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平成30年度当初予算案

 本日は、平成30年度の当初予算案についてご説明させていただきたいと思います。
 まず、予算案の規模ですが、4,368億4,700万円で、前年度当初予算比でいいますと0.8%の増ということになっております。
 今年は維新博ですとか子育てし大県を充実させたいという試みで、何よりも社会保障関係経費が伸びているということですけれども、今、プライマリーバランスが黒字であるということもあって、公債費が年々落ちてきております。そして、中小企業事業資金貸付金の減、今、金利の問題や景気の問題もあってなかなか制度金融自体がそんなに貸し出しにならないという話もあって、全体として見ると微増ということになっております。
 佐賀県総合計画2015の最終年度であります。計画の基本理念であります、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を実現していきたいと思います。そのため、平成30年度の当初予算は、「さがの誇りを未来につなげる予算2018」といたしまして、県民の皆さん方が佐賀に誇りを持ち、佐賀の未来が明るくなるようにという思いで予算を形成させていただいております。
 ということで、今年の新年度予算につきましては、ここにありますように、4本立てになっております。そのベースにありますのが、「さがの誇りと志の醸成」という部分です。そして、支える部分として社会資本整備があるという形で構成されております。
 以上、述べたようなそれぞれの特徴を持った事業をこれから紹介させていただきたいと思います。
 まず、プロローグというか、我々が考えなければいけないのが、さがの誇りと志の醸成であります。
 これは、知事就任以来ずっと申し上げてきたところですけれども、佐賀を飛躍、発展させていくには、まずベースとして佐賀県民の皆さん方が佐賀のことをしっかり知って、未来に向かうためにも、過去もよくわかって、みずからの魅力もよくわかった上で未来へ飛び出していくという、シビルプライドとか言ったりしますけれども、まず、みずからがみずからの誇りをしっかりとした蓄積の上で飛び出していくということが大事だということです。そして、ちょうど4年目に明治維新150年が来るということですので、その誇りの醸成というところを大事にしていきたいなと思っています。
 明治維新の原動力となった佐賀の技・人・志を次世代にということで、もちろん150年前と状況は違うわけですけれども、150年前と共通しているのは、技と人と志というエッセンスだと思っています。150年前は佐賀と唐津と鳥栖がばらばらの藩に行ったりとか、中央集権的なところで佐賀藩は努力をしたりとか、女性活躍なんかもそうですけど、今と同じである必要はありません。150年前と同じことをやろうというわけではありませんけれども、学ぶべきものがあって、未来に行くヒントがここにあるんではないのかという趣旨で我々佐賀県は肥前さが幕末維新博覧会を実施するということを、まずお話しさせていただきたいと思います。
 そして、「その時、日本は佐賀を見ていた。佐賀は世界を見ていた」ということ、そして、「今、佐賀は未来を見ている。」ということ。技・人・志、そして、志を次世代に承継するというコンセプトを大事にしていきたいなと思っております。
 さて、明治維新150年記念さが維新事業ですけれども、3月17日にいよいよ開幕します。今のところ、いろんな取り組みが予定されております。薩長土肥──鹿児島、山口、高知の県知事さんも来ていただけるということになっております。そして、今回は玉屋のほうで長崎館という、長崎県の事業も行われることになっており、長崎県も参加ということでして、ぜひそういった旧友藩の皆さん方にも佐賀県というものをいま一度知っていただく機会にしたいなと思っています。
 これは記者の皆さん方にはずっとこれまでも話してきたことなんですが、市村記念体育館の幕末維新記念館がメーンホール、そして、リアル弘道館、葉隠みらい館、ユージアムサガ、鳥栖、唐津にあるサテライト館ということです。
 ちなみに、リアル弘道館につきましては、4月16日オープンということにご留意いただきたいと思います。みんなで盛り上げていきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、今回は鳥栖、唐津も佐賀県として一つの県として飛躍していくということ。そして、東京というものを媒体にしなくていい。150年前は東京に多くの技術も、そして人材も送ってしまったんですが、今回は東京に送らずに、みずからの力によって世界に羽ばたくことをベースに考えてやっていくことがポイントであります。
 そして続きまして、関連事業ですけれども、実は今回の肥前さが幕末維新博覧会につきましては、本来の展示館のほかにもさまざまなこれに関連する行事が盛りだくさんであることが大きな特徴でもあります。肥前さが幕末維新の「技」展、「人」展、「志」展、そして、温故維新 美・技のSAGA展ということで、例えば岡田三郎助から池田学への変遷みたいなものもたどっていきたいと思いますし、木版摺更紗の鈴田さんの展示する予定でもございます。
 そして、岡田三郎助さんの恵比寿のアトリエを持ってくる事業も、4月1日からですね。今、ちょうど工事中で、皆さん方も気づいていただいていると思いますけれども、楽しみにしていただきたいと思いますし、徴古館、オランダハウス、さまざまな企画展が実施される予定でございます。
 それと、今回の博覧会の大きな特徴は、3月17日から約10カ月間開催されるということです。ちょうど1月14日までなので、成人式帰りに佐賀をふるさとに持つ皆さん方にも見ていただけるように配慮して冬休みまでやるわけです。この10カ月間にいろんなご意見もいただくことになろうと思いますので、県民が主体となった、みずからがいろんな形で参加するような博覧会を目指していきたいなと思います。今、続々とパートナーシップということで、私の学校はここの館を応援するよ、という連携も大分増えてきたので、そのように県民それぞれが参加型の博覧会にしていきたいと考えております。
 さて、来年度事業の一つの大きなポイントとして、佐賀県の伝承芸能祭事業というものがあります。私の思いについては、きょうのGM21でもテーマとして取り上げてみたいなと思っているわけですけれども、佐賀県の浮立だとか、さまざまなすばらしい伝統芸能があるわけですけれども、次世代にこのまま続いていくのだろうかという不安の声も多く寄せられています。私も日本全国、こういったものにも携わってきたんですけれども、自分たちでこれを楽しんでやっているところほど残っている。何となく義務でやらされているような、それこそ年長者から言われてというところはなかなか厳しいという状況なども感じます。舞台があることによって、みんなが少しでもいろんな楽しみを見出していただきたい。発表の場があることによって地域が一致団結して何かをやっていくというようなものができればなと考えておりましたので、今回、10月8日に佐賀県伝承芸能祭という初めての試みをやってみたいなと思います。
 そのときには県内の20団体と、あわせて、私がいろいろ見てきた中で県外の団体で、本当におもしろいなとか、ストーリー性があり、見てて楽しいな、どんな取り組みをやっているのかなということが参考になる団体もお呼びして、みんなで喜んで伝承芸能を堪能していく最初の年にしたいなと思っています。団体間の交流の場も提供して、伝承していくことに苦しんでいるのは自分たちだけではないと知り、みんなで盛り上げていくような、そういう元年にしていきたいと思っております。
 さて次に、県民の命を守る予算ということです。鳥インフルエンザですとか、雪害だったり、豪雨災害とかいろんな災害があるわけですけれども、そのための危機管理体制というのは常に点検しながら、特に、常々申し上げているようなオペレーションの有効性という実効性を発展させていくとが大事だということがまずイの一番に上がると思います。
 それについては、なかなか予算という形で上がらないんですけれども、いろんな事業を展開させていただいております。
 まず、城原川ですけれども、私も流域の皆さん方との話し合いや、自然環境を守るべきだという皆さん方の意見など、いろんな意見も踏まえて、ダム事業ということで具体化していくという方針を決めました。今回、30年度の政府予算には建設段階に移行するということでして、一番の目的は何といっても治水であります。本当に今、豪雨災害というものが点的にも全国各地で起きている中で、佐賀県ではもともと一番は治水、もちろん利水もそうでしたけれども、水との戦いである地域であったので、一日も早く新規建設ダムとして誕生できるように今後とも努力をしていきたいと思っております。そして、必要な予算の確保、一層の事業推進についても国に働きかけてまいりたいと考えております。
 続きまして、がん対策充実・強化事業です。
 本県は、特に肝がんの死亡率が、18年連続ワーストワンを続けております。肝がんの主な原因というのは、ほぼ、9割ぐらいは肝炎ウイルスですね。特に佐賀県はB型の保有者が全国の2倍、C型が3倍ということで、そもそも保有者が多いわけです。ですから、よその県に比べても、ぜひ一生に一度でいいので、肝炎ウイルス検査を受けていただきたいとい思いからキャンペーンをずっとやっているわけですけれども、まだまだご理解されていないところがあります。特に、働く世代に検査を受けていない方が多いということに着目しました。実はこれまで、県や市町が行う検査は無料だったんですけれども、逆に、県内多くの事業者が加入する協会けんぽが行う検査は一部自己負担のほうが残っています。市町が行うほうが無料化になったものですから、かえって一部負担が残ってしまったんですね。今回、この検査の自己負担分を県が負担するということにして、全て一律県民が肝炎ウイルス検査を無料で受けられるという体制をつくることによって、肝炎ウイルス検査行こうぜというキャンペーンを加速して、いよいよワーストワンからの脱却を図りたいという事業です。
 なお、がん対策のさらなる推進というのは急務であることから、これにつきましては、来年度から組織改正の強化、具体的に言うと室の設置のようなものを考えていきたいと思っています。
 続きまして、もう一つの課題ですね。交通事故ワースト脱却推進プロジェクトでございます。
 県警からきょう発表されたそうですけれども、5年間、佐賀県が人口10万人当たりの人身交通事故発生件数はワーストワンでありましたけれども、きょうの発表によりますと、ワーストツーと言ったらおかしいですが、要は2番目になりました。静岡県さんがワーストワンになられたということです。もちろん、誇れるものでもないんですけれども、それでも、減少率につきましては、これは県民の皆様方、関係者の皆様方の努力によって対前年に比べて13%減ったということですので。ただ、ここで立ちどまらずに、ますますその取り組みを加速化したいと思います。次のターゲットは、3位の宮崎県ですから、宮崎県も8%、対前年減らしています。うちは13.1%で、この同じ率では3位になれないので、もっと加速、15%減ぐらいを目標にして、しっかりと交通事故対策を新年度も行っていきたいと思います。
 先だっても、「ここが変だよ。佐賀の交通マナー」ということで、特に県外出身者というか、県外に多く住まれた方からのご意見も参考にしながら、県民と意見交換をするような場づくりもこれから進めていって、いろんな意識改革を進めていきたい。特に、二車線右折の問題。佐賀県の場合は、4割以上が追突事故だったわけですから、そこを減らしていくという問題。
 それから、追突事故の第一原因者は30歳未満の若者が多いのが特徴です。そういったところにしっかりと手を入れていって、県民の尊い命を守ることを大事にこのプロジェクトを立ち上げていきたいと思います。こちらのほうもがんと同じで、来年度から組織体制の強化を図りたいと思います。
 続きまして、人の想いに寄り添う事業ということでして、これは平成29年度もさまざまなことをやってまいりました。この人の寄り添い型の福祉事業というのは、さまざまな要望を承ります。なかなか満足に全てを一気に対応するというのは、できないのが歯がゆいところではあるんですけれども、それでも、毎回申し上げているように、さまざまな分野に手が入るような形でメッセージを送っていきたいと思います。
 昨年も小児慢性特定疾病、発達障害、若年性認知症、ひとり親、中学校のひきこもり、不登校といったものに対して手を入れさせていただきましたけれども、今年度も、こういった形で支援が必要な子供たち、障害のある方、犯罪被害に遭われた方に対して、さまざまな事業をさせていただいております。
 そして、ヘルプマークですね、これも障害をお持ちだというのが外から見えないような、例えば、若い人だったり、普通に見えるような方々でも、私は障害を負っていますということがわかる仕掛けがこのヘルプマークなんです。こういったものについても佐賀県も30年度から導入して、啓発活動を実施していきたいと思っています。
 なお、29年度から、人の想いに寄り添う事業としてさまざまな事業を行っておりますけれども、さが現場の声と想いをつなぐ懇談会を設置しておりまして、現場の皆さん方の意見を聞いて、それを少しでも実現させていくという仕事の仕方を佐賀県は実施しているところです。こういった最前線でいろんな悩みを抱えている皆さん方の提案による施策実現をますます図っていきたいと考えています。
 その1つとして、子どもの居場所拡大事業ということでして、子供と地域をつなぐ居場所づくりを促進しようということです。実は今、県内で子供の居場所、最近多いのは貧困家庭だとか、ひとりぼっちで行くところがない子供たちに、食事を提供したりしながら、いろんな励ましの声をかける居場所が、県内でも今本当にNPOの皆さん方、地域ボランティアの皆さん方のご努力で、我々が知っているだけでも14カ所、今あるわけなんですけれども、そういったところで、開設、食事の提供、学習支援、遊びの場を提供する子供の居場所の設置というものも促進するために、民間団体と協働してコーディネーターを配置して、開設・運営支援、そして研修、情報提供等を実施したい。そして、開設に必要な初期費用を支援したい。上限10万円で、補助率10分の10でありますけれども、そういう形で、ますます支援の入り口ですね、この子供の居場所というのは、そこに行くハードルを低くすることによって、それぞれの子供が抱えている課題というものが、NPOの皆さん方の手によって相談窓口に行きやすくして、その子供に見合ったような支援が受けられるようにするという意味がありますので、そういう拠点をできる限り増やしていって、本当に困っている子供たちに支援が差し伸べられるような環境をつくっていくということが大きなポイントでございます。
 続きまして、特別支援教育サポート事業ということで、私立高等専修学校の特別支援教育を充実したいと思っています。高等専修学校というのがあります。この近くでいうと星生さんとかそうですけど、中学校卒業者を対象とした課程で、社会に出てすぐに役立つ実践的な職業教育を行うなど多様な教育を実施していただいております。特に、全日制の高校に入って、不登校になったりして中途退学者という方々を、積極的に受け入れていただいたりしておりまして、非常にありがたいなと。高等学校と同様の教育機会を提供していただいて、そういったところに光を当てるべきだとずっと考えておりました。今回、30年度から学習障害、そしてADHDなど発達障害のある生徒の学習支援を行う特別支援教育支援員の配置を支援したいと思っています。
 このように、本県で大きな役割を果たしていただく、専修学校や私立学校、そういったところに対する施策をさらに充実していくために、こちらのほうも組織体制の強化を図りたいと考えております。
 具体的には、今、法務私学課というところがあるんですけれども、もう少し私学をしっかりとフォローする。高等専修学校も含めて支援ができるような体制をつくっていきたいと思っています。
 続きまして、発達障害者支援体制整備事業であります。これは一言で言いますと、成人向けの発達障害、いろんな皆さん方の努力によって、発達障害ということに対する施策が子供に対しては大分充実してきたとは思うんですけれども、実は我々が子供のころに発達障害というのは余り意識がなかったように思います。あれっ、そうか、自分は発達障害だったのかなと大人になってから気づくという方々が、就職が困難であったりといった問題があります。アルバイトを転々として、そこそこでコミュニケーションができなくてみたいな形で。そういった皆さん方の就労に関し支援する部分が必要ではないのかという話が現場の声と想いをつなぐ懇談会、先ほど言ったいろんな現場の識者の中から出て、成人向けの相談窓口がないよねみたいな話があって、相談協定が必要だとなりましたので、今回、発達障害者就労支援センターを佐賀市内に設置して、就労支援のほか企業向けの研修等を実施していきたいと考えています。また、地域における検査・診断体制の充実のために、かかりつけ医に対する実地研修を開催、こうした取り組みを新たに行うことで発達障害者の方々が地域で安心して暮らせる社会を目指していきたいと思っています。
 続きまして、犯罪被害者等支援推進事業です。
 犯罪被害者、具体的には殺人ですとか、わいせつですとか、監禁だとか、傷害罪だとか、ひき逃げだとか、さまざまなものがありますけれども、そういう犯罪に遭われた被害者の皆さん、そして、その家族の支援につきましては、昨年の3月に犯罪被害者等支援条例を制定しました。そして、市町のほうでも条例化が進みました。県、警察、市町、民間支援団体等が連携しながら支援強化に取り組むこととしております。
 新年度の具体的な取り組みといたしましては、支援コーディネーターの配置、市町職員、ボランティアの養成講座を開催、そして県民へ理解をいただくために、大学生などを対象とした出前講座を開催すると。こういった取り組みによりまして、犯罪被害者、そしてその家族の方々も再び平穏な生活を営むことができる地域を目指していきたいと考えております。
 続きまして、子育てし大県推進でございます。
 子育てし大県“さが”プロジェクトにつきましては、おおむねこの出会い・結婚、妊娠・出産、子育て、男女共同参画/ワークライフバランスという4本立てで事業を推進させていただいております。
 これをさらに進めていくということでありますけれども、特に新規事業といたしましては、佐賀県と北海道との子ども交流事業とか、先ほどから説明させていただいております子どもの居場所拡大事業。それから、イクカジ推進事業というのは、次スライドで説明したいと思います。継続事業でいいますと、吉野ヶ里の子育てし大“券”事業も今、70万人を超えて、吉野ヶ里にもご来場いただいています。遺跡だけではなくて、むしろ子どもたちが自由に走り回れる環境だということをPRすることによって、ますます入り込みを増やしていきたいと思っています。子育てタクシーにつきましても、全県下に広げて、今取り組みがさらに進められているところでもありますし、多胎児支援タクシー券という事業も非常に評価をいただいているところです。そういった取り組みをさらに加速化していきたいと思います。
 そして、このイクカジですね、育児・家事推進事業なのですが、このマイナス1歳からのというところが1つのポイントです。知事が妊婦にというものを私もやらせていただいて、妊婦であるところからがもう子育ては始まっているんだなということを認識させられたわけです。女性は、妊娠すると母親としての自覚が芽生え始めるそうです。これに対して、男性は子どもが産まれてからでないと父親としての自覚を持ちにくいという話でありまして、私も自分が妊婦体験をすることによって、ああ、こういうときから子どもというものに対して認識を持たなければいけない。家事・育児というものを夫婦でともに担うという意識を持たなければいけないと反省をしたわけです。そういった意味で、今回男性の家事・育児時間が長いほど第2子以降の出生は高くなるというデータもあることにも着目して、男性の積極的な家事・育児への参画をさらに促進したいということです。
 具体的には、県内の産婦人科と連携したプレパパを対象とした家事・育児への参画意識を啓発する講座の開催、そして、男女共同参画の視点を盛り込んだ父子手帳を作成・配布などを行っていきたいと思います。こうした取り組みによりまして、子育て期の男性が主体的に家事や育児に参加する意識の向上を図りたいと思っています。
 ちなみに、こういった事業を頑張っておりまして、6歳未満の子供がいる夫婦の1日当たりの家事関連時間につきましては、今男性は96分、女性は415分ということです。佐賀県の夫の家事関連時間は、全国6位まで向上してまいりました。さらに向上するように頑張ってもらいたいと思います。
 さて、続きまして、SAGAスポーツピラミッド構想をこれから提唱していきたいと思っています。
 今、平昌でオリンピックやっていますけれども、例えば、昨日銀メダルをとった平野歩夢選手やアイススケートの羽生選手もそうですけれども、大変なけがをして、スポーツトップアスリートというのは、本当に大きなリスクを抱えながら、そしてその家族も将来に対する不安を抱えながら、トップアスリートを目指している。このことは国民みんなの共通した理解ではないのかなと思っております。
 私は、例えば今回、ひらまつ病院さんが理学療法士だとか、介護の仕事などしっかり職を持ちながら駅伝の選手を、スポーツを一生懸命やっていると姿というのがすばらしいなと。要はスポーツに一生懸命歩みながらも、しっかり地域とか企業がみんなを大事にしていくという姿勢。言うなれば、トップアスリートが世界、全国で活躍する、そしてそういった姿を子供たちや県民が間近に感じて憧れとか夢とかをもらったりしながら、俺たちもこういうふうになりたいなと思ったり、俺たちも支える側になりたいなとか、一緒に頑張りたいなみたいな、そういう感動をともにして、広がった裾野に活躍した選手たちが勇退後、また指導者としてめぐりめぐって、またそれを支えていくというようなこういう三角が、トップも伸びる、そして裾野も広がるというこの三角形、ピラミッドがどんどん大きくなるような仕掛けができればいいなと。そして、佐賀県も多くのスポーツ選手が県外に流出しております。中にはとどまってくれている方もおりますし、例えば、最近花が開いた選手でいうと、DeNAの濵口選手とか宮崎選手は、三養基高校や厳木高校でしっかり野球をやって、伸びているわけです。逆に県内でしっかりこういったスタイルをつくっていくことができるとするならば、佐賀県自体でこういった三角形をつくっていく、むしろよそから佐賀県に来ていただくこともいいと思うので、そういう仕掛けをこれからつくっていこうと。国体・全障スポも、もう5年後に迫っておりますけれども、どう大きなイベントをやるんであれば、こういう仕掛けとともに育てていって、国体・全障スポが一つのきっかけ、通過点であり、その後もレガシーとして残るような仕掛けを常にともにセットとしてやっていくべきではないのかなということで、これからこのSSP構想というものを強く打ち出していきたいと思っております。
 例えば、この前、男女の駅伝の監督さんとの意見交換をしたときも、女子駅伝のほうは実業団のクラブがないので、結局、長崎県の銀行などの県外にみんな流出しているという話もございました。そんな話もみんなで共有しながらやっていくということができればいいんじゃないかなと思います。
 そして、その中の一つのポイントとして、SAGAエリートアカデミー事業というものをやっていきたいなと思います。
 これからさまざまな施設整備も進んでいます。そうした中で、例えば、今国のほうでは味の素さんがナショナルトレーニングセンターを北区に設けて、トップアスリートの拠点としているんですけれども、そういったものを、佐賀県強化指定選手を対象にSAGAエリートアカデミーというものを設置して、有望選手に対して、競技団体、指導者などから成る支援チームをつくってフォローアップをしていくと。今、実際はさがんアスリートということでお金を出したりはしているんですけど、もうちょっと物心両面の、そして競技者としてのさまざまなトレーニング指導や栄養指導も含めた、全体としての支援をやっていくということで、佐賀県全体の底上げをやっていきたいと思っております。
 そして、国体・全障スポに合わせて整備が行われるゾーンですね、高木瀬・日の出ゾーン。地名が日の出地区ということなので、SAGAサンライズパークと仮称をつけてございます。大体行政がこれつけると、総合運動何とか場(仮称)ってつけるんですけれども、どうせ仮称をつけるのであれば、日の出地区なのでサンライズパークということでとりあえず仮称をつけておいて、皆さん方のいろんな意見も踏まえながら、どうしていくのがいいのかということを考えていきたいなと思います。そして、これは一応SAGAアリーナ(仮称)という仮称に、水泳場も今回新設される予定なんですが、これも仮称があったほうがいいかもしれませんね。
 それで、これからさまざまな施設運営、建設に関するプロジェクトの推進支援業務などを実施する。庭球場も改修させていただきます。そして、ボクシング・フェンシング場が新築されるということで、このエリア、本当にこれから生涯健康のために県民の皆さん方が親しみの持てるゾーンになっていくと思います。(平成)34年にプレ国体が行われますので、それに間に合うような形で、文化ホールとつないで市との連携も図りながら、さまざまなコンベンション、そしてコンサートができるような形をめざしたい。この水泳場は、福岡で世界水泳がありますので、何とかそれに合わせてキャンプができるような形で整備が進むように今指示しているところでございます。
 さて続きまして、九州佐賀国際空港の拡張事業でございます。
 ご案内のとおり、九州佐賀国際空港は右肩上がりでございまして、空港建設時の需要予測でありました73.7万人は超える勢いでございます。ソウル便の利用者数は顕著ですし、今、台湾便も非常に好調だということ、そして、羽田便も利用者増が続いておりまして、とてもこれだけのものでは対応ができていない状況です。
 駐機場、これが4番スポットですけど、ここ、5番というか、6番というか、ここのエリアが今、ちょっと土盛りしてあり、ここに新しいエプロンをつくろうということなんですが、これは今着手しておりますけれども、平成30年度は舗装工事、そして照明工事を行いまして、平成31年度の供用開始を予定しています。時間がかかるわけですね。
 ターミナルビルですね、これは平成30年度、新年度に拡張工事に着手して、これをこちらのほうに1.5倍程度に伸ばすということ。そして、待合室、チェックインカウンターが増設されまして、売店、レストランも拡張して、利用者へのサービス向上を図りたい。こちらのほうの完成は、平成32年度、2年後を予定しております。そして、今年は7月に開港20周年を迎えますので、新年度に記念イベントを開催する予算も見込んでございます。
 続きまして、さがの未来につなげる予算ということで、採用力向上支援事業というものに取り組んでいこうと考えています。
 昨日もビジネスイノベーションフォーラムを、東京でやってきましたけれども、やはり人手不足というものがみんなの課題。これは東京もそうですし、県内企業もそうであります。
 そして、今、大きな考え方の転換を佐賀県は図っていて、薩長土肥であったからかわかりませんけれども、県外に人材を出すことが、国家を支えるのが佐賀県の使命だと思っていた節が右肩上がり成長期にあったように何となく思うわけでありますけれども、これからはそうではなくて、佐賀から直接世界に誇れるものにしていきたいという考え方からも、人材確保が最重要の喫緊の課題だと思います。
 ものづくり基金の10億円なども活用して、県内の高校と企業との橋渡し、そして、例えば、Re:サガミーティングなど、県外の大卒者などに佐賀に目を向けてもらうイベント、教育委員会による県民に誇りの教育だとか、多くの関係者の努力によりまして、昨年3月卒の高校生の県内就職率は3.2ポイントの改善という日本一の改善幅を示したわけであります。そして、今回の30年3月卒も、現時点で集計中ですが、引き続き改善方向です。この勢いを加速していきたいと思うんですけれども、問題は、県内の企業の皆さん方の採用力。求職者側、要は仕事を求めるほうへのアプローチは大分成果を上げつつあるんですけれども、人は欲しいと言いながら、人材を県内の卒業生をどうやって取り入れるのかという力がやっぱり弱いねという話になりました。30年度新たにこうした県内企業の課題、採用力向上へ向けた集合セミナーとか個別企業支援を展開して、もっとがむしゃらに、もっと早目に、大体県内企業というのは余り採用数も多くなかったりするものですから、県外が決まった後に出ていって、そのときは例えば場合によってはもう人材がいないとか、何となく定型パターンに陥って悪循環にはまっていたところがあります。県内企業でもすばらしい企業もあまたあるので、先行的に積極的にアプローチをしていく。採用見込み数というものも、最後の最後になって何人って決めるんではなくて、もっと長期的なスパンで採用していくとか、さまざまな支援ができると思うので、アドバイスもしていきたいと思っております。
 水素・燃料電池関連産業創出事業であります。
 我々原発立地県としても、新エネに対する意識をしっかり持ちながらやっていこうということで、先進地になるんだという強い思いでずっとやっております。佐賀県の場合、太陽光発電とか風力発電を頑張ってやってきたんですが、ご案内のとおり量的拡大はなかなか厳しい、言うならば、調整可能量、買い取り量が限界に来ているというご案内のとおりの状況であります。これからは、再生可能エネルギー由来の余剰電力を水素として貯蔵する。水素として貯蔵して、必要に応じて発電に使うという実証研究、要は蓄電のシステムというものが、水素を介在してできていて、必要なときに電気が発電できる、使えるということですとか、水素ステーションにも使えるということになるわけです。ある意味、夢のような話でもあるんですけれども、これができるとすると多くのことが解決するんではないか。そして、それ自体が再生可能エネルギーの導入拡大、そして、関連産業の創出につながるんじゃないかということで、これに乗り出していくと。実証研究の実施可能性をしっかり検討していくという新規事業に取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、トレーニングファームの整備事業ですが、最近、農業関係の皆さん方も大分変わってきまして、笑顔も見られたり、夫婦で参加されたりとか農楽ガールなどの女性団体が活躍したりとかですね。そんなような状況になってきまして、新規就農の皆さん方を温かく迎え入れたいという、トレーニングファーム事業については積極的な流れになっております。これまでも、富士のホウレンソウだとか、武雄のキュウリとかいろんなことをやってきたんですが、今回は、鹿島と白石で、トマトとイチゴに対するトレーニングファームを整備していくということです。これとあわせて、農業を支える方々とのさまざまな意見交換もある。福祉じゃないですけれども、農業後継者の問題もありますので、さまざまな意見交換もさせていただきながら、新規の移住、定住を促進する観点も取り入れてやっていきたいと考えております。このトレーニングファーム整備事業は、佐賀県ならではの事業で、将来拡大の可能性も非常に強い事業ですので、しっかりやっていきたいと思っています。
 そして、有明海再生加速化事業です。今、有明海の問題というのはご案内のとおりなんですけれども、我々のミッションは、あくまでも有明海の再生、有効な水産資源の回復技術の開発、水産資源を回復させると、これに全力を挙げるということです。ですので、今回、新たに加速化事業ということで、今行くときぞ、というようなことです。
 実際今、アゲマキ、アサリ、ウミタケにつきましては、そこそこ明るい芽が見えてきております。それに対してタイラギは、今6期連続で休漁となっております。漁場改善、それからナルトビエイの食害軽減対策に取り組む。そして新たに、人口的に稚貝を生産して放流を実施したい。この稚貝の放流によって、ウミタケやアゲマキなんかも少しずつ今成果が出つつあるので、タイラギのほうでもやってみたいということです。
 そして、さらに2月補正で、共同利用施設整備への支援ということで、ノリの種苗生産施設とノリの共同加工施設というものに対して、これは国の助成も受けながら積極的に支援をしていきたいということです。宝の海である有明海の再生に向けてしっかり、漁業者と意見交換をしながら取り組んでいくことに力を注いでいきたいと思っています。
 続きまして、中山間地・離島の声に応える事業ということです。やはり中山間地の農業振興というのは、非常に県民の声も多いところです。難しいのは、中山間地はそれぞれの中山間地によって置かれている状況だとかつくっている作物が違うところです。そして、条件が不利なので、非常に整備が難しいということなので、それぞれの課題解決に向けた支援をしていく、その挑戦を後押ししていくという事業です。それから、離島の活性化という意味では、「そうだ、島へ行こう!」推進事業ということで、我々の七つの島の魅力と島外の活力を加えた離島の活性化事業。そして、ここにありませんけれども、県境につきましても、例えば太良におけるコハダの活用事業だとか、みやき町においては、災害時の県境を超えた避難の事業だとか、今検討している中では、バス(路線)が県境で切れている問題を何とかしたいとか、いろんなことの検討が今行われておりますので、中山間・離島検討対策本部を中心に、しっかり支援していくと考えております。
 続きまして、部活動指導員の活用研究事業であります。
 全国的な教員の多忙化解消という動きの中で、国が新たに部活動指導員という制度を制度化しまして、県内の公立中学校に配置して、その活用方法を研究することといたしております。
 部活動指導員は単独での指導・引率や高い技術指導が可能でありまして、顧問教員の負担を軽減したい。あわせて、複数顧問配置の促進や指導方法の啓発、休養日の設定に取り組むことで適正な部活動の実施を通じた教員の負担軽減を図りたいということです。簡単に言いますと、教員が部活で大会に随行したり、非常に多忙であるので、さまざまな形で適正な部活動の実現を図って、教員の負担軽減を図っていきたいということです。
 最後になりますが、さがを支える社会資本の整備ということです。これも毎回申し上げておりますけれども、佐賀県は本来、全国で人口密度16位の非常に投資効率のいい地域であるにもかかわらず、社会資本整備がおくれていると。ここをTゾーンと僕は言っていますけれども、多久から嘉瀬の部分はたった14キロです。これによって大分渋滞が解消されるという話がありますけど、これまで一向に進んでこなかったところですが、これからこのTゾーンを特に中心に、九州佐賀国際空港のストック効果も発揮できるので、随時やっていきたいと思います。
 そういった意味で、有明海沿岸道路も上り線については何とか年度内に再開できると考えておりますけれども、前回、雨と地震で崩落するということがあったので、二度と繰り返さないように、今、慎重に進めております。
 そして、今、有明海沿岸道路は橋が、国直轄部分も早津江川と筑後川、そして、県事業の部分も六角川ということで、3つとも今、橋事業に取り組んでいるんですね。なかなか皆さんの目に見えにくいんですけれども、例えば、六角川の橋については30年度のうちには完成できるようにしていきたいと考えています。
 そのほか、西九州道につきましては、3月31日に東府招インターまで開通予定ですので、これも伊万里東まで早くやって、伊万里港等のストック効果が出せるようにしたいと思いますし、498号の若木バイパスについても新年度に開通を見込んでいるところです。社会資本整備というものが必要でもありますので、鋭意県内基盤整備の促進に取り組んでまいりたいと思っています。
 ということで、志をエンジンに未来に羽ばたく佐賀へということで、今年、30年度は肥前さが幕末維新博覧会がありますけれども、その後、全国高文祭があります。そして、九州新幹線西九州ルートの暫定開業もあります。そして、国体・全障スポ大会と続いて、こういった仕掛けというものと、先ほどから申し上げているさまざまなソフト事業と、社会資本整備の事業といったものが有機的につながっていくように、そして、志を持って新たな時代に羽ばたいていけるきっかけになるような形をつくっていきたいと思います。
 博覧会も通じて、県民お一人お一人に醸成された佐賀への誇り、自信、そして、これらを土台に築いた志をエンジン、飛躍の原動力といたしまして、次の50年、さらに100年後に向けて、佐賀の未来を切り開いていきたいと考えています。

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