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記者会見

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※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。

平成30年7月12日 知事定例記者会見

平成30年7月12日 知事定例記者会見 質疑全文


質疑内容

○読売新聞
 冒頭、知事のほうからも豪雨災害時の経過報告がありましたけれども、そのことでよろしいでしょうか。
 今回、県内でも初めて大雨による特別警報が発表されました。県内でも2人の死者が出るなど、大きな被害が出ておりますけれども、今回の豪雨災害に対する知事の受けとめということで、現場のほうも視察されておりましたが、災害に対するハード、ソフト両面で浮き彫りになった課題など、先ほどJRからの連絡がなかったとおっしゃられましたけれども、そういった浮き彫りになった課題があったかどうかと、今後の県としての対応、支援など何かお考えがありましたらお願いします。
○知事
 先ほど冒頭に説明したとおりですけれども、梅雨前線も含めて降水帯がとどまるという状態、大雨特別警報が広域的に順次出てくるということは、これまで余り想定されていなかった事案だと思っています。その中で、県として、初動から全力を尽くしたと思いますけれども、1つの大きな問題点は、やはりソフトの問題として避難の問題というもの。特に今回、佐賀県でも2件起きましたけれども、余り外に出ていただかないようにという話とか、特に災害弱者の皆さん方に対する対応という話は、しっかり話をしていたにもかかわらず、どうしてもこういうことが起きてしまうということが非常に残念でならないという状況にあります。本当に人の命は重いので、これからも避難準備情報、勧告、そして指示という流れも含めて、市町の皆さん方と今回の事案を大きな教訓として、危機というのはさまざまなものがありますので、大雨だけにとどまらず、柔軟に対応できるような体制をまだ熱いうちにしっかりと市町の皆さんとやっていくことがまず大事だろうと思います。
 ハード面は佐賀県の場合は先ほど2つお話をさせていただきましたけれども、やはりコントロールできているときと水をコントロールできなかったときというのが、急な端境としてやってくるわけですよね。ですから、何となく水がセーブされていても、例えば、ダムがいっぱいいっぱいになった場合だとか、どこかで立木によってせきとめられたところが決壊したり、突然状況が変化するということを意識しなければいけない。
 そして、「森川海人っプロジェクト」のときに大分話しましたけど、山がいつ崩壊していくのかということについては、想定ができない世界です。それについて、しっかり備えて、事前に避難をしていく体制というものをつくらなければいけないなという状況です。
 それと、今回、嘉瀬川ダムとか活躍しているわけなんですけれども、やはりダムによる治水というところも非常に重要であったなと思います。そして、今回は農地が大分やられているところがありました。佐賀の場合は、大体今まで全く崩れるはずのない山、全く農地に落ちてこなかった山が削られて落ちてきて、田んぼが全部崩壊して、全く跡形もない場所もありますし、そういう状況になるというのは、これまで数十年、想定していなかったことです。こういったことについて、まず皆さんにお伝えしたいのは、前に出ていこうと。やはりモチベーションがとても大事で、ここからもう一回中山間地をしっかりやっていこうという気持ちになっていただきたいと思うし、県は全力で一つ一つしっかりと調査をしながら、復旧復興をやっていきたいと思いますので、いわゆる強靱化と言うんでしょうか、我々自身がしっかりと山を守っていくという意味での自然対策とハード、ダムも含めた運用の方法、あり方というところも改めてしっかりと想定外も含めた上で考えていかなければいけないということが教訓だと思います。

○読売新聞
 次に、佐賀国体についてお伺いしたいんですけれども、佐賀国体と呼ぶべきか、国スポと呼ぶべきか、5年後の佐賀国体に向けて、今、いろいろとSSP構想を打ち出したり、スポーツエリートアカデミーを先日開校されたりと、選手の競技力向上についての取り組みも始まっております。
 知事もいろんな場で佐賀らしい戦いで勝ち抜くんですが、骨太の総合優勝を目指すとか、いろいろ天皇杯獲得に向けて意欲を示しておられますが、先催県の例とかを見ていきますと、一部例外がありますけれども、開催県が地元優勝していくというケースも続いております。知事としての佐賀国体の開催に当たって、今度優勝するということは、必須条件として上がってくるものなのかどうなのか、その意気込み、考え方を教えてもらえますか。
○知事
 佐賀はやっぱり本当に真摯に、愚直に、真っ直ぐに、ひたすらいいというところを追求すべきだと思っていて、何で、今回もそのSSP構想だとか、そういうことをやっているかというと、国体のところで1位を取ることが、天皇杯を取ることが全てのミッションだと思うのは私は間違いだと思うんです。
 もちろん、1位を狙うか、2位を狙うか、3位を狙うかといったら、当然トップを狙うべきだけれども、それを狙う過程でできていったすばらしいものが、ちゃんと国体が終わった後もずっと国スポが終わった後も引き続いて佐賀県の血と肉にならなければいけないと思います。ここでミッション誤りをすると。1位になるためだけに、いい選手をかき集めてくるとか、そういう間違った考え方、そして、例えば、指導者は来たほうがいいけれども、国スポ、全障スポか終わったら、どこかへ行ってしまうと、そんなことでとった1位に私は価値があるとは思えないので、私は骨太で1位をとりたいというのは、しっかりと将来根づいたやり方をして1位を目指すという意味で申し上げております。
○読売新聞
 関連して、そのSSP構想であったり、スポーツエリートアカデミーの取り組みとして、地元の若い人たちをこれから育てていって、ターゲットエイジとかいろいろ言われておりますが、育てていくやり方と思うんですけれども、1位を目指していく上で、少年の部というところでは、今の考えのようなことでわかりますが、当然ながら、成年の部で、じゃ、どうするんだという問題もあります。いろいろ人材を呼ぶにしても、地元企業との協力関係とか、いろんな課題もあるかと思うんですけれども、成年の部の取り扱いの問題、現在、佐賀県は43位のところを低迷している中で、5年後に優勝を目指すのかというのは、本来不思議に思うわけでして、そこの捉え方、考え方ですね。
 一部例外とも言いましたけれども、かつて高知県知事だった橋本大二郎さんが、やはり財政規模に合った国体を提唱されて、あえて目指さないという考え方もありました。優勝を目指すことと大会を盛り上げることは別だという、いろんな考え方はあっていいかと思うんですけれども、ちょうど佐賀国体というか、スポーツ基本法も改正されて、国スポというふうに佐賀が第1号の大会があるという、一つの契機でもあります。これまでの国体、いろんな問題もありましたけれども、佐賀から見直していく一つのきっかけにもなるかとは思うんですけれども、佐賀国体を盛り上げていくということにはどういったことが必要なのか、先ほど佐賀んもんで頑張っていくということもありますが、佐賀の地元の人材で優勝を目指していくというふうな考え方にあるのか、どういうふうにして盛り上げていきたいか、もう一度いいですか。
○知事
 成年についていえば、基本的にどこの県も、自分のところのふるさと選手とか、いろんな人たちをリクルートしたりとか、そういう県もあるわけですけれども、その後ずっとSSP構想に、しっかり関わった上で、指導者と選手セットで我々はやりたいと思うのです。ずっと佐賀のために貢献していただけるような成年の皆様に集まってもらいたい。それもありだと思っています。
 スポーツの世界でみんなが、今、世界やトップを目指すときに、1位以外を目指そうという発想があっては私はいけないんだろうと思います。やっぱりトップを目指すと。そのために何をなすべきか。全力でやっていく環境をみんなでこれからつくっていきたいと思います。やはり本物の姿で1位をとれたときに、場合によっては1位でないとしても、ここまでやったという全力達成感や、この力があればこれから先も頑張れるねという気持ちをつくることが、我々のミッションだと思うんです。そういう方針でやっていきたいと思っています。

○西日本新聞
 九州新幹線長崎ルートについてお尋ねをします。
 フル規格で整備した場合のルート案について、JR九州の元社長が、時短効果が少ない佐賀にメリットが必要だということで、鹿児島ルートの船小屋駅から佐賀空港を経由するというのを提唱しています。お金も現状の整備よりはかなりかかるとは思うんですが、こうしたルートを変えるということでの提案について知事のご所見をお願いします。
○知事
 基本的に、フル新幹線については莫大な費用負担の問題というのはかねてから申し上げておりますし、そもそも財政の問題だけでなくてルートの問題、これを議論したら、かなりの時間をかけて検討しないといけない話だと思います。そして何よりも、今の在来線というものがどういう形になっていくのかという問題もあるので、早々に方法が出るという状況じゃないと思うのです。私はフル新幹線というものについては、こういう状況の中では今議論する環境にないということはかねがね申し上げております。
○西日本新聞
 あと、この問題では、県内のルート沿線の武雄、嬉野両市、きのう、この両市を含めて、沿線ルート5市、佐賀、長崎両県ですね、5市が自民党本部と霞が関で、国交省及び財務省にフル規格での整備を要望しました。県内、知事はこういう莫大な財政負担は県は到底持ちこたえられないというご認識ではあるんですが、県内の自治体でこうしたフルを求める声があることについて、これはどのようにお答えをなさるんでしょうか。
○知事
 それぞれお考えがあってのことなので、それぞれが自立的に思いを言うところはいいことだと思います。ですので、それぞれの思いの中で行動されたのかなとは思いますけれども、やはり私はこの佐賀県のこれまでの経緯を考えると、常に苦渋の決断をして、さまざまなものをある意味犠牲にしてできてきた構図でもあるので、武雄、嬉野にとってみれば、今回のルート変更でも一つの大きなチャンスでありますから、それが鹿島とか、非常に厳しい状況のもとで成り立っていることに大きく思いをはせなければいけないと思います。県はしっかり今回の暫定開業が、武雄、嬉野に大きな効果となるように支援していきたいと思うので、ぜひそういった意味で、考え合わせてご検討いただければと思います。
○佐賀新聞
 国政課題について2点お尋ねします。
 まず、九州新幹線長崎ルートの話なんですけれども、前回、6者合意のときにフリーゲージトレインの開発おくれで合意されたかと思うんですが、その際に知事として譲れなかったラインというのがあって、そこは守られたのかなと思っているんですけれども、前回の6者合意のときに知事として、ここは守られてよかったと思っている点はどこなのか。
 それと、今回も同じようにフリーゲージトレインのおくれで新たな動きがありますけれども、今後、7月中に与党検討委員会で結論が出る中で、佐賀県として守りたいラインというのはどのようなものがあるのか教えてください。
○知事
 大体これまでの議論でわかっていただいているという気もいたしますけれども、もともと佐賀県は、少なくともフル新幹線をやろうと言ったことは今まで一度もないわけです。その中で、長崎県さんとの関係とかも含めて、西九州全体の中で、のめるぎりぎりのラインを、各県の知事なり県庁職員が悩みに悩んだ上でつくってきた合意の連続だったと思います。ですから、3者合意のときでも、フリーゲージ、これは国から提案があったわけですね。それで、負担は大きいけれどもやろうじゃないかと、武雄から向こうだけでも、それこそ交付税措置を抜いても220億円、230億円の負担。しかも、これから何か追加されるかもしれないという報道もなされている状況です。
 そうした中で、フリーゲージが開発おくれになる。えっと思うけれども、国は国で努力して、安全が第一だから、無茶は言えないだろうという中で、佐賀県はどこまでおりるんだろうということで議論した。やはり我々は肥前山口も大事なので、肥前山口と武雄温泉、そして武雄温泉から佐世保線のほうですね、向こうに向かってしっかり充実──有田方向も大事なので、武雄温泉-肥前山口間の複線化を順次やっていくということは、これからの佐賀県にとってとても大きなことだろうということで、再度調整してあそこに入れたということ。
 それでも、武雄温泉以降の話が、乗り換え方式ということで、そもそも佐賀県が考えていた大阪直通という話にはならないわけで、いろんな思いがあります。ただ、そこまでずっとずっと佐賀県は長崎県、そして九州全体のことも考えてやってきた歴史があるわけですね。今回は全て佐賀県のエリアですから佐賀県の話です。ですから、もともと整備新幹線のスキーム自体が、地元がやりたいと言って手を挙げたものに対してどうするかというスキームであったはずなのに、一番大事な合意というものが、その合意もこれまではそんな簡単にできているわけじゃなくて、ずっとずっといろんな交渉をしながらできてきた道なんですね。ですから、そういった基本線というものをやっぱり大事にすべきではないのかなと。一朝一夕に短時間に、ああだからこう、こうだからああ、というふう感じになる事柄ではないと思います。
 特に、今回の財政の問題もそうですけれども、先ほど説明したように、本当にいろんな事業をこれから重点的にやらなければいけない時期だと思いますので、あれかこれかという事業選定をしたときに、この問題の位置づけというものはおのずと見えてくると思います。
○朝日新聞
 すみません、関連して九州新幹線の話なんですが、一部でフルが無理ならミニしかないというような声も漏れ伝わってきています。ミニについては、県としては正式な案が何か示されているわけではなく、案が出されれば検討するという立場であったと思いますが、改めて今の段階でのミニについての知事のスタンスをお伺いしたいと思います。
 ミニもメリット、デメリット、整備時に在来線を運休しなければいけないというような問題もあると思います。もちろん追加の負担があれば受け入れられないという立場であると思いますが、ミニについてのスタンスをお願いします。
○知事
 これまでの経緯は今述べさせていただきましたけれども、どのような整備手法であれ、合意にないものについてこれ以上の追加負担を行うことはできないものと思います。今、国やJR九州が約束したことを守れないということで、何かフルかミニか二者択一みたいなことを佐賀県に求めるような論調になっているところもあるようですけれども、私は佐賀県はこのどちらか選ばなければいけない立場にないと思います。
 我々はさらにこういった議論を注視しながら、新たな提案があった場合は佐賀県の考えをしっかりと主張していきたいという考えです。

○朝日新聞
 すみません、別で申しわけないんですが、災害の関連でお伺いします。
 今回、未曽有の大災害となりました。今回の県の初動の対応を見ると非常に先手先手で、早目に連絡室を設置したりだとか、警戒本部に体制変更したりとか、知事通知を日没前に出されたりとか、非常に先手先手の対応をなされていると思います。その部分でトップとしての危機管理についてのお考え、それと一方、東京のほうですが、安倍首相であるとか自民党の国会議員さんが記録的な大雨になる予想があった中で、5日に懇親会をされていたということで、そういう批判の声が集まっていて、自民党内からも苦言を呈するような話があっています。
 被災地感情として、佐賀でも大きな被害を受けられていますし、お亡くなりになった方もいらっしゃいます。けがをされた方もいらっしゃいます。被災県の知事として、このことについては何かご所見がありますでしょうか。
○知事
 一言言うとすると、私は県民の皆さんから見て、県庁がちゃんと頼りになるんだろうかとか、知事がしっかりやってくれているんだろうかというところは大きなことなんだろうと思います。今回も警戒本部の本部長は副島副知事でした。副島副知事はずっと徹夜で警戒をしてくれました。そうした職員がしっかりやっている姿勢というのがとても大事。もちろん中身が大事なんだけれども、中身だけではなくて、どういう警戒体制で我々がこの災害に向かっているのかということ。そういうことをしっかりと真剣に見せていくというのが災害対応ではとても大事なんだろうと思います。
 ですので、国のことについて私はコメントする立場ではありませんけれども、今、この瞬間にも厳しい状況におられる皆さん方、そういうことにしっかりと思いをはせる。我々も被災地に何か支援をしたいと思うけれども、これはなかなか難しいんです。私がもう一つ訴えたいのは、命の話をしましたけれども、やっぱり一番大事なのは、そこにいる人たち。現場で何が起こっているかということです。ですから、現場の皆さん方にできる限り声を出してもらって、こうしてほしい、ああしてほしいというのをちゅうちょなく言っていただいて、それに対して周りがしっかりとフォローしていく習慣をつけていくことも大事だと思います。
○NHK
 災害対応についてなんですけれども、筑肥線の脱線事故についてです。
 その後の影響を考えると、県民への影響は非常に大きい出来事だったかなと思うんですが、先ほど少し言及がありましたけれども、JR九州からのお話というのはなかったということなんですが、それを受けての受けとめと、それを受けての県の対応をもう少し具体的に教えてください。
○知事
 JR九州さんは、いわゆる防災計画上の指定公共機関になっております。ですから、いざ何かあったときに、我々として車両に乗っている皆さん方も含めてすぐに対応しなければいけない立場だと思っております。ですので、これは担当課に聞いてもらいたいんですけれども、JR九州さんは、国には連絡していたみたいですけれども、余り県に連絡する意識がなかったという話のようで、ちょっと切ないなと。私らは、JR九州がもしそこで何か、新潟県の事故のときのようにとまってしまって、何時間も動けない状態だったら、県として本部をつくって、さまざまな人たちと連絡体制をとって、物資を運んだりとかいろんなことをやろうという思いで準備をしていますので。大事なパートナーなので、ぜひ迅速な連絡を。これも空振り覚悟で全く結構なのでと呼びかけるように指示しているところです。その結果についてはまだ私のほうには返ってきておりません。
○NHK
 その取り決めなどは特にはないのかなと思うんですが、そのない中で、ないとしたら、何か改善していくようなお考えはありますか。
○知事
 そう、私がびっくりしたのは、私も官邸で危機管理でやっていましたけれども、そういう公共機関との連絡体制がぴしゃっとできていて、全ての連絡が来るようになっているわけです。これはJRだけに限らずですが、県はパイプというのがちゃんとできていて、情報を集約できる形になると思ったので、これもしっかりこれから点検すべき事項だと思います。ルールがなかったからだというところに、私は私で唖然としながら反省をしています。

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