記者会見

●質疑応答:城原川ダム問題に対する方向性について(1)
次のページへ
○西日本新聞
 地元との協議をしていくと思うのですけれども、どういう時点でもう協議が終わったと判断されるのでしょうか、どの程度まで議論が進めば判断できると思われるのでしょうか。
○知事
 まず、材料となる案の検討がありますので、その案の検討がある一定段階進んだ段階でということになると考えています。
○西日本新聞
 もし、また流域が「私はでも反対だ」とか、そういうように意見が割れていても、一定の時がくれば判断するということでしょうか。
○知事
 期限が限られているということは、関係の首長さんには理解をいただいております。こういう場を持とうということ自体が首長さん方から出てきたものでありまして、これまでのようにずっといわば住民的な理解を求めていくというだけのプロセスでは、もう足りないだろうと思います。むしろ、責任を持つ我々が代表者として集まって議論をして物事を決めていかなければ、ある意味、間に合わないのではないか、そういうような問題意識からこういう提案があったというように理解をしておりまして、この関係首長会議を立ち上げることについては佐賀市長さんを含め、関係の市町村長さんの了解を受けております。
○NHK
 ダムによらない案と示されておりますが、これは河川改修でよろしいでしょうか。
○知事
 河川改修との組み合わせが基本になってきます。河川改修とダムというのは、まあダムということかもしれませんが、基本的には河川改修プラス遊水池であるとか、河道部をどこまで広げていくかということであるとか、または先ほど申し上げましたように、これは流域委員会からの提案にも入っておりませんけれども、その洪水リスク、治水安全度が下がるということを前提にすることが認められるのかどうか、そういったことになろうかと考えております。
○西日本新聞
 昨年の11月から検討を始めて、1年かけて検討して、本来ならば、ここでゼロか1かの回答を出すものだというように皆さんも思っていらっしゃったでしょうし、知事も思っていらっしゃったと思うのですが、それがまたさらに延びるわけですよね。いわゆる行政のスピードアップ、スピード化というのが言われている中で、結論が結果として先送りになるのですけど、そのことについては知事はどのようにお考えでしょうか。
○知事
 ここで決断をするにせよ、また猶予をいただくことになるにせよ、いずれもそれは 100%の答えというのはあり得なかったであろうと思っております。仮にダムによる案にせよ、よらない案にせよ、ここでゼロか1かと決めてしまうということは、例えば、その結論に納得をされないかもしれない首長さんの方々や住民の方々との対話不足ではないか、説得不足ではないか、そのような批判も予想されたと思います。
 一方で、今回、私の判断というものはダム案を有効なものと認めながらも、それ以外の案について議論を続けるということでありますから、議論を先に延ばしたという批判があったとしても、それは私も甘受すべきであろうと思っております。
 しかしながら、私はどっちをとるべきかと考えたときには、関係の首長さん方も「もう少し時間が欲しい」とおっしゃっており、「一刻も早くお願いしたい」と言われていた脊振の村長さんもそのことに同意をされておられるという状況があり、私自身としても流域委員会の提言の中でも議論が不足しているということが認められている以上、そういう選択をとることもまたあり得ると判断をしたわけであります。
○朝日新聞
 流域委員会の提言の中では、当面は環境に影響を与えない範囲内で川幅を広げるなどの河川改修をしつつという形で、さらに議論を深めてまいりましたけれども、今回のこれというのは、この協議を進めながら、同時に 河川改修で流下能力330m3/秒のところまではもう今から始めようやと、そういうことですか。
○知事
 流下能力330m3/秒に即、行くということは今のところ考えておりません。それが流下能力330m3/秒でいいのか、例えば、今は流下能力330流下能力330m3/秒と 400m3/秒と 500m3/秒という選択肢しか出ていないわけでありますけれども、それ以外の河道改修など河川改修の可能性がないのかということについては、議論されていないわけでありまして、そういったことを含めて、これから議論をしていきたいということであります。
○西日本新聞
 利水についてはとりあえず置いておいて、治水を話し合うということなのでしょうか。
○知事
 はい。利水については、私ども関係首長会議ではなく、実務的に詰めをお願いしたいというように思っておりまして、利水の必要性、またその手段方法については実務的なレベルでの協議をお願いしたいと思っています。
○朝日新聞
 それは、具体的にはどのようなものを設置されているんですか。
○知事
 これはまだはっきりは決まっていませんけれども、実務者レベルでどこまで地元の方に入っていただくかはまだこれからであります。いずれにしても、もう流域委員会が一定の方向性を出していますので、それを受けた形で実務的に果たしてニーズがあるのかどうか、どのような方法があるのかということを考えていく、会議というところまでいくかどうかわかりませんけど、いずれにしろ、そういうテーブルをつくって議論をしていきたいということであります。
○朝日新聞
 どうしても僕はせっかちだから、いつごろそういうのをやるのですかと聞いてしまいたくなるのですが。
○知事
 私もせっかちなので、そのことについては聞いているのですが、利水についてはもうちょっと時間がかかるかもしれません。利水ですから、水利用ですとか、環境の問題も議論不足であるということが流域委員会で指摘をされておりますので、それについてはどこかで議論を引き受けていただく必要があるわけでありますが、ちょっと関係首長会議にそこまで任せてしまいますと、結論の出るのが遅くなってしまうだろうと思いますので、関係の首長会議は治水だけの議論にとどめたいと考えております。
○西日本新聞
 では、利水についても並行して同じぐらいに結論を出してもらいたいということを考えておられるのですか。
○知事
 例えば、昔からずっと水をとっていたとかというような地域の実態があるわけですね。それを例えば、変えなくちゃいけないみたいな話になると、それは相当時間がかかってしまうというようなことも考えられますので、治水と利水の方は若干進め方が違うかもしれません。
○朝日新聞
 利水の方は学者や自治体ということですかね。
○知事
 基本的には実務者でありますので、自治体、または国、自治体というのは県や地元の市町村、または地元の水利用に関係するような方々のご意見を聞きながらということになるのかもしれません。
○NHK
 話し合いでの期限を来年3月、場合によっては二、三カ月後という、幅があるのはどういったことですか。
○知事
 もともと城原川流域整備計画の整備目標というものが来年の3月でありますので、本来はそこに合わせていかなくてはいけないのかなということで、本来的な期限としての来年3月というように書いているわけでありますけれども、よくよく話を聞いてみますと、最終的には筑後川水系の整備計画に間に合えばいいのだということがわかりましたので、そうしています。
 ただ、最初から6月と言っていると、また延びるような可能性もあるので、努力目標としては来年3月までということにしたいと思いますが、間に合わなければ、もう少し延びることもと書いているわけであります。
○NHK
 この夏、台風とか大雨で各地にあれだけ水害が出たわけですけれども、それでやっぱり流域の方、不安な方もいらっしゃると思うのですね。それに対して、早急に決めて、即、来年の梅雨時期までにやるという意味合いではないのですか。
○知事
 そういう意味合いではございません。17年度中に筑後川水系の整備計画をまとめていくのに、いつまでだったら間に合うかという観点で一応期限のめどを示しているつもりであります。
○佐賀新聞
 この間、九州地方整備局長がみえたときまでは、知事はまだ11月中ということをおっしゃっていたと思うのですが、その前の会見でもそうですけれども、いつこういう判断をされたのか。
○知事
 最終的に、このような判断をしたというのは、先週の週末であります。一定のものについて、これから協議を続けていかなければいけないのではないかという考えが出てきたのは、地元の首長さんたちとの話の中であります。
○佐賀新聞
 首長との話し合いですけど、脊振村は別として、千代田、神埼の首長さんの基本的なスタンスはある程度決まっているのじゃないかなと思うのですが、そのような中で半年近く首長さんたちとどういう協議をしていかれるのでしょうか。
○知事
 首長さんたちも今の城原川で何もしなくていいとは思っておられません。それはもう既に確認をいたしております。何らかのことをやっていかなければ安全というものは保たれないであろうと。ただ、それを具体的にどういう事業をやっていけばいいのかということについては、首長さんたちも今専門的な知見やいろんなサポートがあるわけではないので、そこについては詰めができていないという状況だと思っております。
 今回、ダムがいいのか、河川改修がいいのかということを首長さんに諮というのではなくて、ダム案については一定有効だという結論をいただいておりますので、それについては触れずに、ダムによらない方がいいという考え方について、本当にそれが実現可能かを詰めていこうということでありますので、それは議論としては十分成り立ち得ると考えています。
○佐賀新聞
 論議としては、このテーマにも書いてありますけど、軸足はダムに頼らない方ですか。
○知事
 はい、よらない案が軸になります。
○佐賀新聞
 それが「イエス」か「ノー」かということですね。
○知事
 はい。
○佐賀新聞
 そうすると、今日のことは国に対してもう説明されたのですか。
○知事
 きょうの考え方については、国というか、岡山九州地方整備局長にはお話をしております。
○佐賀新聞
 国は年末予算編成をしますけれども、今回の予算要望自体も、従来どおり調査費ということになるのですか。
○知事
 今回は、こういう方向性を決める前でありましたので、予算の政府提案から項目自体を落としてあります。ですから、それを受けて、国の方がどういう予算措置をされるかはわかりませんけれども、そう急いで何かをやるということにはならないだろうと思っております。
○朝日新聞
 今、考え方を岡山局長にお話ししたとおっしゃいましたけど、それはこの前、岡山さんがこちらに来たときですか、それとも別の機会ですか。
○知事
 昨日です。昨日、道路の関係でお目にかかる機会がありましたので。
○佐賀新聞
 知事は、就任されて以来、去年の12月をめどに判断したいとおっしゃって、流域委員会を立ち上げて1年たちます。今年は11月中に何とかというお話しだったわけで、地元の人たちにとっては「やっぱりまたか」というような声が上がったと思うのですね。今後、半年ほどで最終的な結論を出すということですけれども、それに向けての決意みたいな、何か強い思いはありますか。
○知事
 地元の方々からすれば、「またか」という思いがあるであろうということは、その批判は私が甘んじて受けなければならないと思っております。もう30数年待たされて、さらに1年待って、「またか」ということであろうかと思いますが、一つには脊振村の地域振興計画については、とにかく協議を早急に開始することにしたということで、具体的に数日中には動き始めますので、まずそのことについてはご理解をいただきたいと思います。
 流域委員会の議論の中でも、今回、県に出された提言の第1番目に脊振村のことが書いてあるということによっても、脊振村のことについて何とかしなければいけないという思いが流域委員会にもあり、県にもあるということは、どうかご理解をいただきたいと思います。
 もう今回がある意味で最後の機会になると思っておりますので、この与えられた期間の中でとにかく精力的に議論を進めたい、その議論を進めただけあったということで、脊振村の人に対しても、また中・下流の方々に対しても納得のいく結論が得られるように努力をしなければならない、このように強く感じているところであります。
○朝日新聞
 今、数日中に動き始めるとおっしゃっていますけれども、つまり頭の中で何かしら、このようにやろうというのがあるのかなと思うのですが、いかがですか。
○知事
 先ほど口頭ではお話し申し上げたのですが、まずは私ども担当の職員を脊振村の方に、この問題でということで派遣をして、どういう協議の仕方をやっていくのかということについて協議を開始していきます。そして、どういうような材料があるのか、やっていくべき事業があるのか、また地域はどういう状況になっているのか、何と言っても脊振村の意向が一番でありますので、そういったことについてお伺いしながら、県としてはやれるところからやっていきたいと思っています。
○朝日新聞
 住民からの聞き取り調査的な感じになるのですか。
○知事
 そこはどういうやり方をしたらいいのか、自治体として思っている部分があれば、そこをお伺いするというやり方もありましょうし、また直接、住民の方から伺った方がいいのか、そういったことについては役場の方と話をしてみたいと思っています。
○西日本新聞
 その場合、水没地の振興策なのか、それとも村全体の振興策なのかというのが出るかと思うのですが。
○知事
 基本的には、水没予定地というところがメインになるのではないかと思います。水没予定地であるがゆえに、何かこれまで遅れてきたこと、怠ってきたことがあるのかどうかという話がメインにはなろうかと思いますが、そこについては範囲についても脊振村と協議をしたいと思っています。

次のページへ
記者会見トップへ 平成16年11月22日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。