記者会見

●質疑応答:報道機関との質疑応答(1)
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○FM佐賀
 最初に年金のことが出ましたので、年金で、議員年金についてどう思われているのか。あと、厚生年金と公務員共済と国民年金を一元化する案、これについてはどのようなお考えを持っておられるのかをお聞かせください。
○知事
 議員年金については、いろいろ考える必要があるのかもしれないと思っております。もともと始まった趣旨としたら、それはそれで理解できるところではありますけれども、今日的な意味合いをもう一度見直すということはあってもよいのではないかと思っております。直ちに要らないんだというところまでは思いませんけれども、これだけ国民の年金についての関心が高まっている中、そしてまた、職種を問わず年金を一元化していこうという動きがある中で、各種の年金の議論というのは、あってよいと思っておりまして、その意味では議員年金もその例外ではなかろうと思っております。
 また、今回、閣僚の方であるとか、そのほかの国会議員の方であるとかの未納が起きておりますけれども、これを見ても、やはり制度の複雑さというものを感じます。私も公務員を辞めたときに、自分で国民年金に入り直したわけでありますけれども、忘れちゃいけない忘れちゃいけないと思って、ずっと頭に置いておかないと、この手続を忘れてしまうということがありましたし、私の妻なども3号該当になったりとか、外れたりとかということがいろいろあって、その度ごとに何か面倒くさい手続を強いられていたという記憶があります。
 そういうことからすると、安心してこの年金に加入し続けることができるためには、もう少し制度を簡単にしていただく必要があると思っているところでございます。
 併せて、最近国民年金の未納が増えてきておりますけれども、これは私は事務を地方から国に移譲したせいだと思っております。もともとこの事務は、機関委任事務という形で県庁の中にもかつては国民年金課があり、そしてまた、市町村がそれぞれの地域にお願いするような形で年金の保険料を徴収しておりました。いわば、地域に密着した形でお願いをしていたからこそ、集まっていたというものが、国がこの仕事を担当するようになってから、いわば一片の通知でもって「払いなさい」という形になったということで、これはある意味、国民や住民から遠くなったということがあるのではないかと思います。そういったことがあったがゆえに、10ポイント以上も納付率が下がったと私は思っておりまして、このようなことから見ても、やはり地方でできることは地方にお任せいただく方が、私は国民的な面から見ても、効率がよいのではないかと考えております。
○佐賀新聞
 関連なんですけれども、きょう福田官房長官が辞任しましたが、このことについてどう思われますか。
○知事
 責任ある立場の言葉は重いということだと思います。官房長官御自身、いろいろ釈明されてはおられましたけれども、やはり映像を見る限りにおいては、以前、個人の問題であると突っぱねておられたときのご発言と、自分自身が未納であったというときのご発言の間には整合性がないと私も思います。
 内閣の要の立場である方であり、かつ今回の法案の提出責任者でもあったわけでありますので、その意味ではそういう自らの発言について責任をとられたということであろうと考えております。
○佐賀新聞
 言葉は悪いんですけど、やめて当然というか、やむを得ないという感じですか。それとも、やめるほどの必要性についてはどう思われますか。
○知事
 やめても不思議はないと思いますね。これだけ大きく国民の関心事となっている事項についてでありますので、それについての発言は非常に大きなものがあったんだろうと思います。
○FM佐賀
 こういった混沌とした中で、年金改正案がきちんと審議されずに可決されようとしているんですけど、そのことについてはどう思われますか。
○知事
 審議したかしないかは、いろんな見方があるんだと思います。この法案ができる前からさまざまな形で報道もなされ、また、いろんな論評がされておりました。ただ、あまりにも逆に論評がされ過ぎて、一体どういうふうに考えていいのかわからないところがあったんだろうと思います。
 ただ、私は今回の改正の中でよかったと思っておりますのが、これで年金というものに対する関心が今までとは比べ物にならないくらい高まったということが一つ、それと併せて、年金の一元化について検討していこうということで与野党の合意がなされたということが一つ。こうしていくことによって、今回目指した抜本改正は実現されませんでしたけれども、安心して加入できる国民年金というものについての一里塚にはなったのではないかと思っております。
○NHK
 この前のプルサーマルについては、連休明けにも国と九州電力に改めて説明を受けたいということでありましたが、その辺のスケジュールはどうなっていますか。
○知事
 まだ調整中の部分がございますが、来週中にでも九州電力の方からこちらの方に来ていただいて、まず、私自身が県として説明を受けることにしたいと思っております。
 また、来週中に東京に行く用事がありますので、その際には経済産業省の責任者にも会って、国としてきちんと説明をしてほしいということを要請してまいりたいと思っております。
○NHK
 国の説明というのは、やはり担当者が県に来てもらうという形になりますか。
○知事
 はい、そのような形をイメージしております。
 これらのことにつきましては、県だけでよいのか、玄海町の方が先ではないのかという議論もありますので、玄海町ともよく相談をして決めていきたいと思っております。
○NHK
 おとといの毎日新聞に、いわゆる核燃料サイクルの見直しの件が載っていましたが、もしあれが本当であれば、ちょっと動き出しましたよね。それで、あの内容を受けて知事の核燃料サイクルに対する考え方、見解が変わったところがありますか。
○知事
 まさにこういう議論がいろいろ出てきている最中なわけですね。これまでは核燃料サイクルそのものが資源小国である我が国にとって必須であり、かつ経済的にも意味のあることだということでずっと国の方は説明されていたのだと、私は今のところそのように理解しております。このような研究成果であるとか、流れを受けてどのように考えていくのかということをきちんと説明してほしいと思っております。
 今日もある新聞に、今度は必要という立場からの現職の代議士からの主張がございましたし、その前には慎重であるべきという立場からのまた代議士からの主張も載ったりしておりました。このようにさまざまな議論があるという中での今回のプルサーマル問題の発生ということがあるわけですので、私としては今回報道されたようなことも含めて、どのように九州電力なり、国が説明されるのかということを聞いてみたいと思います。
○朝日新聞
 話はまるっきり変わるんですけれども、佐賀空港の深夜便ですね。今度、10、11日の議会で議決されるわけですけれども、柳川市との間にごたごたもあり、それから、振り返って今後どう佐賀空港を使っていきたいかとか、そういう今後に向けてのことも含めて、知事としてのお考えを伺えればと思います。
○知事
 今回、柳川市や福富町など地元との協議に若干時間がかかりましたけれども、これだけ時間をかけて協議を行っていったのも、今後のいろんな意味での佐賀空港の可能性を考えたからだと私は考えております。
 今回の航空便2便就航させるだけであれば、ある意味、それは押し切ってもよかったのかもしれませんけれども、これから長いおつき合いを柳川市にも、また、福富町を初めとする周辺の自治体や住民の方にもお願いするのであれば、やはりていねいな手続をとることは必要ということで、4月の就航予定を3カ月ずらしてでも、とにかくご理解をお願いするということでやってまいりました。
 今回、そのような形でせっかく就航いたしますので、まずはこの2便がぜひとも多くの方々に使っていただく便になってほしいと心から願っております。たくさん物が積んであっても、物が積んでなくても音は変わりませんので、その意味では九州各地からいろんなものを宅配便で持っていくということをフルに活用していただきたいと思いますし、その可能性は十分あると思っております。
 さらにあえて一歩進んで言えば、夜間貨物便2便あるうちの1便が羽田を午後10時ぐらいに出発し、夜の11時半から12時までの間に佐賀空港に着く予定となっておりまして、その時間帯であれば、でき得ればそこに旅客をお乗せするということを検討していただけないだろうかということも考えております。
 パイロットは乗っているわけでありますから、あとはキャビンアテンダント(客室乗務員)の方に非常口の数だけ、6人乗っていただければよいわけでありまして、現在、羽田から福岡に行く飛行機の最終便が確か8時10分だと思います。これはもう福岡空港の運用時間の関係でどうしてもその時間しかできないということでありまして、夜の9時とか10時という便が福岡空港ではできませんので、その意味では、せっかくわざわざ機体を九州に飛ばすのであれば、そこにお客様をお乗せいただくということを検討願えないだろうか、そのようなこともまた来週全日空の方に行きますので、そのときには社長の方に訴えてまいりたいと考えております。
○朝日新聞
 全日空というのは東京の本社(ですか)。
○知事
 はい、東京の本社に行きます。
○佐賀新聞
 きょう、情報公開訴訟のいわゆる決定保留に関する分で、先ほど会見がありまして、控訴しないということで知事のコメントが出たんですけれど、せっかく目の前におられるんで、直接この判断に至った背景と、どういうことから決断されたのか、改めてお伺いいたします。
○知事
 どうしようかということで結構悩みました。最終的に控訴しないという方針を決めたのは、これによって一体何を守ろうとするのかということが私の中で十分には明確にならなかったということからであります。といいますのは、今回、最高裁判決が確定をいたしましたので、今回、保留分になっているものについては、すべて請求者から来ているものについては民間人に関すること以外は公開になるわけでありまして、それについては恐らくもう請求者の方も争われることはないだろうと思います。
 とすると、この保留をしていたことにより違法だったということで20万円払えと言われていることについて、それを争うことによって得られるものが何かというと、もちろんそれは20万円じゃなくて、こちらが一銭も払わないでよいかもしれないという可能性があるんですけれども、もしそれがお金が必要だからというか、20万円がゼロになるかもしれないからという観点で考えるとするならば、実は弁護士費用の方がもっとかかる。また、それにかかわる県職員の人件費みたいなことも考えれば、もっともっと多くのお金がかかってしまう。となれば、それは20万円のお金のためにやるということではないのではないかと私なりに考えたからであります。
 それ以外に、県として何か守るべきものがあるかというこういうについて言えば、先ほど申し上げたように、もう情報については開示をしてしまっていますので、その部分について争いになっていることも、守るべきこともないとすれば、これはやはりもうこういう争いについて手間やお金をかけることなく、もっと情報公開のいろんなものについて資源を投入していく方が効果的ではないかと考えたからであります。
○佐賀新聞
 当時の判断についてはどう思われますか。
○知事
 これはいろんな考え方があると思います。裁判所が、地裁が言うように、「真っ黒でもいいから開示しておけばよかったではないか」というのも、それは確かに一つの考え方であろうと思います。開示しておけば今回の訴訟はなかったわけでありますから、その意味では、確かにそう言われたらそうだったのかなという気はします。それはただ、私が今、こうやって何年もたった後の位置に立っているから言えることであって、当時、私が同じところにいても、今みたいなことを言えたかどうか、ということについては自信はないんですけれども、「これしかやりようがなかったのか」と言われると、ほかにやりようがあったのかもしれないという気はいたします。そこで黒塗りでもいいから開示をするというのも一つの手であったでありましょうし、また、開示が遅くなっているというときに、請求者の方に対して、今こういうふうなことでこうなっているという話を直接説明するということも考えられたかもしれません。その意味では、今、この位置に立てば、「もっとこうすればよかったのではないか」という知恵は浮かんではきますけれども、それは今あるからではないかなと思っております。
 今回の事件から我々が学ぶことがあるとすれば、やはり放っておくのはよくないということであろうと思います。正規の手続を経て請求が来ているものについて、やっぱりたなざらし状態に置いておくということについては、これは地裁の判決を待つまでもなく、やはりこれからの県政としてはとるべき手段ではないと私は思っておりまして、今後このようなことは起きないとは思いますけれども、起きた場合にも、それはきちんとした形でなるべく早く話をし、対応するようにしていきたいと思っております。

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