スコットランドの格言に「良い勝者であるとともに、良い敗者であれ」という言葉があります。
フェアプレーとスポーツマンシップの精神で試合に臨み、勝っても奢らず、敗れても言い訳をしないことを尊ぶ。まさに、紳士のスポーツと言われるゴルフ発祥の地で生まれた言葉といえるでしょう。
「球聖」と呼ばれたボビー・ジョーンズは、この言葉を体現したゴルファーでした。彼は、アマチュア選手でありながらも、年間グランドスラムを達成する程の実力を持つとともに、レフェリーがいなくてもルールを厳格に守る正直なプレーを貫いた人物として知られています。
ジョーンズ選手の姿からは、私の座右の銘でもある「蘭心竹生」という言葉が思い起こされます。気高い心を持ち、真っ直ぐに生きる。
彼が自著の中で「最後のパットまでベストを尽くすことができない人」をゴルファーとは認められないと述べていることも、「ゴルフの精神」を重んじた彼らしい言葉なのだと思います。
この、最後まで精一杯プレーする気持ちこそが、スポーツをする上で何よりも大切です。
厳しい予選を突破し、決勝ラウンドに進出された選手の皆さまが、フェアプレーの精神で最後まで全力を尽くされることを期待しています。