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記者会見

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知事記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。

※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。

平成27年12月28日 知事年末記者懇談会

平成27年12月28日 知事年末記者懇談会 質疑全文


質疑内容

○佐賀新聞
 知事は今年1月に知事に就任されて丸1年たちましたけれども、この1年をざくっと統括してもらいながら、今年の漢字1文字といいますか、清水寺では「安保」の「安」か知りませんが、今年の佐賀を振り返るとしたら、漢字1文字で表現するとしたらどういう文字があてはまって、それに込めた思いみたいなのがありましたらお願いします。
○知事
 そうですね、本当にまさに清水寺から飛び下りるところから私の今年はスタートしたわけですけれども、1年たってみて、多くの県民の皆さん方といろんな対話があって、本当に皆さんさまざまなご意見をお持ちで、そうした中で、それを県政にいかに生かそうかということを考える1年だったかなと思いますし、余りにもスタートで鳥インフルエンザの対応に追われた、しかも県内の事情ですとか、県庁職員のことを把握する間もない段階で、みずから現場に行って、できる対応をするということ、それと、本当によかった面はいっぱいあったんですね、今年の佐賀県は。それこそ三重津の世界遺産の登録ですとか、ラムサールですとか、五郎丸君だとか、濱田真由さんだとか、いろいろいいことがいっぱいあって、その中で、やはり知事としてつらかったのががん対策の問題と交通事故対策ということで、それが私は改善の方向に必ずしも向かったといまだ思えていない状況で、私自身も50歳になって胃がんになって、それも公表させていただいて、やはり検診の必要性というのを身をもって説明させていただいたことになったんですけれども、そういった意味で、全般的に考えていくと、本当に命というか、そういうものの大切さということをいっぱい考えた1年だったなと思います。
 そして、佐賀県にはすばらしい地域資源ですとか、本当にすばらしい人材があって、そういった命というものをこれから本当に大切にしながら、花開かせていくということが大事なのかなと思った1年でした。
○佐賀新聞
 いろんな意味での「命」という部分が、1文字で仮にあらわすとしたら……。
○知事
 何かすごく手前味噌のような気もするんですけどね。ですけど、例えば、原発の再稼働の問題ですとか、オスプレイの佐賀空港配備ですとか、新幹線の問題だとか、諫干だとか、こういったものをみんな、もちろん命、私は安全第一と申し上げてきましたけれども、それは有明海再生の願いも含めていろんなところの命をしっかりともう一回よみがえらせるだとか、そういったことを第一義に考えてきたので、そういったことも含めて、これからも私の1年目がこういうことがあったということをしっかりと肝に銘じて、2年目に向かわなければいけないと思っています。
○佐賀新聞
 それと、実際知事になられて、佐賀に住まわれて1年経過したわけですけれども、これまで48年とか、外から見てきた佐賀県というのと、実際住んでみた佐賀県って、どういうところがイメージと違っていて、こういうところはやっぱりいいなとか、こういったところをもうちょっと伸ばすべきじゃないかとかいうのがありましたら、実際住んでみての感想を。
○知事
 私はやっぱり佐賀に対する憧れだったり、佐賀はすばらしいなって。自分が佐賀県人であることをとても誇りに思っていたので、実際住んでみて、本当に外から来たほぼ100%の人が、佐賀県はすばらしいと。すべてのものが自分の近くでおいしいものもあって、すばらしい人情味あふれる人々がそこに住んでいて、交通の便もいいし、海もあって、山もあってという、本当に私がいつも言う、ないものは都市型の市街地だけだという話でありまして、そういう佐賀だったと思って、佐賀に住んでいること自体が非常に私自身はうれしくて思っているんです。
 問題は、1つはやっぱり安定した職、しっかりある程度生活に安定感があれば、佐賀というところに住むことを生かせるんだけれども、そういう雇用の問題だとか、低所得の問題だとか、そういったところをしっかりと下支えをすることによって、もっと佐賀が生かされてくるのではないかということと合わせて、これはこれから来年1年もう一回しっかりやっていきたいと思うのは、やはり佐賀に住んでいる方々が若干佐賀人であることに誇りを持てなかったり、都市部で佐賀のものを見るとちょっと恥ずかしかったりとか、そういういろんな意見もあったので、おれは絶対そんなことはないぞということを、私が佐賀の外に住んでいた人間のほうが佐賀のすばらしさに気づいている。にもかかわらず、佐賀に住んでいる人間が中から内部崩壊的に、「佐賀は何もなか」とかそういう発信をやっていくということは非常に損をしていることだと思うので、いろいろ七賢人、八賢人の話だとか、いろんな話もしてきましたけれども、我々自身がもっと佐賀の先達たちのすばらしい偉業だとか、今、頑張っているみんなのことをよく知って、これは報道機関の皆さん方に協力いただいて、そうすることによって、連鎖反応が負ではなくて、豊かさに向かった連鎖反応が私は出てくるんではないのかなと思っています。それをしっかり来年はやっていきたいと思います。

○佐賀新聞
 最後に1問だけ。インタビューとかぶるのはやめておけということだったんですけれども、1点だけ。
 来年はオスプレイにしても原発にしても、ある程度の判断、決断を迫られる可能性というのはあるかと思うんですが、どういったプロセスということで判断していきたいというのを思っていらっしゃるのか。
○知事
 あくまでも、いろんな意味で、我々が安全に毎日を、日々つつがなく暮らせていくというのが一番だと思っています。その上で、私も多くの佐賀県民や大勢の方と語り合ってきましたけれども、本当にそれぞれ多くの意見をお持ちです。きっと佐賀県のさまざまな懸案で、全ての見解が一致する人というのは余りいないんではないかというぐらい、それぞれに対する感覚が違う。当たり前だと思います。人はそれぞれ違うので。ただ、その中で、全力で佐賀県が進んでいく方向について、あれだけ議論した、あれだけいろんな話ができたというような、そういう時間が必要だし、そういうプロセスがあったのかないのかというところが大事だと思っていますので、よく時間がかかり過ぎだというご批判も拝聴しますけれども、それは私は佐賀県という船がしっかりと前に進むためには必要なプロセスだったり時間だったりすると思いますので、そういったものを大切にしながら、大事な来年を迎えていきたいと思います。
 どうですか、こういう形態だと1年に一度ぐらいは。もっと何か、みんなが  いるようなイメージで、何かこう。(発言する者あり)そうそう。やっぱりこれだと対峙している雰囲気が。今、知事室も円卓みたいなのを置こうかなと思っていて、中華料理でよくある。やっぱり佐賀県でいろんな人と話したりとか、職員と話すときもそうだけれども、割とこういう感じが多いんですよね。そうすると、どうしてもね、何か……(「対立関係みたいな感じ」と呼ぶ者あり)そう。全くきょうなんかもないんだけれども、何となく構えてしまうというか。
 例えば、記者の皆さん方がこっち側とか横におられると、何か、もちろんね、緊張関係も必要ですけれども、一緒に佐賀のことを考えていくとか、そういう場面も必要かなと思いますけれども。

○佐賀新聞
 そういう意味では、職員、知事から見られて職員さんと結構変わられますか。
○知事
 一つ、でも、僕はすごくうれしかったのは──これを言うと、何か来年が不安になってくるんだけれども、今年そんなに県職員の不祥事というか、どう、あんまりないですね、なので、私はやっぱりいろんな懸案を抱えている佐賀県だからこそ、県庁だとか県職員が県民の皆さん方から信頼を得られているのかどうかというところがとても大きいと思うんですね。なので、そういったところは今年、大分、今までの県政課題の中で、問題があったりとかしたら、絶対隠さないでくれということは県職員にも言ってきて、今だったら不問に付すとまでは言わないけれども、そんなに大きな問題には私はしないと。ただ、来年以降にね、それを後から言ってくるようであると、それは大きな問題になる。今までの佐賀県政も、ずっと抱えていくことによって、どんどんどんどんボールが大きくなって、後になって対処が非常に困ったという事態があったと思うので、できるだけ悪いニュースこそすぐに上に上げるということは徹底して、そこの習慣はできてきたのかなと思うところが非常に私は県職員の皆さん頑張ったなと、鳥インフルエンザのときからそうでしたけれども、士気高くですね、本当に寒い作業をつらい中で頑張ってやったと思います。
 問題は、やっぱり私が言っている現場主義だとか、ミッションの大切さ、何のための仕事なのかとか、そういったところへの意識がまだ本当に職員全体に行き届いているのかなというと、ちょっとまだそこまでいっていないなということだったりとか、これは私自身の責任でもあるんですけれども、知事の言っていることが、本当に、じゃ、ミッションってどういうことなのって言って、理解しているのかというと、そうでもないという話もあったりもしたので、そのあたりはこれから、これは各部長たちにも、そして、これから組織改正とかも考えているので、いろんな体制で県庁内が風通しよく、そして、責任がしっかりとそれぞれ図られやすく、そして、県民の皆さん方から、非常にわかりやすくなったねと言われるような県政を目指していくというところで言えば、県庁改革はまだまだ道半ばだと思います。

○朝日新聞
 今ちょっと話題になっています自民党の国会議員の方が、男性議員として初めて育休を来年取るかもしれないというニュースがあります。ご夫婦ともに国会議員で、国会議員の方が育休を男性の人が取るのはいかがなものかという意見もあれば、いや、ぜひこれは一つの役割として象徴的に取るべきだという賛否両論があると思うんですけれども、知事は鳥取県時代に育休を取られたご経験があるかと思うんですけれども、そういった経験を踏まえて、こういった報道については今回どのようにごらんになっていますか。
○知事
 これはなかなかいい質問だと思います。これは非常に難しい事例っていうかね、私は、まず少なくとも、鳥取県の部長時代に、もう自分がやむを得ず育児休暇を各方面にお願いしたときに、県会議員の人たちの何人かは、仕事しに来ているんだろうと、そんなこれから県議会があるのに部長不在というのはあり得んやろうと言われたりもしました。
 でも、片山知事が、そんなことはないよと、そういった時代も必要なので、部長のいない議会は上司である自分だとか、それから、次長は女性だったんですけどね、そのとき。次長が話すし、それが組織というものだからと。これからの時代、先のことを考えて、自分のときは、おまえが子供を産むわけじゃなかろうって上司に言われて、非常にはらわたが煮えくり返ったという話を聞いて、それでもう取ることにして、非常に雰囲気がね、次の県議会で、さんざんその質問を受けて、いろんなそのときの話をすることによって、県職員の男性の育児休暇の取得率が数倍に上がったという、やっぱり上司が何かを見せるということは、すごく大事なことなんだなと思いました。ぜひそういう組織の中にある人ですとか、企業の皆さん方、それぞれ取りづらいところもあるでしょうけれども、社会全体で取りやすい、男女共同で参画して子育てをやるとかいうことは大事だと思いますので、それに向かってまっしぐらに行きたいと思っているんです。
 国会議員ということで、これはどうですかね、結構ね、私もいろんな人と話しするんですけど、賛否両論で、一応、衆院議員とか、選挙区民の負託を受けていって、そこの責任を果たさなければいけないところがあるわけですよね。だから、そういった意味で、それをどう考えるのかといったところで、きっと一般に求められているものとはまた違うところがあるのかなと思うんですね。ですから、これは本当にいいきっかけを与えていただいたので、ぜひみんなで議論して、記者さんはどうお考えですか。
○朝日新聞
 私はいいんじゃないかなと思いますけれども。
○知事
 前向きですよね。そのように国民がみんな思えたら。ただ、今その辺の法整備ができていないですよね。
 だから、そのときは報酬をどうするのかとか、そういったことも含めて、あれはたしか民間だと6割支給とか、そんな形の制度になっていたと思うんですけど、その辺も含めて、それこそ国会で議論をしながらルールをつくっていけばいいのかなと思うんですけど。
 ほかにありませんか。

○知事
 正月は、皆さんはちゃんと佐賀にいていただけるんですか。
○NHK
 いなくても、すぐに帰ってきているので、大丈夫です。
○知事
 佐賀は好きですか。
○NHK
 好きです。
○知事
 よかった。こうやって、記者さんは県内の人もいるし、県外の方もおられるから、佐賀をお好きになっていただければうれしいし。
 ほかありますか。
○NHK
 先ほどもお話しされましたけど、より具体的に、来年はまずこういったことから取り組みたいとかいうことはございますか。
○知事
 風通しのよい県政ということをいま一度、県職員にしっかり訴えていきたいなと思います。行政組織とか改革とか、そういったことって余りこの1年間そんなに議論にならなかったですけど、ここ1年やってみて、佐賀県庁のいいところと悪いところとそれぞれ自分なりに感じるところがあるので、そういったところを組織改革も含めて、やっていきたいなと思います。
 私は、NHKの「あさが来た」を毎日見ているんですけれども、歌がすごく、知事としてね、何か県民を思う気持ちみたいな感じで、いいときもあるし、悪いときもあるし、でも次に向かって頑張ろうって思えたので、あれはいつまでやるんですか。
○NHK
 私はちょっとわかりませんが、まだ続くと思われます。
○知事
 縦割りになっているんですね。
○NHK
 ええ。

○読売新聞
 先ほど佐賀新聞が質問した、オスプレイと原発について、どういった決断、プロセスをしますかというところで、口頭で、いろんな意味で安全につつがなく過ごせるのが一番とおっしゃいましたけれども、県民の方がこの言葉を聞いたら、安全第一であれば原発は多分動かさなくて、オスプレイも受け入れなければいいんじゃないのというふうに思う方もいらっしゃると思うんですけれども、その辺のところは、そのいろんな意味でということに安全以外の意味があるのか、それとも安全を上回るものが後々あらわれることになるのか、その辺のところについてはどのように県民の方に説明されますでしょうか。
○知事
 これは、県民もいろんな意見があります。当然佐賀県も国家の一員として、佐賀県として果たさなければならない責任があるとおっしゃる方もおられるし、私は、佐賀県が独立して自分たちだけ好き勝手をやっていいということじゃなくて、日本全体の中で考えなければいけないこともあると思います。ただ、その決断は、やはり佐賀県民と話をしながら、佐賀県としてしっかりと自発的に、自立的に物事を発信していくということが大事だと思うんです。その中で、じゃ、どういうことを大事にしていくのかということをすれば、どの方向に進めようと県民の安全をしっかりと意識してやっていくと、守っていくということが大事だということは私は首尾一貫しているつもりであります。
○読売新聞
 安全が一番というところは変わらないということですかね。
○知事
 はい。ですから、例えば原発の訓練にしても、私は明日起きれば、明後日起きたらということも含めて、少しずつ対策をとっていくということが必要だと思っています。特に航空機の問題、佐賀県がヘリコプターを持っていないと、うちと沖縄県だけですか、消防防災ヘリを持っていないのは。だから、そういった意味でのオペレーションにまだまだ成熟度が足りないと私は思っているし、今年、始めてかな、県庁の上にヘリコプターを下ろして、自分がそれに乗っているみたいなこともやって、あと、離島の皆さん方をどうやって逃がしていくのかとか、本当に鬼怒川みたいなことが起きたら、佐賀平野は広いですから、どこからどうオペレーションしていくのかということなんかも考えながら、目達原の視察なんかもさせていただきましたけれども、そういうことなんかは、少しずつ──少しずつというか、できるだけ早くステップアップしていくという不断の見直しが必要なんだろうなと思っております。
 去年の冬とことしの冬とどっちが寒いですかね。
○佐賀新聞
 間違いなく去年だと思います。
○知事
 そうだね、去年寒かったですもんね。私もそんな、急に(発言する者あり)いやいや、選挙カーって窓あけっ放しなんですよね。最初は普通の服で乗っていたら、もうとんでもなく耐えられなくて、次の日あたりからもう慌ててスキーウエアを購入して、上下スキーウエアで回っていたんですけれども、そして、もも引きを2枚重ねにしたりとか、何かそれまでもも引きとか、着たことがなかったんですよね。ところが、そのとき2枚重ねにしてから、もう、今となってはとても冬を越せなくなってしまって。

○佐賀新聞
 年末年始とか御予定とかはどんな感じですか。
○知事
 基本的には、このエリアをうろうろしようかなと思いますし、来年は有田焼400年なので、有田のほうにもお邪魔したりとか、あとはいろいろ神社回りをしたりとか、そんなことをしながら。
○佐賀新聞
 基本は県内にいらっしゃるんですか。
○知事
 隣県ぐらい出るかもしれませんけど。まあ、このエリア。
 あとは、有明海の関係で、少しずつ、こっちは竹崎ガキが非常によかったと、この前来て言っていただきましたけれども、いい話も、去年の今ごろ、鹿島とか大浦とかあの辺ずっとノリはきつかったですけれども、ことし全般的に、もちろんノリ全体としては平年の6割だったり7割だったりという状況はあるものの、去年あれだけつらい思いをした西南部の皆さん方が一息ついているという話も聞いたので、小まめな排水とかお願いして、それがどの程度影響しているのかというところは、これはもう科学的な問題なのでわかりませんけれども、でもそうやってやれることは何でもやっていく、お願いしていくということも必要だなと。佐賀県は特に農業県、漁業県で、いろんな天候ですとか、海面の状況に大きく影響される県なので、本当に祈ることが多い地域ですね。だからこそ、行いを正すことによって、何か祈るみたいな気持ちになることが多いなと思います。
 でも、私もすごい人生の決断をして、選挙戦をやって、皆さん方とずっとおつき合いさせていただいて、もちろん、何というのかな、苦楽をともにはしていませんけれども、私がこれから何年このままやるかどうかはわかりませんけれども、きっと初心を大事にしなければいけないと思うときが来たりとか、何か間違っていることをし出したら、ぜひどこか異動なされてもよくチェックをいただいて、連絡いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

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