まず最初に、佐賀県立美術館の特別展として、この９月から岡田三郎助の特別展を行います。題して「エレガンス・オブ・ニッポン」です。
　会期は、９月19日から11月16日までの約二月間です。県立美術館の１、２、３、４、５展示室を全て使って行います。観覧料は1,000円と、割引観覧料は800円、メール会員などは割引観覧料でごらんいただけます。
　ということで、これまでになかったような岡田三郎助の全貌を明らかにするような傑作、名作の展示を行います。
　洋画のほか、日本画、パステル画、デッサン、版画、そして、岡田は当時には珍しいさまざまなものの収集家でもございました。小袖という着物や裂、短刀などの工芸品などを集めまして、約200点近い展示を行います。
　これは岡田の代表作と言われる三部作であります。去年、私ども佐賀県が入手したのが「裸婦」でございます。この３つがそろって、一堂に会するのは昭和15年以来になるということでございまして、本当に久々に岡田三郎助の全貌を楽しむことができる展覧会が今回実現することになりました。
　さまざまな美術館が岡田三郎助の作品を所蔵しています。今回は全国61カ所の美術館、個人、企業などからご協力を得ました。普通、この手のものを行うときには、大体多くても30カ所ぐらいでありますので、非常に手間をかけ、今回、展示にこぎつけたということでございます。
　これは絵を描くのに使われた着物の小袖と呼ばれるものであります。これがこのような絵になった。というような形で、何だかこれとこれと全然同じように見えませんけれども、使われたと書いてあるのでそういうことなのでしょう。そういったものも今回あわせて展示されることになります。
　会場では音声ガイダンスを用意します。音声ガイダンスを用意するのは、今回、佐賀県立美術館として独自に行うのは初めてになります。ナビゲーターは、佐賀市出身の中越典子さんにお願いをすることにしています。中越典子さんは、北高の芸術コースの出身であります。非常に思いを込めて、わかりやすく解説を今回していただいています。
　そして、記念講演、高階秀爾先生にお願いをし、ご快諾を得ました。10月19日の日曜日の午後１時半から３時まででございます。高階秀爾先生は岡田三郎助についても非常に深いご見識をお持ちでございまして、私も楽しみにしているところでございます。
　このほか、記念のシンポジウムでありますとか、当館の学芸員による講演会の開催などなどもりだくさんの内容も関連企画として準備をしているところでございます。
　そして、プレイベントとして、９月10日から16日までの１週間、日本橋三越の７階にあります「Ｈａｊｉｍａｒｉｎｏ　ｃａｆｅ」というところにおいて、「ＬＩＶＩＮＧ　ＷＩＴＨ　岡田三郎助」という名のプレイベントを行ってまいります。
　もともとこの三越が元禄ブームというものを仕掛けたということがございまして、それと日本女性の美を追求した岡田三郎助の合作とも言える三越呉服店のポスター、こうしたポスターが当時のこのポスター界というか、広告界では衝撃だったと伺っておりまして、その岡田三郎助と非常に縁の深い三越と今回組んでプレイベントを行うことにしたものでございます。
　ということで、この21世紀に始まってはもちろんのことでございますけれども、これまでにも全くなかったような、いわば過去最大、過去最高とも言える岡田三郎助の特別展でございまして、ぜひとも多くの方々に来ていただければと思います。