○読売新聞
　すみません、２点になります。
　ＣＥＲＮ（セルン）訪問で、今後の誘致に今回の訪問の成果をどう生かそうとお考えかということと、もう１つ諫干の件で、先日また農水省側から早期開門が難しいというのはまた言うてきたようなんですけれども、今後どう対処するかというのをお願いします。
○知事
　まず、今回のＣＥＲＮ訪問を立地に向けてどう生かすかというところでございますが、立地に向けてどう生かすかの観点が３つぐらいあると思っていまして、１つが、じゃ、北上と比べて脊振がより有利と考えるためにどうするのか。もう１つは、じゃあほかの国の候補地と比べて勝つにはどうするのか。もう１つが、そもそも日本政府にやる気になってもらうにはどうするのかと、大きく３つだと思います。そのいずれもにとって非常に意味のある訪問だったと思っているんですが、実はその中で一番ハードルも高く大変だなと思っているのが、日本政府にその気になってもらうことだと思います。もともと文部科学省の研究開発予算は限られておりますし、この8,000億円とも言われている総事業費のうちの半分が日本国負担だとすると、その4,000億円というのを10年でファイナンスするとしても、毎年400億円ぐらいお金が飛んでいくことになります。そういったことに対する文部科学省や研究者たちの理解というのを得ることが一番大変だろうと思っています。
　その意味で、ありがたいことに今、超党派の国会議員の議連ができていて、ずっと勉強会をやっていっていただいているところです。これは超党派でありますので、参議院選挙などで賛成、反対と分かれるようなネタではないと思っておりますので、国会議員の方々に、この必要性について今回の訪問成果も踏まえてしっかりときちんと、私どもがご説明して回ることと、そこの理解を得るということは大変大きな意味と価値があるのではないかと思っておりますので、それをより強化していきたいと思っています。そのことによって、日本国政府がその気になっていくということが立地に最も大きく近づくのではないかと思っています。
　それと、諫干の件でございますけれども、先般農水省に来ていただいて、向こうからの説明も聞き、私どもの水の確保の工夫などをすることによってノリ漁期を避けた一日も早い開門が可能になるのではないかということについての提案をしましたけれども、先方からは厳しいという答えでございました。そもそも、現在海水淡水化装置に向けての作業が進められておりますけれども、その作業そのものも長崎県側の理解が得られていないという状況で、予定どおりの日程で開門することについても、今きちんとしたスケジュールが示せない状況であるというお話でございました。私どもとしては、大変そこの部分については非常に厳しいお話だったと思っているところでございます。その結果を受けて、有明海の関係者、連絡会にこういうことで話があったということのお伝えをいたしました。
　これからどうするのかということについて、関係者間で話し合いをしていきたいと思っています。
○佐賀新聞
　ちょっと諫干関連でもう１点。前倒しが厳しいということであれば、ノリ漁期にかかっちゃうんですけれども、12月は止む無しという現状として、知事のご認識というのはそこまでということですか。
○知事
　そこまではまだ行っていないですね。私どもは、県単独とか漁協で単独でということじゃなくて、いつも連絡会で話し合いをして、見解をまとめて同一歩調で行動をしていっています。今の段階では、まだ連絡会においては一日も早い開門をということについて、それを取り下げるという方針を決めておりませんので、その一日も早い開門を目指すという方針そのものが変わっていないという理解をしています。ただ、一日も早いという意味が、我々は当初は５月、６月と言っていたんですね。ノリ漁期を避けた一日も早い開門だったわけです。それが現実には、ノリ漁期とかぶることが避けられないということを考えると、一日も早いという表現よりは、例えば、そのノリの種付けのような一番デリケートなときに合わせて開門されると、ちょっといろんな影響が出てくるかもしれません。そういう影響が出ないような形の開門ということを言っていかなくてはいけないのかもしれませんが、いずれにしても、その私どもの基本的な考え方は、ノリ漁業に影響の出ない形で開門をしてくれということでございますので、その考え方の基本は変わっていないところでございます。

>>ＣＥＲＮ（セルン）訪問関連　その２>>ＣＥＲＮ（セルン）訪問関連　その４

>>憲法改正関連　その２、諫早湾干拓事業関連　その２