佐賀県では、明治維新から150年を迎え、「肥前さが
幕末維新博覧会」を開催しました。幕末の肥前佐賀藩
は世界を見据えて稀代の人材を育てるとともに、蒸気
船の建造や鉄製大砲の鋳造といった「ものづくり」の力
を高め日本の産業革命を先導しました。 明治政府に
おいても、2度の内閣総理大臣を経験した大隈重信を
はじめ、江藤新平や大木喬任、佐野常民、副島種臣と
いった佐賀藩出身者が外交、司法、教育など幅広い分野
で新しい時代の制度設計を担い「薩長土肥」の一角とし
て大きな存在感を示しており、日本の近代化は佐賀無くして語ることはできま
せん。
それから150年後の現在、日本全体が一つになって豊かさを追求した高度
経済成長は終わりを告げ、人口が減少していく中でそれぞれの地域が自ら課題
を見つけ解決していく社会へと移り変わりつつあります。
この時代に地域が輝きを増していくためには、皆がふるさとを愛し誇りに
思いながら、連綿と続く伝統や先人たちの「志」を受け継ぎ、そこに新たな
価値を見出していくことが大切です。維新博はきっとその一つのきっかけと
なる事でしょう。
忘れてならないのは、人の痛みに敏感に、一人ひとりの想いに寄り添いながら、
誰もが笑顔で暮らせる社会づくりを進めていくこと。人を育て大切にしてきた
歴史のある佐賀には、新しい時代のあり方を示す力があるはずです。
佐賀ゆかりのアーティストやアスリートが世界で活躍し、有田焼や佐賀の酒
が国内外で高く評価されるなど、佐賀の「技」「人」が注目を集める今こそ、
佐賀が再び変革の時代の先頭に立って行動する時です。
山口県政では、元からある「本物」の地域資源に再び光を当て、新しい人の
流れや時代に合った社会を創り出していく「さが創生」と、デザインの力で
ひとの暮らしやまちを心地よく豊かなものとしていく「さがデザイン」の視点を
広く施策に取り入れ、佐賀から世界へ、新たな価値を創造していきます。
全てはふるさと佐賀のために。熱い「志」を原動力に、透明で真摯に、まっす
ぐな県政で、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を進めてまいります。
「志通天。」~志は天に通ず~
佐賀県知事 山口 祥義(よしのり)