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質疑応答:台湾での佐賀県観光説明会・交流会概要、原発関連、衆議院解散関連 その1
○佐賀新聞
 まず何点か。先ほどちょっとおっしゃられましたけど、あした台湾に行かれるということで、その概要を教えてほしいということと、県議会の原子力の特別委員会で、県のほうの追加調査を受けられた上で、自民党以外の会派のほうから、県の調査だけでは限界があるから、やはり第三者による調査を求めたいという意見があるんですけれども、そのことに対して、改めて県としてどう思われているかというのと、衆院が解散しましたけれども、政権交代での民主党政権の3年間の評価をどう捉えられているか。あと一つは、今度の選挙の中で首長が政党の代表や代表代行を務められているものもあるんですけれども、知事としては特定の政党、あるいは候補者を応援することについて、あるいはご自身が応援することがあるかどうかについて、お聞かせください。
○知事
 はい、ありがとうございます。まず、あすの台湾の観光プロモーションの概要についてでありますけれども、後ほど具体的な日程を書いたものを皆様方にお渡ししたいと思っておりますけれども、台湾のお客様を佐賀県に呼び込むためのキャンペーンを行いたいと思っておりまして、そのために私自身が、あした台北で行われます佐賀県の観光説明会に参加をして、旅行社の方々、あるいは雑誌社の方々などに佐賀県の魅力、観光をアピールするということをやりたいと思っております。あした1日だけですので、そんなに長い時間をとってというわけにはいきませんけれども、台湾は、数年前にチャーター便があったときにある程度来ていただいたということがありますけれども、その後、余りたくさんのお客さんを迎え入れるということができておりません。ぜひここには力を入れて、現在、中国の方に受け入れやすいような地域的な準備もしてきたところでございますので、今、中国本土からのお客様の送客がなかなか直下では見込めない中、台湾からの送客というものに期待をしたいと思っておりまして、今回こうしたキャンペーンを観光連盟として行うこととしたものでございます。それが1点目です。
 あと2点目が、原発特委の関係で、県の調査には限界があるので、第三者でというお話でございましたが、県としてもこれまで何度かにわたって調査を行ってまいりました。皆様、調査結果はお手元に渡っているかと思いますけれども、関係者がもうそんなに多くない中で、しかも、数年前の事柄で資料が残っていない中、調査に協力をしていただいて、さまざまなことがわかりつつあります。全てのものがわかっているわけではありませんけれども、私は、これをどなたか別の方にお願いすれば、より何かがわかるとは思っておりませんで、この数年前のことで、その当時──こういう言い方はおかしいかもしれませんけれども、物すごく大変なことをしているという意識なく仕事を進めていく中でのことについて記憶を鮮明に持っているということがないのは、ある程度仕方ないことではないかとも思っておりまして、そういう極めて厳しい状況の中では、私は牟田副知事初め関係の方々はきちんと議会の期待、あるいは県民の皆様からの期待に応えるべく調査を実施していただいたものと思っているところでございまして、この段階であえて第三者に対して調査をお願いする必要はないと思っておりますし、また、お願いしたからといって新しいことがわかってくるということにはならないのではないかと私は考えているところでございます。
 次に、解散に関連してでございますけれども、1つは、この解散は前回の選挙から今日までの間で、マニフェストという言葉の評価が大きく変わっていったと思いますが、改めて選挙のときに候補者が発する言葉の重みを実感する選挙であってほしいと思います。もともとマニフェストという言葉が我が国で出てきたのは、選挙のときに語る候補者の言葉、政治家の言葉が軽過ぎるというところからがスタートでございました。選挙のときに約束したことは必ずこれを実現するために最大限の努力をするということを日本の政治の中で当たり前にしなければいけないということをもってマニフェストの運動が始まったわけでございますし、私もそれに賛同したところでございます。
 地方の首長の選挙においては、マニフェストというものが一般化し、そして、その実現に向けて努力をするということがなじんできている気がいたしますが、本家本元の国政においては、マニフェストでお約束をしたことが大きく実現をできないということが残念ながらこの3年間の間に見えてしまったというところがあります。極めて残念に思います。もちろん選挙のときには、当時の民主党はこれが実現できると信じて訴えられてきたのだと思いますけれども、私は当時、全国知事会の政権公約の評価特別委員会の委員長でございましたけれども、私どもは当時から、いわばプロフェッショナルな目から見て、政策の実現性に疑問符があるということを申し上げていました。ですが、それは政権をとればできるというふうに民主党のほうはおっしゃっておられたわけでございますが、残念なことに、実際にやってみたらできないことが多々あったことも事実でございます。その意味で、今回はもう一度政権公約、あるいは選挙公約、マニフェスト、呼び方はいろいろあるかと思いますけれども、それだけ国民の目が厳しくなっているということを各政党に肝に銘じていただいて、何をやるのか、そして具体的にどうやっていくのかということをしっかり公約の中で示していただきたいと思っています。
 私自身の関心から言えば、何をやるのかということよりも、むしろどうやって実現していくのかというその実現のプロセスが明確になっているのかどうかということに注目をしてみたいと思っています。ゼロから1を生み出すような形のものは、なかなか成熟した民主社会では難しいと思っています。現行の制度を前提にして、それをどういう形でどうすればそれを実現できるのかというプロセスが、道筋が見えているのかどうかということで、本当にこの政党の言っていることは実現できるのかということが私はある程度見えてくるのではないかと思っているところでございます。
 一方、この3年間の民主党政権の中で、地域主権改革を初めとして進んだところも幾つもあると思っております。例えば、私どもが強く求めておりました国と地方の協議の場、これについても成立をいたしました。また、国の出先機関の原則廃止とまではいきませんでしたけれども、それにつながる特定広域連合の法案についても、閣議決定にようやくこぎつけていただくことができました。これは総理を初めとする関係者の並々ならぬ努力があったからだと思っておりまして、こうしたことについては私どもは歓迎をし、評価するものでございます。
 一方で、私どもが危惧をしていたさまざまな各種の政策を実現するための財源の確保についてはできなかったという部分もあります。子ども手当なども約束どおりは実現できなかったという部分もあります。こうした給付型のかなり大きな経費を必要とするものについてはできなかったということは率直に反省をしていただきたいと思っておりますし、それはそのように総括をされているものと思います。
 また、余り目立たなかったんですけれども、高等教育といいますか、高校教育の無償化に向けて道が進められたということも一つあろうかと思っております。私自身としては、公立高校の授業料が無償化されて、その同額が私立高校に投入されてはおりますけれども、結果的に公立は無料、私立は有料という形になってしまって、民主党がもともと目指していた高校については授業料を気にせずに学校を選ぶことができるという、いわばクーポン制に向けた一歩のようなものが実現できていないのは残念に思っておりますけれども、こうしたことを通じて、その世帯の経済力というものが、次の世代の子どもの学力の差、いろんな経験の違いにつながらないようにしていくという方向については私も共感しているところでございます。
 また、障害福祉の分野など、福祉の分野についても一定の前進はあったものと思っておりますが、打ち出したものが多かっただけに、逆にできなかったものが目立っているという印象があるのかなと思っているところでございます。
 次に、4番目の首長が政党代表を兼ねることについてのお尋ねでございますが、私自身は自分が知事をしていて、これ以上、政党の代表の業務、あるいは代表代行のような業務ができるのかと言われると、それは大変難しいだろうと思っております。選挙で選んでいただいた者として、まずは佐賀県の知事としての仕事に全力を尽くすべきであろうと考えますけれども、例えば、議会の対応などを考えますと、国会と地方議会が重なったときに、仮にその代表をやるとか、あるいは法律改正が行われて国会議員をやっているというときにどっちの議会を優先するんだろうかということを思います。地方も国も同じ会計年度をとっておりますので、予算の審議は大体同じようなタイミングになるわけでありますけれども、そうした予算編成や予算の審議において、一方で国の予算を審議しながら自分の地域の予算をつくっていくという作業をやらなければいけなくなるわけでございます。こうしたことを考えますと、我が国においては二院制のうち参議院の力というものは比較的強い制度になっておりまして、強い分だけ審議日数も長く、決めなければならない事項も多いことになっております。もとより衆議院は優越があるというものでございまして、こうしたものを兼ねるということは実際にどうなるんだろうなと自分の中ではにわかにはイメージが湧かない状況でございます。
 もちろん国会議員にならなくても政党のある一定の責任者をやるということは、それは一人の政治家としてはあり得ることであろうと思っておりますけれども、実際に今、大阪市や大阪府の状況がどんな形になっているのか、むしろ首長が余り細かなところに指示をしない分、市政や府政はスムーズにいっているということがあるのかもしれませんけれども、私自身は、自分自身が首長を務めながら、ほかの政党の責任ある立場につくということについては考えられないと思っているところでございます。
○読売新聞
 先ほどのマニフェストへの信頼が揺らいでいるという話の関連で、今の党本部、国のマニフェストと同時に地方のローカルマニフェストと呼ばれるようなものもつくるところもあるんですけども、そういった動きに対するご所見と、今回解散されて、今からもう事実上の選挙戦なんですけど、どういうことを期待しているかと、ローカルマニフェストに関して。お願いします。
○知事
 わかりました。まず、その政党の党本部としてつくるもの以外にローカルマニフェストを県連なり何なりでつくるということについては私は理解をしておりますし、それは大変いいことではないかと思っております。というのは、党のマニフェストでは書き切れないこともたくさんあるからということでございます。私のイメージする選挙公約では、例えば、この有明海の再生に向けてどうするかみたいな話は、恐らく党本部としては書かれないことになるだろうと思うからでございます。こうした地域のテーマについて、その政党の県連の候補者の中で一致して県民に訴えようという事柄があれば、それをぜひ我々はこれを実現しますということで書いていただくことは大変よいことではないかと思っているところでございます。
 具体的にどういうものを書いてほしいかというものを上げれば、先ほど申し上げたような、海の再生についてということはあろうかと思っております。
 また、これは佐賀県だけで何か判断できるわけではありませんけれども、私自身はこの下半期に入ってということもそうですし、夏以降ぐらいから急激に景気が悪くなってきているということも感じておりますので、このいわゆる地方において経済を、景気をよくしていくために何が必要なのかということを、全国ベースというよりは、その地域に根差した形でこんなことが必要なのではないかということについて具体的な提案を折り込んでいただければうれしいと思っております。
○佐賀新聞
 民主党政権の3年間の評価に関連してなんですが、「コンクリートから人へ」という政策についての評価を伺いたいんですが、八ツ場ダムが一旦中止になってまた再開になったり、佐賀県では城原川が3年余りほとんど停滞していたと言っていいと思うんですが、その「コンクリートから人へ」というものの評価というか、知事がどういうふうに考えられているか、この3年間を振り返ってお願いします。
○知事
 いわゆる公共事業的なものから、もっと個人に対する給付や将来に対する安心に税金を投入していくべきだという方向性でそういう表現を使われたんだと思いますけれども、それはそれで私は政治のありようとしては一つの考え方だと思います。
 ただ、実際に佐賀県内の状況を見てみると、城原川の治水のことについても、結局、今日に至るまでそれをどうするのかという協議会は開かれていないわけであります。
 私どもは、いろんなことを考えた上で最終的にはダムによらざるを得ないという判断をしたわけでございますけれども、これはもともと国の事業でもございますので、政府が責任を持って、ダムによらずに治水対策をしっかり実現するとおっしゃるのであれば、それはそういったところで我々も協力をしていくということは十分あり得たと思っておりますけれども、残念なことにそういう方針を示されることがなく今日まで来てしまったと。
 有田の猿川ダムについては、これは公共事業の評価の委員会のほうからも、もう利水がなくなったということでコストが上がったということでもございますので、これはダムの建設を中止いたすことにしているわけでございますけれども、非常に関心の高かった城原川の部分については、この3年間で全く進まなかったということは残念に思っているところでございます。
 ただ、ダムをつくらずに治水で堤防の強化などでやっていっても、それはそれでコンクリートは使うわけでございますので、「コンクリートから人へ」というのが一つの政治的なメッセージであったということだろうと思っております。
 ただ、一方で、3.11の後、県民の方から、例えば、高潮が来たときに本当にこの堤防で大丈夫だろうかとか、そういう不安の声を寄せられることが増えてきました。その意味からすると、今まで10年、20年かけてやっていた防災に関する事業については、スピードアップをしてやらなければならないという状況になっているんではないかとも感じています。その意味からすると、民主党も今回のマニフェストでは、「コンクリートから人へ」とはおっしゃらないと思いますし、地域の方々が安心して暮らすことのできるような事業というものもどう織り込んでいくのかということも考えていただきたいと思っております。
 また、先ほどの民主党に対する評価の中で、大変大事なことが1つ抜け落ちておりました。税と社会保障の一体改革について、党内にも党外にも反対がありながらも、3党間で合意を取りまとめて法律を成立させたことについては私は高く評価したいと思っております。税のことについては、政治家はだれしも扱いたくない事柄でございますけれども、そういった事柄にきちんとチャレンジをして、そして実現をしていただいたということに対しては、このマニフェストに書いていなかったということについては、そこは批判される対象なのかもしれませんけれども、私どもは、こうした税と社会保障の一体改革の実現で、安心できる社会保障の社会をということを申し上げ続けておりましたので、これについては評価すべきだと思っているところでございます。済みませんでした。

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