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平成29年度 当初予算案

○NHK
 新年度予算ですけれども、今、細かく説明いただきましたけれども、全体として知事が特に力を入れた点、意識をした点、あるいはその狙い、そのあたりをちょっと最初にお伺いできますか。
○知事
 私は今1期目の半分まで来ましたけれども、最初にやりたいなと思っていたのは、佐賀県民の誇りの醸成、佐賀はこんなにすばらしいところなんだということを、どちらかというと県民自身に知っていただきたいと。そうすると、毎日の幸せ指数というか、佐賀で暮らせる喜びをもっと知っていただけると思っていたので、その部分がちょうど来年の明治維新150年という、私にとってタイムリーだったタイミングが訪れたので、それに力を入れていきたいということと、それから、人の痛みに敏感な県政ということで、先ほども説明いたしましたけれども、人それぞれのさまざまな辛さだったり、思いだったりということに、少しでも寄り添っていくんだということを着実にやっていきたい。全てに対応したいという気持ちはあるんですけれども、おのずと制約があるので、全部はできませんけれども、着実にやっていきますというメッセージは今回の予算でも極力対応したつもりです。それから、やはり佐賀のものというのは世界基準で物事を考えていくと非常にわかりやすく説明できたり、すばらしいものに仕上がったりするので、そういう世界に芽出しをするような予算といったものあたりを意識して、今回は編成しました。
○佐賀新聞
 ちょっと先ほどの質問とダブるのかもしれないんですけど、今回、予算編成に当たって、大本のきちんとした問題意識はどういうものがあって、今回こういうことに反映していったみたいな、問題意識というのは何なのかというものをまず教えてください。
○知事
 今回は部制になって、部ごとに自分で予算を組み立てて、そして、それを全庁的な観点で新財政課がよく査定をしながら組み立てていくという、佐賀県にしてみると12年ぶりの予算編成をしたんですけれども、そのときに、どうしてもやはり本当に現場を見ているのかと、私もいろんなところで体験をしたり、地域の皆さん方と意見交換をする中で、現場に立脚したような予算になっているのかについて、いくつか不安になったところは、最終段階でそういう現場の皆さん方を集めて、私も出席して意見交換をしながら、そこに根づいたようになるような形での予算編成を指示したりはしました。
 そのほか、やはり少しでも、ある程度短期間で物事が動くように、今から佐賀県は国体などもあって、いろんなハード整備も含めて多くの事業が目白押しではあるんですけれども、ある程度前倒しでできるもの、先ほど言った城内の整備だとか、そういったものも、一時にハードの事業が集中しないように、ある程度平準化になるように、前倒しできるものは前倒ししながらやっていくと、そういったところについても気を遣ったということ、それから、やはりこれからだんだんそういう大型事業化が進んでいくので、中長期的な財政運営は大丈夫なんだろうかというような着眼点については指示をしながら、今回できるものを整備して、ある程度積極的な予算にはしたというところでしょうか。
○佐賀新聞
 知事はかねがね現場の大切さを訴えられておりますけれども、今回、知事として現場で見聞きされたものを具体的に反映させた事業というのを、例えば具体的に挙げていただくと。
○知事
 特に施策は、この(人に寄り添う事業)関係あたりは、特に例えば私立もそうですけれども、やはり県立がどうしても優遇されているところがあって、むしろ私立のほうに厳しい環境の子どもたちが行っていたりする現状があったりするだとか、発達障害関係なども、本当にまず相談窓口がしっかり機能しているのだろうかという切り口だとか。レスパイトですと、やはり月に1回でも2回でも、場合によっては病院に預けたいとか、病院に入院環境がなければどなたかに対応していただきたいとか、そういう声は非常に強いものがあって、そういった皆さん方へのフォローをしたということ。
 それから、このスクールバスもなかなかこれまで進まなかった。どちらかというと、佐賀県は寮があるからそっちでいいんじゃないかという話がありましたけれども、皆さんの声を聞いてみると、寮はわかるけれども、小さいときはできるだけ自分の家庭に置いておきたいという声もあって、両方あってもいいじゃないかということで、これもやってみてどうなるかのチェックを進めながら前に進むというところもあるんですけど、さまざまなところにそういったチャレンジをしています。
 この一番最後のは、そういったことで引き続いて現場の声を聞いてやろうということを予算で懇談会の形にしたのが(資料の)一番下。
○佐賀新聞
 ということは、人の思いに寄り添う事業というのは、県職員の現場ではなくて、ある程度は知事が実際に現場の、佐賀県内の現場で見聞きされたことを、ある程度事業化していったというイメージと。
○知事
 そうですね。妊婦(体験を)やったり車椅子(体験を)やったりとか、障害者との意見交換会をやったりとか、皆さん方と。という中で、部のほうからも、その中でこういうのもありますよ、こういうのもありますよという話もあって、その中でお互い意見交換をしながら組み立てていったということなので。ですから、網羅的になっているのかなというところはまだまだあるんですけれども、それでも手をつけていきますという部分を県民の皆さん方に示せたらいいなと思っております。
○共同通信
 池田学さんの絵を購入されると思うんですけれども、すばらしい絵だと思うんですけれども、この1億3000万円という価格の妥当性について、知事はどういうふうに考えていますか。
○知事
 これはまさに、いろんな県民の皆さん方のさまざまな思いもあろうかと思います。ちょうど(岡田)三郎助の裸婦像が同じぐらいだったと思います。私は、池田学さんの芸術家としてのセンスもさることながら、やはり絵にかける非常な思いというか、佐賀に対する強い思いだったり、その中で世界に向けた普遍的な人間の姿だったりする、しかも挑戦していく姿、それから非常に災害というものに対して、人というもののなせることの性というか、警告だったりとか、そういったものというのは特に佐賀県は災害というものに向かい合う、そして原発立地県でもありますから、いろんなところで我々が忘れてはならないものがさまざま組み込まれているんだろうと私は思っているので、確かに県民からすると高額かもしれませんけれども、それをさまざまな場面で活用することによって──県のものになりますから、活用することによって、その額以上の効果が県民の中にしっかり育まれるように対応していきたいと思います。
○読売新聞
 知事の思いはすごく伝わってきたのですが、一方で県の県税が減るというので、2月の補正予算の会議のときにもおっしゃっていました、財政健全化とあわせてそのバランスのとり方は、知事は今回どのように考えられたかというのを。
○知事
 今回、こうやって組み立ててみて、事業税なども、佐賀県の場合は大手がどうなるかというところに左右されるところが多くて、そういったところもしっかり見据えながらこれから運営していかなければいけないなとも思いました。もともと本県自体の財政構造自体が非常に脆弱でもありますし、依存財源に振り回されているところもあるので、それをしっかり踏まえながらも、今やらなければいけないところという事業の選別、そういったことに非常に今回は気を遣って、よく議論しながらつくった予算です。
○佐賀新聞
 先ほど知事が最初に、12年ぶりの全庁的な査定による予算編成というお話をされたと思うんですが、今回の予算編成で、査定の成果についてはどのように評価されていますか。
○知事
 今までどちらかと言うと、枠的なところで各本部が自由に泳いでいたところもあったとも聞いておりますけれども、今回は全庁的にスクリーニングをかけたことで、例えば農業と漁業を一緒にやっていこうとか、いろんな連携型の予算もいくつか取り組まれたと聞いておりますし、私自身も全体としての連携にむしろ気を遣うという形にもなったかなと思います。
○佐賀新聞
 今後、ハード整備が立て込んでくるというようなお話があったかと思うんですが、そういう中で、事業の選択と集中というところが求められてくると思うんですが、そういった意味で、査定の機能というのをより発揮していかないといけないという部分はあると思うんですけど、そのために今後必要なことは何だというふうに思われますか。
○知事
 今回はそういった意味で、財政課の査定が久しぶりに復活したところもあるので、鳥瞰的な視点、今まである部分、本部として自分の部の中で必要なところに施策を打っているというような感じであったところが、今回は佐賀県全体像を見ながらの予算編成なので、さっき言いましたけど、逆に現場が見えなくなったらいけないというところもありますし、せっかく鳥瞰しながら佐賀県全体の予算を組むわけだから、そういう鳥瞰的な、特に財政課とか、政策部だとか、そういったところの全体を見る目、佐賀県という船全体、船自体をしっかり見なければいけないし、その進むべき海原がどうなっているのかを大きな視点で見ていないと意味がないので、そういったところについてもこれから気を遣っていく。後で財政課長にも聞いてもらったがいいと思いますけれども、ここはまだまだ道半ばなんだろうと思っています。
○時事通信
 先ほど法人事業税の話が出ましたけれども、アベノミクスの効果というのは、佐賀県においては効果が出ていると思われるんでしょうか、それとも、まだまだなんでしょうか。
○知事
 ストレートにはなかなか出てきづらいところがありますよね。ですから、本当にこれからが正念場になってくるのかなと思いますし、先ほど言いましたように、ある部分、大企業が大きく寄与するのがうちの税収構造なので、そういったところにしっかり我々ももっと目を向けながら、国に対してもいろいろ言えるところは言っていきたいなと思います。
○時事通信
 国に対して言いたいことって、例えばどんなことが挙げられるでしょうか。
○知事
 特に今で言うと、うちは自動車とかも含めて部品メーカーが多いんです。ですから、海外進出で、例えば工場がメキシコにあったりとか、国際関係だったり、さまざまな為替だとか、そういったものに影響する企業もあって、そういったところの思いをしっかり代弁して言えるようになったほうがいいのかなと思ったりもしています。
○朝日新聞
 農業と漁業の新規就農者の事業ですけど、1次産業の振興というのは、県としてこれまでもやってこられたかと思うんですけど、今回、このタイミングで2つの1次産業について新規就農者の支援事業をするという狙いについて、改めて教えていただいていいですか。
○知事
 本当に担い手が高齢化して、しかも、例えば農業だったりすると、今、若手が非常に頑張って、自分たちがいかに気持ちを込めてすばらしい農産物をつくっているのかと、そして、それにストーリーを与えながらという、だんだん元気になってきたところがあって、そこにさらに元気を注入することによって、規模自体もある程度大きくして、今まで小ロットだったので、ある程度大型化してやっていくためには、活きのいい若者たちが入ってくることが大事だと思っていて、実は今年度の事業でも、東京農大にターゲットを絞って、こっちに実際に演習に来ませんかという事業で、今度10人以上来たりとか、若い人たちに農業、漁業で起業する喜びを知ってもらいたいと思っています。
 それと、せんだって指示したんですけれども、やはり我々の一つの魅力は工業高校や農業高校とか商業高校だとかの実業系の高校ですけれども、どこかに就職する、どこかの工員になるというのはあっても、特に農業系とかでは起業するという授業があんまりないんです。自分でやってみようよと、農業産品つくって6次産業化してとか、そういった起業化するような授業があったり、そういうアドバイザーに入ってもらうこととかが必要なのかなということで、そういったこともこれから考えていきたいと。いずれにしても、若い人。
○朝日新聞
 県内のそういった高校生もあるかと思うんですが、県外の若者も支援に。
○知事
 はい。いずれにしても、佐賀県に多くの志のある若い人たちが集まってくるようにしていけば、もともと素材には自信はあるので、将来性はあるのではないかと。むしろそちらのほうに力を入れたほうがいいんではないかという感じ。
○佐賀新聞
 今回の予算全体を俯瞰していただいて、どれくらいまで知事の思いがなし遂げられたというふうに思っておられるのかというのと、知事として点数をつけられるとしたら今回の予算は何点ぐらいをつけられる感じでしょうか。
○知事
 私は、自分として、知事として、県庁のリーダーとして、方向性はもう大分言ってきたつもりでもあって、その中で、私は非常に佐賀県職員に誇りを持っていて、この鳥インフルエンザもぴしっとしっかりそれぞれが士気を高くやってもらったり。ですから、方向性を示した上で、自分たちで考えようという部分を無理してつくっているところもあるんです。全部私が指示してしまうと、この船自体が、船長がいないと全く動かなくなるので、そうした中で、今回の予算もある程度、自分としてはわざと様子見をしているところもあって、みんなからどんなものが出てくるのかなという中では、去年よりは格段に成長していると思いますし、この流れでいけば、もっと次年度以降は現場をしっかり見た上での政策というものが出てくるのかなと期待したいと思いますので。
 去年は80点と言ったんだっけ。言っていないか、そんなこと。予算だから、その思いで頑張ろうという意味では腹八分のような感じで。腹八分っておかしいか。そんな感じで、予算の制約もあるので、自分がやりたいことを全部予算化するというのは無理な話ではありますけれども、何とか8割、しっかり前に進めるように、その8割が120点になるような形にこれから実践で頑張っていくということだと思います。
○担当副部長
 去年は思いの半分ぐらいと……。
○知事
 半分と言った。じゃ、今回は8分で。

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