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記者会見
古川前知事の記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。
 
※政治活動についての発言部分は、除いています。
※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。

質疑応答:原発関連、国際リニアコライダー(ILC)関連 その1

○共同通信
 知事に2点お伺いしたいんですが、まず1点目なんですが、先日の原子力安全対策等特別委員会が4月25日付で行った要請に対する30日付の知事の回答についてが1点目で、「誠意を持って回答する」というのはまずどういう意味かということで、やらせメール問題とプルサーマル公開討論会での問題を起こした責任を認めて謝罪するべきだという理事会の意見についてまずどう思うかというのが1点目ですね。
 2点目なんですが、8日に福岡県の小川知事が会見をして、古川知事も一緒にCERN(セルン)を訪問して脊振地域へのILC誘致アピールをするというような方向になっていると思うんですけど、いつ誰に会ってどのようなことを訴えるかという今後の詳細についてまずお聞かせいただけますでしょうか。
○知事
 それでは、お答えさせていただきます。
 まず、1点目の県議会の原子力特委の対応の関係でございまして、大きく質問は2つあったと思っております。1点目が、「誠意を持って」とはどういう意味かということでございまして、これは気持ちの問題ということなんでありますけれども、これまでも議会の場で聞かれたことについては、私としては誠意を持って答えてきたところでございますけれども、今回の要請書に対するお答えとしても、きちんとした対応をしたい、そういう気持ちを誠意を持ってという言葉で表現させていただいたところでございます。今までが誠意を持って答えていなかったとか、そういうことではなく、改めて議会に呼ばれて答えるときの私自身の心のありようについて述べたところでございます。
 次に、要請書のこうした内容が決定されたことについてどう思うかという趣旨のお尋ねであったかと思います。この要請書の内容そのものは大変厳しい内容であり、厳しいご指摘であると受けとめています。それに対してどう思うのか、どうやっていくのかということについては、まさにそのことが特別委員会で聞かれていると思っておりまして、特別委員会、開催を決定されたと伺っておりますので、その特別委員会の場において、私の考え方についてはお話をさせていただきたいと思っているところでございます。
 次に、CERN(セルン)訪問でございますが、私にとっては5年ぶりの訪問ということになります。5年前に行ったときには、今の所長がまだ次期所長予定者ということになっていまして、当時の所長や今の次期予定者、そのほかCERNの研究者の方々と意見交換をしました。それまで文字の上だけ知っていたCERNという研究機関、あるいは当時建設中でありました巨大な検出器ATLAS(アトラス)、こうしたものを見ることができて、私自身、ILCというものが立地をしたときにどういう状況になるのかということの具体的なイメージを持つことができました。その後に脊振地域として、改めて立地を推進していく協議会ができましたので、今回はその立地の推進に向けた取り組みの一つとして小川知事とともに訪問することにしたものでございます。改めて脊振地域というところが非常に熱心にこの誘致に取り組んでいるということや、この素粒子物理学にとどまらず、基礎科学やサイエンスそのものに対して両地域が非常に熱心なさまざまな取り組みをしているということを相手に対してきちんと伝えていきたいと思っております。
 特に佐賀県は毎年夏休みに物理の高校教師をCERNに派遣をしています。4年間で4人派遣をしていまして、日本の自治体でというか、日本からCERNに派遣をしているのは佐賀県だけであります。こうしたCERNと佐賀県との関係ということもありますので、そういったことも向こうに改めてお伝えをしていきたいと思っております。今回の訪問で、改めてCERNの方々やILCの立地を担当しておられる方々に対して、脊振地域の持つポテンシャル、あるいはその立地に向けた可能性というものについて意見交換ができればと思っておりますし、私も私として、佐賀県として、独自のいろんな視察や勉強をしておきたいと思っているところでございます。
○NHK
 すみません、視察に関連してなんですけれども、今、ILCの国内候補地の一本化の作業が進められていますけれども、北上と比べたときの候補地の適性については、脊振地域というのはどんな地域だというふうに知事お考えでしょうか。
○知事
 脊振地域は非常にいいポテンシャルを持っている地域だと思っています。今から申し上げることは脊振地域の持つ特徴であって、北上地域のことを批判するわけでも非難するわけでもないということをあらかじめ申し上げておきたいと思うんでありますけれども、この地域の持つ魅力は、一つには、既存の地域や既存の社会的なポテンシャルを有効に生かせるということだと思っています。まだどの地域に具体的にどういうものができるかということはわかっていませんが、どの辺に決まるにせよ、その近くには都市があり、そこに既にある一定の人たちが住んでおられ、移動するのにも既存の交通機関を使って移動することが可能だという意味で、既存のインフラを有効に使えるということが魅力だろうと思っています。また、今回のILCの立地のためだけに何かを行うということではなくて、この脊振地域の場合には、例えば、既存の大学の研究機関なども近くにございますし、その意味でILCのためだけに何かをやるというのではなくて、そのほかにも使えるべき研究所や関連産業というものが既に立地をしているということもメリットだろうと思っています。
 それともう1つが、温暖な気候ということで、例えば、佐賀県の数字で見てみると、年間の日照時間はたしか6位とか7位とか、非常に晴れの日が多いということもありますし、温暖な気候ということもあります。そして、太古の昔からと言っていいと思いますけれども、海を通じてほかの国や大陸との交易が盛んだったところであります。このように世界に対して開かれた地域であるというところがこの脊振地域のメリットの一つでもあるだろうと思っています。私たちは研究者にとってどういう地域が暮らしやすく、かつ研究がしやすいかということが大事な視点だと思っていまして、その意味においては、脊振地域というのは気候的な面においても、あとは既存の地域社会のインフラというものを有効に活用できるという意味においても、非常に有望なところではないかと思っております。
 また、最後にもう1点言えば、以前から佐賀県もそうでありますし、福岡県もそうでありますけれども、サイエンスというものに対する熱心な取り組みということをしてきました。地域の方々、あるいは地域の自治体がこうした分野について理解と関心を持っているということはプラスの要素ではないかと思っているところでございます。
 以上です。
○NHK
 あと、脊振地域の誘致実現の可能性というのは、どんなふうにお感じになっていらっしゃいますか。
○知事
 日本政府さえその気になっていただければ、かなり高いのではないだろうかと思っています。もう皆さんもご存じのように、北上、そして脊振の両地域は、非 常に熱心な取り組みをしておりますし、国会議員の先生方による議連もできている。あるいは、いろんな関係団体の動きも活発になってきているところでありま すけれども、肝心の日本政府としてやるかやらないのかということをまだ決めていません。もちろん、費用のことがあるのも事実でありますけれども、一方で、 一方でといいますか、そういったこともあって、なかなか政府としての方針が決められていない。政府がやるぞということを決めていただければ、私はかなり立 地の可能性は高いのではないかと思っています。何%ぐらいかはわかりませんけれども、非常に素直に考えていったときに、我が国がやると決めていただけれ ば、脊振地域に立地する可能性というのは相当程度あるのではないかと思っているところでございます。
○NHK
 先ほどの繰り返しになるんですけれども、今回、CERN訪問2回目になりますけれども、改めてどんなことを訴えていきたいのかというところと、あと今 後、計画が実現するとなると、具体的にまちづくりや都市づくりやなんか考えていかなくちゃいけないと思うんですけれども、どんなところを力点を置いて今回 視察なさってこようというふうにお考えでしょうか。
○知事
 まずは科学者が研究する環境、家族とともに暮らす環境、そういったものの中でどういったことが求められるだろうかという点は、前回聞けていないので、前回は、とにかく素粒子物理学の最先端の研究所とはどういうものかということで、主に学問主体でものを聞いてまいりましたので、今回は、具体的に立地を考えたときには、モノではなく人が、しかも一定の場合、家族とともに暮らすようになるわけで、そういったことを実現しようとするときに、どういったことが必要になるのかという観点をしっかり頭に置いておきたいと思っています。
 CERNで働いている日本人研究者たちがつくっているサイトがあるんですけれども、それを読んでいても、例えば、ここで暮らすときには運転免許は日本国で発行された国外運転免許証から、EUやスイスの運転免許証に切りかえなくちゃいけないけれども、その手続が大変難しいという話から始まり、家をどうやって探すのかとか、あそこの大家さんはフランス語しかできないので、なかなか交渉がしにくいとか、そういったことがいろいろ書いてあるんですね。現実に立地ということを考えたときには、なかなか英語が通じにくい我が国の中で、世界中から集まってくる研究者たちに対して、どういう快適な環境を提供できるかということが必要になってくるだろうと思っているんです。そういう具体的なところをいろんな方面について、できればいろんなところに出かけていって情報収集できればなと思っています。

>>国際リニアコライダー(ILC)関連 その2

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