市町、そして関係団体と一緒になって行ってまいります。
 かつてのように世界の有田焼というものが実現されるように、関係者一丸となって取り組んでまいります。

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