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質疑応答:原発関連 その1
○西日本新聞
 大きく2点お尋ねします。
 まず、節電の10%期限が終了したということについてですけれども、今回、九州電力管内では計画停電ということにはなりませんでした。資源エネルギー庁のまとめで、大飯原発の再稼働がなかったとしても、西日本などでは夏を乗り切れたということがわかっています。このことが、玄海原発の再稼働についての考えに影響するかどうかということを、まずお尋ねしたいというのが1点です。
 もう1点目です。民主党のほうで2030年代に原発稼働ゼロという提言が出ております。政府・民主党の中で原発ゼロに向けた動きが加速しているように思いますけれども、これは立地県として長年、原子力政策に協力してきた立場としてどのように受けとめておられるか。
○知事
 わかりました。まず1点目の、今年の夏の電力状況について、大飯が再稼働しなくてもできたのではないかということでございますが、ちょっとそれが正確な数字なのかどうかは把握しておりませんが、結果から見たときにはそうであったという試算もあり得るだろうと思っております。
 ただ、可能になった要素というのを考えますと、節電にみんなが取り組んだ結果であるとか、本来もっと行いたい生産活動を企業が我慢していただいた結果であるとか、温度が覚悟したほどは上がらなかったという結果であるとか、そういう国民や企業、そして天候、そういったものの協力や偶然による要素といったものも合計してのものではなかっただろうかと思っております。
 電力は、暮らしのもとであるとともに、産業のもとにもなっております。企業活動を行う際に電力を使えるのか使えないのか、どれぐらいなら大丈夫なのかということを気にしながら企業活動を行っていかなければならないという状態は、私はいい状態ではないと思っているところでございまして、その意味では大飯が全く稼働しなくても、そういったことを考えずに暮らしや産業活動というものができたかと言われれば、それはちょっと違うのかなという気がいたしているところでございます。
 いずれにしても、この夏については、皆様方のおかげで無事に乗り切ることができましたが、この間、臨時的に九州電力の管内で動かされていた火力発電所がトラブルで故障したり、そのときには他電力から融通をしていただいて九州電力管内に電気が来たりしました。こうしたことなども考えますと、全くなくてよかったということになるのかどうかについては、もう少し慎重な見きわめが必要ではないかと思っております。
 いずれにしても、電気については必要なときに必要な量が供給されるということが基本でなければならないだろうと思っているところでございます。
 それともう1つ、今後のエネルギー政策についての議論の状況でございます。
 この原発の依存度を下げていく、そしてゼロにしていくということについて、政府の中で議論されているということについては、私どもも中長期的なエネルギー政策については国がしっかりビジョンを示してほしいということを言っておりましたので、その状況を注意深く見守っているところでございます。
 政府や民主党内においては、これからのエネルギーのことを考えるに際しては、もちろん原子力発電所に対する不安の声が大きいということを踏まえてのことではありますけれども、それを原発の依存度を下げていくことに伴って処理していかなければならないさまざまな問題、例えば再処理をどうしていくのかという問題や、CO2の排出量が増えていくという問題、あるいは料金の問題、また、それを実現するためにかかる時間をどう考えていくのかという問題、こうしたことについても資料を出して国民に問うておられると理解をしています。そうしたことを含めて、国民の皆様方の中においても大いに議論をし、考えていただくということを私は期待したいと思っているところでございます。
 佐賀県は、数十年にわたって原子力発電所の立地県として、この九州を初めとする我が国のエネルギー政策に協力をしてまいりました。特に立地町、そして周辺地域の皆様方には、いろんな意味でご協力をいただいているところでございます。私どもこの立地地域の思いとしては、その原子力発電というものの意味や、その立地している地域に対するこれまでの経緯や感謝というものは、もちろんしっかり、政府だけでなく電力を使う側の方にも持っていただきたいという気持ちに立っておりますけれども、将来、我が国がエネルギーをどういう形で供給していくのかという議論に当たっては、その中長期的なエネルギー政策のあり方という観点からの議論をしっかり詰めていただければと思っているところでございます。

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