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平成29年 4月11日
平成29年4月臨時県議会 知事招集趣旨説明

 本日、平成29年4月臨時県議会の開会に際し、招集に至りました経緯を含め玄海原子力発電所3、4号機の再稼働について、現在の状況をご説明申し上げます。

 まず、この原子力発電所の再稼働に対する私の基本認識につきましては、これまでの県議会において、

  • 原子力発電は、その依存度を可能な限り低減し、再生可能エネルギーの導入などを積極的に推進していくべきであること
  • しかしながら、再生可能エネルギーにつきましては、現状において、安定供給面、コスト面などで課題があり、電力の安定供給による国民生活の安定やCO2削減による環境への負荷軽減などを考慮すると、国が「エネルギー基本計画」において、原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけていることは理解できるところであり、原子力規制委員会において規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、再稼働はやむを得ないものと考えていること

を申し上げ、あわせて、この問題に対する姿勢として、

  • 何よりも、県民の安全が大事であることから、稼働している、稼働していないに関わらず、県として、現に存在している玄海原子力発電所と真摯に向き合い、国や事業者の動向を注視しながら対処していかなければならないと考えていること
  • このため、この問題に対しては、真摯に、愚直に、まっすぐに、また、プロセスを大事に丁寧に取り組んでいきたいと考えていること

を申し上げてまいりました。

 玄海原子力発電所3、4号機につきましては、平成25年7月12日に九州電力が原子炉設置変更許可申請を行い、本年1月18日に原子力規制委員会により、原子炉設置変更許可が出されました。
 この原子炉設置変更許可を受け、1月20日に資源エネルギー庁の日下部長官が来県され、再稼働を進めるという政府の方針について、経済産業大臣名の文書を持参した上で、理解を求められました。

 玄海原子力発電所3、4号機の再稼働に関しては、県民の間に様々な意見があることから、立地地域に限らず広く県民に知っていただき、幅広く意見を聴きながら進めていくこととしていました。
 このため、県内の各地域で県民が国や事業者から説明を聞く機会を設ける必要があるとの考えから、2月21日の唐津会場を皮切りに、22日の武雄会場、27日の佐賀会場、28日の伊万里会場、そして3月3日の鳥栖会場で県民説明会を開催したところです。
 説明会におきましては、参加者から意見や質問など多くの発言のほか、用紙により意見もいただきました。
 また、説明会に参加できなかった県民のために、説明会の様子をインターネットで中継したほか、その様子を録画した動画や説明用ビデオを県ホームページで公開してきたところです。
 このほか、県民が直接意見をお寄せいただけるように、2月21日から県ホームページで「御意見メール」を受け付けるとともに、各総合庁舎など県内13箇所に「御意見箱」を設けているところです。

 また、県内各界の代表の方々からも意見をいただくため、昨年12月26日に「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」を設置し、本年2月8日の2回目の委員会における国や事業者からの説明を踏まえ、3月13日の3回目の委員会において、それぞれの立場から意見をいただきました。
 加えて、3月18日にGM21ミーティングを開催し、全ての市町長から意見を伺いました。
 さらに、隣県の長崎県及び福岡県においても、説明会が開催され、そこでの意見も聞き及んでいます。

 このように、様々な形で意見を伺ってきたところですが、冒頭でも申し上げましたとおり、原子力発電につきましては、安全性の確保を大前提としたものでなければなりません。
 玄海原子力発電所3、4号機の安全性につきましては、一元的に規制監督権限を有する原子力規制委員会が、新たな規制基準に基づき厳格な審査を行った上で原子炉設置変更許可を出されたところであり、県としても、審査結果を確認するため、「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」の中に「原子力安全専門部会」を設け、委員の皆様から専門的、技術的な助言をいただき、原子力規制委員会へ確認事項を提出し、回答を得ました。
 その上で、3月21日に専門部会の部会長から、「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」の会長である副知事へ報告があり、県としては、「国において新たな規制基準に適合していると認められたこと、すなわち、玄海3、4号機の運転に当たり求められるレベルの安全性が確保されているということ」を確認できたと考えています。

 また、私から日下部長官に要請していた関係大臣の来県につきましては、去る4月8日、9日の両日、山本公一内閣府原子力防災担当大臣が来県され、玄海原子力発電所、放射線防護対策施設の玄海園、唐津市にある県オフサイトセンターなど、現地の状況を直接確認されました。
 山本大臣は、原子力災害が発生した際には、国の原子力災害対策本部の副本部長として、本部長である内閣総理大臣を補佐する立場にあることから、玄海地域の状況を確認されたことは大変意義があったと考えています。
 私からは、山本大臣に対して、避難計画が十分に周知されていないことや離島からの避難に不安があることなど、県民説明会等で出された避難計画等に関する県民の声を直接お伝えしました。
 また、原子力災害が万が一発生した場合には、国としてしっかりとその責任を果たすこと、特に、初動における国の責任は重要であり、そのための備えに万全を期すこと、原子力災害時に現地対策本部長となる内閣府副大臣には、就任毎に直接現地を見て土地勘を持つことを要請しました。
 大臣からは、国として、避難計画等の住民理解やその更なる充実・強化について、本県をはじめ関係機関と一層連携を密にし、訓練を通じて継続的に取り組んでいくという発言があり、今後とも、現在の避難計画等を出発点として不断の改善に努めていくことを、お互いに確認したところです。

 以上、玄海原子力発電所3、4号機の再稼働に関する現在の状況についてご説明申し上げました。
 これまで様々な形で伺ってきた意見につきましては、ご案内のとおり、既に公表してきたところですが、県民の代表である県議会の意見は極めて大切であると考えています。

 玄海原子力発電所3、4号機の再稼働につきましては、先の2月定例県議会において、「様々な機会を通じて意見を聴いていくとともに、県民の代表である県議会の意見を踏まえて、しかるべき時期に、県知事としての私の考えをしっかりお示ししたい」と答弁させていただいているところであり、県議会としての意見をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。